竹田麗央、270ヤード飛ばす“ハイフェード”の秘訣とは?「インパクト後の押し込みが…」
今季ここまでに5勝をあげ、海外メジャーでもその力を見せつけ始めた竹田麗央選手。
そして、9月7日に行われたJLPGA「ソニー 日本女子プロゴルフ選手権大会」の3日目では、「-16」で単独トップにたっています。6勝目の期待がかかるなか、有村プロに彼女の規格外のスケールと今後の展望を語ってもらいました。
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フジサンケイの18番ホールで”今すぐ世界に通用する”そう思いました
ーー今季すでに5勝をあげ好調の竹田麗央選手ですが、どのような印象ですか?
有村:なんといってもスケールの大きさですよね。日本ではなかなか見れないレベルです。
ーー具体的にはどのあたり?
有村:昨年のオフシーズンだったかな? 一緒にラウンドしたんですけど、とにかく飛ばします。なにより驚いたのは球筋がハイフェードなんです。
ーー珍しいんですか?
有村:もちろんフェードボールを持ち球にしている選手はいますが、あそこまで高さを出せて飛ばす選手はいません。しかも、まだまだ余力があるように見えました。
ーー飛ばし屋は曲がるのでは?
有村:今までの飛ばし屋はドローボールが持ち球の選手ばかりでした。ですから曲がったときの幅が大きくてトラブルになりやすいです。でも彼女はフェードボールなのでミスしてもフェードのかかりが甘くて真っすぐ抜けていくくらいで済むんです。
ーーグリーンを狙うショットにも有効そうですね。
有村:竹田選手が優勝した今年のフジサンケイの18番ホール。あそこのセカンドショットってすごく難しいんです。手前のバンカーも奥も嫌ですし、すごく打ち上げているのでユーティリティーとかだと左に逃げるしかなかったりするんですよ。そこを、8~9番アイアンで高い球打ってきたんです。”これは世界いけるわ”って思っちゃいましたね。
ーートレーニングや練習で得たものなのでしょうか?
有村:4年前くらいのバンテリンだったかな、アマチュアで出てきた時には270ヤード飛ばしてましたから、もともとの資質が大きいと思いますね。
ーー2023年も良い成績は出ていましたが、今年は何が変わったのでしょうか?
有村:昨年まではショートゲームに課題があるように見受けられました。彼女もそう感じていたようで、今年のオフはかなり練習したそうです。
ーー実際に見てそう感じた?
有村:彼女ショットメーカーなんで、そんなにアプローチを見る機会多くないんです。でも、KPMGで上位争いしていましたからね。ショートーゲームがよくなっていないと、海外メジャーで活躍はできませんから確実に良くなっているのだと思います。
スイング解説:インパクト後の押し込みが異常です(有村)
写真で見ても飛ぶのがわかるくらい、パワフルなスイングです。でも、このインパクトからフォローだけだとフェードにはならないんです。インパクト後さらに頭と体の捻転差が出来ています。この押し込みの長さと強さが規格外のハイフェードを可能にしています。(有村)
性格はプレーとまったく違いますね(笑)
ーー竹田選手の普段の様子は?
有村:おっとりして大人しいですね。
ーープレーからは想像できませんね
有村:プレーは豪快ですから全然違いますね。でも物怖じしないところは普段からあります。
ーー強くてもなかなか勝てない選手もいますよね。なぜ竹田選手は4勝できたのでしょうか?
有村:それは永遠のテーマで私もずっと考えています。いつ勝ってもおかしくないのにと思う選手は他にもたくさんいますから。でも、それを追求し続ける選手はどこかで勝てると思いますし。自分の勝負強さに気づけた人は強いんだと思います。
ーー勝負強さに気づく?
有村:勝負に慣れて勝負に勝つことを覚えていくことは大切です。試合で自信をつけられなければ、他の場所で自信をつけることも無駄ではありません。私は子供とのじゃんけんとかでも本気でやるようにしていました。常に勝負し続けていると、自分の強さに自信が持てるときがくると思います。
ーー竹田選手も勝負しつづけている?
有村:外には出さなくても勝負への強いこだわりを持っていることは間違いないと思います。
有村 智恵
●ありむら・ちえ/1987年生まれ、熊本県出身。159cm。通算14勝(メジャー1勝)4月に双子の男の子を出産。
構成=岡田豪太
写真=田中宏幸
協力=取手国際ゴルフ倶楽部
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