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「備品の盗難が止まらない」と支配人が嘆く!ゴルフ場のマナーにプロが物申す

ハロー、エブリバディ! 日本のゴルフトップシーズンは春と秋の2回。芝生が芽吹きはじめる4月中旬から梅雨入り前までと、残暑が終わる10月から11月末までだ。今はまさにグリーンフィ、プレーフィも高くなる時季だが、ゴルフ場の来場者数は増える。それと同時にゴルフ場側が頭を抱えることも増える。えっ!? お客さんが多く来場しているのに頭を抱えるって……についてお話しよう。

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ゴルフ場はパブリックスペース≫共有物に対する意識を改めよう

共有する備品の持ち帰りなんてもってのほか! それは盗難という犯罪である!

メンバーコースだろうと、パブリックコースだろうとゴルフ場に入ればパブリックスペース(共有場所)となることを理解しなければならない。フェアウェイ、バンカー、グリーンなどコース自体も共有する。

ターフを取れば元に戻すか目土を入れ、バンカーに入れば元の状態にならし、ピッチマークがつけばグリーンフォークで平らに直すのは当たり前だ。「そんなことタケにいわれなくともやっているよ」という声が聞こえてきそうだが、今月はここからが本番。

先日、あるゴルフ場の支配人とお話する時間があり備品の話に。「備品の盗難が止まらない……」と嘆いていた。トイレや風呂場からのタオル、綿棒、歯ブラシ、ヒゲ剃りや化粧品、ティーペグやグリーンフォークと数々の備品や消耗品が来場者数以上に消えていくとの話だった。

極めつけはキャディさんが持っている目土用のスコップ。最近はプレーヤー自身がマイ目土袋を持ちコースに入るほど意識の高いプレーヤーも増えたが、キャディさんたちが使う目土に適したあのサイズのスコップまで数が減っていくと聞いてタケもビックリだ!

日本のゴルフ黎明期、パブリックコースは数少なかった。一方、全国の富裕層のゴルフ好きがメンバーコースを各地に次々とオープンさせた結果、パブリックスペースの使い方、マナーの啓蒙を疎かにしたのかもしれない。

1903年神戸にゴルフ場が誕生して120年が過ぎ、団塊の世代のゴルフを支えた人たちが減少する2025年問題も迫るなか、メンバーコースからセミメンバーシップ、パブリックへの経営戦略を変えるコースが増えることだろう。

ゴルファーの共有物に対する意識をあげていかなければならない。あれっ? トランクの中にゴルフ場の傘が? バッグの中にゴルフ場のロッカーの鍵が? ゴルフ場の名前入りタオルが? 

うっかりは人間だからあるだろうが、プレーヤー同士が共有するスペースは〝使用する前の状態に戻す〞。共有する物はそのときに〝使用する必要最低限〞が、基本中の基本であることを心得てゴルフを楽しんでほしい。

タケ小山
●小山武明(こやま・たけあき)/1964年生まれ、東京都出身。プロゴルファー、ゴルフ解説者。テレビ「サンデーモーニング」(TBS)、ラジオ「Green Jacket」(InterFM897)ほか、多数メディアで活躍。

イラスト=北沢夕芸

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