アドレスで背中を意識するだけ!パットの精度を上げるコツをプロ3人が解説

パットは距離感と方向性のどっちが大事か?その答えは両方!タッチが合っても意図しない方向に 打ち出してしまったらカップインしない。

ショートパットはしっかりカップに向かって、ロングパットはきちんと狙ったラインに乗せるパッティングのテクニックをツアープロに学ぼう!

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胸の正面に手を置き1.5メートルを真っすぐ打つ!

僕が大事にしているのは、テークバックでもフォロースルーでも「胸の正面に手とクラブがある」ようにストロークすること。肩をしっかり動かして、体と手を同調させる。手が胸の正面から外れなければ、フェースの向きや軌道が安定します。

肩をしっかり動かす
左腕とシャフトの一体感を高めて、肩の動きでストロークを作る。
やや狭いスタンス幅で左足ツマ先を閉じて構えるのが片岡流

そして、これを実践しながら1から1.5メートの距離を真っすぐ打つ、という練習を繰り返します。この「入れごろ、外しごろ」の距離を攻略することがスコアメイクの最大のポイントだからです。ちなみに握り方はプロ入り前にクロスハンドに変更。左右均等の力でバランスよく握り、振り子のイメージで打っています。

手先を使うのはNG

テークバックで手先を使うと、フェースの向きや軌道が不安定 になってしまう

片岡 尚之

●かたおか・なおゆき/1997年生まれ、北海道出身。171㎝、67㎏。19年にプロ転向し、4戦目でツアー初勝利をあげた。プロ入り後の平均パット数が1位、2位、2位というツアー屈指のパットの名手。CSTechnologies所属。

次は蛭田みな美プロのレッスンです。

ボールの近くに立ってフェースの開閉を抑える

「フェースの開閉が小さくなりりストレートな軌道で真っすぐ打てます」(蛭田)

初優勝できた要因のひとつは、イップス気味だったパットがよくなったことですね。ボールの手前側にヘッドを置いてツマ先を近づける。そのあとにボールに対してフェースを合わせる。このようにしてボールと体の間隔をつねにチェックし、アドレスの再現性を高めました。

ボールの手前側にヘッドを置いてツマ先を近づける(①)
ヘッド1個ぶんの間隔をあけてから構えるといつも同じアドレスになる(②)

以前よりボール1個から2個ぶん近くに立ったことで、フェースの開閉(ローテーション)が小さくなり、ミスパットも激減。苦手だったショートパットを克服できました!

開閉が大きいストローク

以前はボールから離れて立っていたので、イン・トゥ・インの円軌道になり、フェースの開閉が大きくなっていた

蛭田 みな美

●ひるた・みなみ/1997年生まれ、福島県出身。164㎝。16年にプロテスト合格。23年シーズンはCat Ladiesで涙のツアー初優勝を飾るなど、8度のベスト10入りでメルセデス・ランキング20位に躍進。ユアサ商事所属。

次は山田彩歩プロのレッスンです。

緊張やプレッシャーにも強い!背中全体を「1枚の板」にして打つ!

背骨を中心に「1枚の板」を動かすと手を使わずに打てる

ここぞという場面では、緊張感が高まりプレッシャーを受けますよね。すると、体が動かなくなり、手を使ってしまうので、プッシュやヒッカケのミスが突然出たり、インパクトがゆるんでミドルからロングパットがショートしがちになってしまいます。

長方形の板をイメージ
構えるときに背中を意識し、肩から尾てい骨までの長方形の板をイメージする
「ロングパットのタッチも安定します!」(山田)

私はこのミスを防ぐために、アドレスで背中を意識します。背中全体を「1枚の板」だとイメージし、背中の大きい筋肉を使って打つ。背骨を中心にその板を動かせば、ボールを強く正確にヒットできる。安定したストロークで打てますよ。

本番に強いストローク

緊張したりプレッシャーを受けたりする場面ほど、背中の大きい筋肉を動かせば、ボールを強く正確に打てる

緊張すると手打ちになる

体がまったく動かなくなり、手だけでボールを打ってしまう。するとフェース面や軌道がブレて、あらゆるミスが出る

山田 彩歩

●やまだ・さほ/1998年生まれ、北海道出身。157㎝。21年にプロテスト合格。23年シーズンはレギュラーツアー6試合、ステップアップツアー15試合に出場し、ECCレディス11位。趣味はドライブと野球観戦。フリー。

構成=小山俊正
写真=田中宏幸、相田克己

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