アドレスの“入り”を変えるだけ!球を曲げずに飛ばす方法をコーチが解説

ドライバーを曲げずに飛ばしたいと、誰もがそう願って打つのではないでしょうか。ではどのように注意をすればショットが安定するのか。

本記事では、アドレスに注目して解説します。

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アドレスが決まればドライバーは曲がらない

岩井千怜

ゴルフ歴が長くても、気づいていない人がじつは多いのがアドレスのズレ。練習場と同じように、いつでも、どのコースでもしっかりアドレスをとることが大事だ。その点で、アドレスをもっとも〝安定〞させることができるのがティーショットで「同じルーティン」「同じ構え」から始動すれば、OBなど大きなミスはまず出ない。とくにドライバーは、もっとも遠くへ飛ばせるクラブなので、少しの違いでも打点や球筋が大きく変わってしまう。

ドライバーがうまくならない、意図しない曲がりが出てしまう人は、安定したアドレスを作る、自分なりのポイントや優先順位を確立しよう!ただし、アドレスに時間をかけすぎるのは逆効果。

スロープレーにも注意だが、それも今号を読めば心配ご無用。スピーディにグッドアドレスが作れるレッスンをお届けする。

安定しないショットの原因は不安定な構えのせい!

クラブを両手で握ってからアドレスに入る!

つねに“一定の構え”で打てていますか?

ナイスショットはスイングの前に、正しいアドレスがあってこそですが、その正解はさまざま。目標や打ち出したい方向に対して、スクエアに構えることは大切ですが、そのほかの部分、たとえばスタンス幅や手の高さ、ボールと体の距離などは、その人ならではの違いが出てもかまいません。その構えから出る球筋が真っすぐではなくても、つねに同じ球筋が出れば、ホールの攻め方も決めやすいし、予想外の結果でトラブルになることもありません。

そのために肝心なのは、いつも同じ構えを作ることですが、気づかないうちにアドレスが変わってしまい、それがミスヒットや大きく曲がる原因になっているアマチュアは多いですね。練習のときも同じ、ラウンド中の18ホールを通しても同じ構えを作るためにオススメなのが「クラブを両手で握ってからア
ドレスに入る」ルーティンと構え方で、この手順で構えるツアープロも複数います。このアドレスの作り方は、とくにドライバーではマネやすく、曲げずに飛距離を出すための大きな効果が得られます。

ドライバーが苦手な人はもちろん、ラウンド中にティーショットが突然乱れるときがある人は、このレッスンをすぐに実践してみましょう。

ティーイングエリアは同じ構えが作りやすい!

アイアンなどセカンドショット以降のアドレスはつねに一定ではなく、傾斜やライに合わせた変化(写真)が必要になることが多い。一方、ドライバーを打つティーイングエリアは、つねに「地面が平ら」「ティーアップする」ので、毎回同じ構えを作れるエリアなのだ!

藤田寛之のほか、宮本勝昌、上井邦浩なども両手でクラブを握ってアドレスに入るタイプ。「すぐれた感性をもっている藤田プロたちは、安定したアドレスを作る、というより、クラブの重みを感じたり、体との一体感を高めるためだと思いますが、それもナイスショットの秘けつになるのでマネたいポイントですね」(佐藤)

もっとも肝心な肩のラインも”前傾する前”のほうがきちんとスクエアに向けられる!

肩の向きは前傾してから合わせるとズレやすくなってしまう

アドレスの向きでいちばん大事なのは、肩のラインです。スタンス向きや両ヒザ、腰のラインは、おもに回転のしやすさに影響するものなので、僕はある程度アバウトでいいと思っています。肝心なのは肩のラインで、クラブや腕は肩につながっているため、肩のラインは必ずターゲットに対してスクエアにしないと軌道がズレてしまうのです。

肩のラインのズレは、前傾して合わせることが弊害になっている人が多いですが、これも直立した状態で作れば、きちんとスクエアに向けられます。

両肩のラインをスクエアにできる!

ヘッドを地面につけて前傾してアドレスを作ると、右手が左手より下にくるため右肩が前に出やすくなり、肩の向きがズレてしまう。

直立してクラブを持った状態だと右手がまだ下にこないので、肩のラインをスクエアに向けやすい。「単純に胸を真正面に向ける、だけでOKです」(佐藤)

腕やヒジのポジションが決まる!

ヒジが伸びて腕が突っぱると、ヘッドが外に上がってしまう(上)。ヒジが緩すぎるとワキがあき、ヒ
ジはたたみやすくなるので捻転の浅いオーバースイングにもなりがち(下)

地面にソールしてから構えると、両腕と両ヒジの位置が安定せず、ズレてしまうことがある。体の正面でクラブを浮かせて持つと両腕が体の前にくる。両ワキが締まってクラブと体の一体感が高まるため、スイング中も外れにくい。両ヒジは向きも安定し、リラックスできるのも大きなメリットだ。

両ヒジが適度にリラックスしているとインパクト以降も腕を滑らかに使えるので、シャフトを体に巻きつけるように振り切れる。飛ばしたいドライバーではこれが大事。

作った形を崩さず前傾
”ボールとの距離(間合い)”や”手元の位置”が一定になる

前傾するときの注意点は3つ

アドレスのズレは、ボールとの距離や手元の位置が変わってしまうケースも多々あります。このレッスンは、上半身の形を決めたら、あとは前傾してヘッドをボールに合わせるだけなので、ボールとの間合いもズレにくいのが利点です。クラブを両手で握ってアドレスに入るルーティンから、実際にボールを打つ構えをとるときの注意点は3つ。

  • 骨盤だけを下に傾けてクラブを下ろす
  • 左寄りのボールにクラブを合わせても体は合わせない
  • 目標を再確認するときは頭を回して顔の向きだけを変える

この3つはどれも「事前に作った形を崩さずに前傾する」ためで、形が崩れなければ“いつも同じ構え”が作れて、打球も“つねに同じ球筋”が打てる。崩れない一定のアドレスと球筋は、スコアも崩さない極意になります!

前(下)に傾けるのは上半身ではなく骨盤

無意識に体がふだんよりもボールから遠い(右)、近すぎる(左)というエラーでミスが起こっているアマチュアは多い。

上半身の形を決めたら、前傾させるのは上半身ではなく、ベルトをうしろに引くイメージで骨盤を地面に向けるように傾ける。骨盤の傾きに沿ってクラブを下げてヘッドをボールに合わせると、ボールとの距離や手元の前後左右の位置も一定になる。

ヘッドをボール位置に合わせて軸を右に傾ける

クラブは真下ではなく、左寄りのボール位置に合わせてヘッドを下げていくと、自然に軸がやや右に傾く。すると、ティーアップしたボールを飛ばすのに適したアッパーブローで振れる。

目標の再確認は前傾をキープしたまま頭だけを回転

打つ体勢が決まってから目標を再確認するときは、頭だけを回して顔をターゲットに向けて見ると、それまでに作った形が崩れない(○)。上半身を起こして見ると、右肩が前に出るなどせっかく作った一定にするための形が崩れてしまう(×)

いかがでしたか? 3つのポイントを練習してみてください。

レッスン=佐藤雄紀
●さとう・ゆうき/1997年生まれ、神奈川県出身。170cm、62kg。東京国際大学ゴルフ部を経て、現在は埼玉県を拠点にツアープロを目指しながら腕を磨く。スイング研究にも余念がなく、最新のゴルフ理論にも深く精通している。

写真=相田克己、ゲーリー小林
協力=取手桜が丘GC(アコーディア・ゴルフ)

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