岩井明愛、250ヤード以上飛ばすコツを解説!飛ばし屋女子プロのスイングを紹介

昨年のドライビングディスタンスで上位に入った女子プロをピックアップ!

飛距離アップに必要な要素が詰まったスイングのポイントを解説していく。

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体の動きでフェースを開閉!沈み込みでパワーを解放!

インパクトは右ヒザを曲げたまま打つ

岩井明愛選手は平均飛距離が250ヤードを超えているだけでなく、23年シーズンはドライバーの曲がり幅を抑えることで好成績を残しました。スイングの特徴は、フェースの開閉が大きいこと。最近の女子ツアーではフェースローテーションが小さい選手が増えましたが、岩井選手はフェースを開いて閉じる動きを使って飛距離を伸ばしています。

フェースローテーションが大きくても曲がらない理由は、腕の動きではなく、体をしっかり回すことでフェース面を開閉させているからです。トップでは両腕の真ん中にクラブがあり(❸)、ダウンスイングでも体の幅からシャフトが外れていません(❹)。今の女子ツアーではもっとも体の使い方がうまい選手といっても過言ではないでしょう。

もうひとつ、飛距離を伸ばせるポイントはダウンスイングの沈み込みです。アドレス(❶)ではほとんどヒザを曲げていませんが、ダウンスイングからインパクトに向かって左ヒザを曲げたままボールを打っています(❹❺)。体を沈み込ませることで、ボールに最後のひと押しのパワーを伝えているのです。

岩井明愛

●いわい・あきえ/2002年生まれ、埼玉県出身。161cm。23年シーズンはKKT杯バンテリンレディス、住友生命Vitalityレディス東海クラシック、ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで優勝。ドライビングディスタンスは257.88ヤード。Honda所属。

右ヒジを伸ばした大きな軌道で軸を斜めにして飛ばす!

頭を右に残すことで低スピンでも弾道が高くなる

プロ1年目の荒川怜郁選手は、まさに新時代の飛ばし屋というスイングです。アマチュアに参考にしてほしいのは、ハーフウェイバックの姿勢です。荒川選手はハーフウェイバックまで右ヒジを曲げずに、右腕を伸ばしています(❷)。テークバックと同時に右腕を曲げてしまうタイプが多いのですが、荒川選手の ように右腕を伸ばしておくことでスイング軌道が大きくなり、ヘッドスピードアップにつながります。

従来のスイング理論では「頭を動かすのはNG」といわれていましたが、荒川選手はダウンスイング以降に頭を右に残したまま、体の軸を少し傾けるようにしてボールを打っています(❻)。専門用語では「斜軸」と呼ばれる動きですが、軸を斜めにすることで適度なアッパー軌道を作り出せます。アッパー軌道でボールを打つことによって、スピンを減らしても打球が上がる。それが飛距離アップにつながっているのです。

また、頭を右に残すことで、クラブを左に引っ張りやすくなり、肩がタテに回転しているのも飛ばせるポイントです。

荒川怜郁

●あらかわ・れいか/2001年生まれ、沖縄県出身。169cm。22年にプロテストに合格し、23年にツアー初参戦。フジサンケイレディスで2位タイに入った。ドライビングディスタンスは257.41ヤード。橋本総業ホールディングス所属。

体重移動、地面反力、回転のすべてをミックス!

日本人離れした左足の使い方がパーフェクト!

同じ飛ばし屋でもフェースの開閉が大きい岩井明愛選手とは異なり、櫻井心那選手はフェースローテーションが少ないタイプです。また、櫻井選手は体の回転だけではなく、左右方向の体重移動と地面反力をうまくミックスさせたスイングで打っています。

そのスイングのカギになっているのが左足です。バックスイングでは左ヒザを曲げることで、上半身をうまく回転させている(❸)。そして、ダウンスイングではジャンプするように左足を伸ばすことで地面反力を使っている(❺)。さらに、インパクト前後では左足のツマ先を少し回すことによって下半身も回転さ せている。アドレスとフィニッシュの左足を比べるとよくわかりますが、ツマ先の向きが変わるくらい左足を大きく動かしています。

体重移動、地面反力、回転を同時に使いながら、アドレスからフィニッシュまで上半身の前傾角度をキープできているのも強さの秘密。ジャンプするような左足の使い方は日本人選手というよりも、米国女子ツアーで活躍する世界のトップ選手に近いスイングです。

櫻井心那

●さくらい・ここな/2004年生まれ、長崎県出身。166cm。23年シーズンは、資生堂レディス、楽天スーパーレディースなど計4試合で優勝し、飛躍の1年に。ドライビングディスタンスは258.59ヤード。ニトリ所属。

解説=樋村隆二

●ひむら・りゅうじ/1976年生まれ、千葉県出身。石井忍が主宰する「エースゴルフクラブ」千葉校のチーフインストラクター。プロのスイング研究に余念がなく、それをアマチュアに合わせて教えるレッスンに定評がある。

構成=野中真一
写真=ゲーリー小林
取材トーナメント=ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ

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