「泣いちゃう…」3勝目・川﨑春花、親友2人との秘話を語る!
JLPGAツアー「ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ」の最終日が7月7日に行われ、川﨑春花が通算18アンダーでレギュラーツアー通算3勝目を飾った。
今回はそんな川﨑選手のインタビューをお伝えします。
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昨シーズン年間4勝した櫻井心那や2勝の神谷そらの活躍で、「ダイヤモンド世代」(2003年度生まれの94期生)の注目度が高い。そのダイヤモンド世代の躍進の先鋒となったのは、2022年9月の公式戦「コニカミノルタ杯」で、最終日に1イーグル・6バーディで、あの山下美夢有との4打差をまくって優勝した川﨑春花だった。
川﨑には2022年シーズンの終わりに、このコーナーで優勝の喜びやツアーでの手ごたえを語ってもらったが、2回目の登場となる今回は、昨季2023年で苦しんだときのこと、今季2024年に賭ける思いについて聞いてみた。
「よかったころのスイングが戻りつつある」
――2024年は、よいスタートが切れたように見えますが?
川﨑:初戦からいい感じでできています。去年崩してしまったスイングが安定してきたというのが大きいです。去年の終盤からずっと、よかったころのスイングに戻そうと取り組んでいて、オフの間も続けた結果、それが体に少しずつ染みついてきました。まだ少しミスもありますが、そのミスの幅が小さくなってきたように思います。
――スイングを崩した2023年は、やはり苦しかったですか?
川﨑:そうですね。苦しかったです。5月の終わりあたりから腰痛がはじまって、痛みをかばっていたら、どんどんスイングが悪くなっていってしまいました。予選落ちが続くとやっぱり気持ちが落ち込んでいきます。そんななかで参加した全米女子オープンで、予選を通過できたこと、世界で戦う経験ができたことはすごく大きかったですね。
気持ちが上がっていくきっかけになりました。それから〝(悪かったときの)この経験があったから、今ガンバれているんだ〞といつも思うようにしていました。今年1月の台湾(フォックスコンTLPGAプレーヤーズ選手権)で優勝したときに、その気持ちが活きたなと感じました。
――台湾で収穫はありましたか?
川﨑:優勝できたことはとてもうれしかったです。ただ最終日に優勝を意識しすぎて自分のプレーができなかった。ほかの選手のこととかいろいろ考えて、感情が揺れちゃうんです。そういう気持ちの整理ができる選手が強い選手なんだと思います。今後の課題はそこですね。
――追いかけてくる選手の動きは気になりますよね。ちなみに川﨑選手はプレー中、スコアボードを見ますか?
川﨑:見ます! 絶対に見ます! まあ、そこで感情が揺れちゃうんですけど(笑)。もしボードを見ないでプレーして、上がったときに敗けていたら〝なんで見なかったんだろう……。(追い上げられているのがわかっていたら)もっとエンジンを掛けられたかもしれないのに〞って後悔すると思うんです。だからボードを見ないという選択肢は私にはないですね。
――〝感情が揺れてしまうこと〟を課題に上げていますが、見た目はどんなことにも動じないように見えます。
川﨑:よくいわれます(笑)。自分では意識していなかったので、私ってそういう一面があるのかな? って。ただ、そう見られるのは悪くないですね。とくに試合中は相手にそのように見られたほうがいいのかもしれません。私だったら、そんな人と一緒に回りたくないないですし(笑)。とにかく、開幕して数試合ですが、感情を揺らさない課題は、まだクリアできていないです。
「春ちんが優勝したら泣いちゃうわ」(櫻井心那)
――オフはタイで合宿をしましたね?
川﨑:はい。8日間、心那ちん(櫻井心那)とみゆ(佐藤心結)と。3人で同じベッドで寝たりしました。そこでお互いのいろいろなことを打ち明け合ったりして、そのときに心那ちんが〝春ちん(川﨑春花)が優勝したら、泣いちゃうわ〞なんていってくれました。そのすぐあとに台湾で優勝したのですが、18番グリーンにきてくれた心那ちんがすでに泣いているんですよ。それを見た私も胸が熱くなって、つい……。
――そこには、佐藤心結選手や神谷そら選手も祝福に来てくれていましたね。
川﨑:うれしかったです。みんなとはすてきな友だちであり、戦友ですね。みんなが勝ったら私も本当にうれしいし、さらに私もガンバろうと思える存在です。
――気分をリフレッシュさせる方法は?
川﨑:ワンコ! チワワです! 名前は漢字で〝小梅〞。家に帰ったときに一緒にいてくれる、最高の癒しですね。会えないときは家族に写真を送ってもらいます。昨夜は電話で小梅と話しました(笑)。名前を呼ぶと反応してくれるんですよ。小梅に会いたいから、試合翌日の月曜はなるべく実家に帰ります。やっぱり実家へ戻れると私自身も安心して、気持ちをリフレッシュできます。
――では最後に、今シーズンの目標を教えてください。
川﨑:まずはコンスタントに自分のゴルフができるようにしたいです。そのためにずっと課題にしている〝感情のコントロール〞をうまくやっていきたいと思っています。でも全部がうまくいくわけはないので、ミスもしっかり受け入れる。勝ちたい思いはもちろんありますが、勝つまでの過程を頭の中で整理して、その行動を明確にしていく。それを今年は続けていきたいです。
川﨑選手のいう自分のゴルフとは、メジャーを獲った2022年に語っていた〝攻めるゴルフ、逃げないゴルフ〞だ。口グセのように「課題」という言葉を並べた川﨑選手。インタビューの最後をひと際明るい口調でこう締めてくれた。
「課題もたくさん、伸びしろもたくさん!」
トンネルを抜けた景色が見えてきたのかもしれない。春の訪れとともに、2022年9月、あの鮮烈なJLPGAツアーデビューを果たしたときの〝春ちん〞が帰ってくる。今回の川﨑春花選手の言葉は、自然とそんな予感をさせてくれた。
いかがでしたか? 川崎選手の活躍に期待していきましょう!
川﨑春花
●かわさき・はるか/2003年生まれ、京都府出身。2022年コニカミノルタ杯、マスターズGCレディースで優勝。2023年はアクサレディスと北海道meijiカップで3位タイ。今シーズンは開幕戦から順調に予選を通過。ツアー3勝目を目指す。村田製作所所属。
文=ひよこきんぎょ
写真=ゲーリー小林
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