19歳・元天才ゴルフキッズの現在がヤバすぎた…?「自分を天才だと思ったことがない」
ニュースだけじゃ伝わらない米女子ツアー選手たちの魅力を毎月、現地からレポートします!
【関連記事】「7番アイアンで200ヤードも飛ぶ」ってマジ!?“飛距離”に特化したアイアン4選
下馬表を覆した天才キッズの成長譚
アレクサ・パノは”天才キッズ”として幼少期から注目を集めてきた。USキッズゴルフ世界選手権で通算5度の優勝を重ね、12年度の同大会ではネットフリックスのドキュメンタリー番組「TheShortGame」の密着取材で奮闘する様子が収められている。
ちなみに天才ゴルフ少女との呼び声が高い須藤弥勒は、21年度の同大会(女子9歳の部)で優勝を飾っている。だが、いくら小学生のときに活躍してもプロで成功する保証はどこにもない。パノもそのことを理解していた。
18年、米ツアー「ソーンベリILPGAクラシック」に当時最年少の13歳で招待出場した際は「周りから天才キッズと呼ばれることに抵抗があるし、自分を天才だと思ったことがない」とコメントしていた。以後、パノより好成績を収める若手が続々と現れた。
22年度の米ツアー最終予選会を突破し、シード権を獲得しても、もはや注目度はそこまで高くなかった。米ゴルフ雑誌のシニアライターのベス・アン・ニコルスも「ブロの世界でどこまで通用するのか様子見です」と静観する構えを示した。
しかし、パノはそんな下馬表を覆した。昨年8月に「ISPSHandaワールド招待」をプレーオフで制したのである。しかも、自身の18歳の誕生日にツアー初優勝といううれしいおまけつき。「今まで生きてきたなかで、間違いなく最高の誕生日プレゼント!クールだわ!」とよろこんだ。
パノの勝因はアグレッシブなゴルフを徹底したこと。プレーオフの18番・パー5は池が絡むシビアなピン位置だったのにも関わらず、果敢にピンだけを狙って攻めた。
そんなコースマネジメントを陰でサポートする父親でキャディのリックさんの存在も大きい。「この風だったら、こっちのアイアンのほうがいいよ」など、毎ショット、細やかなアドバイスをする。今季初戦は優勝したリディア・コに2打差の2位。成長した天才キッズは、プロの第一線で活躍できることを証明し続けている。
いかがでしたか? これからアレクサ・パノがどう成長していくのか、楽しみですね!
写真=南しずか
PHOTO&TEXTShizukaMINAMI
●みなみ・しずか/東京都出身。2009年より米女子ゴルフツアーを取材。ゴルフ雑誌や「ナンバー」「SportsIllustrated」などスポーツ誌に写真を提供。