賞金ランキング6位の若手ホープ!平田憲聖インタビュー!「今年は自信をもって…」
ツアーで活躍しているプロたちは誰もが自分のゴルフをよりよいものにしていくために様々なことを考え、走り続けている。
どんなことを考え、どのようにゴルフに向き合っているのか。インタビューをとおして、その姿を探っていく。
今回は、平田憲聖選手にインタビューしました。
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全英オープンでリベンジしたい
――2023年シーズンを振り返ってみていかがですか?
平田:昨年は優勝できたことについてはすごく満足していますが、全体的に見るともっともっと優勝争いがしたかったですね。
――シーズン2勝はお見事でした。
平田:初優勝のミズノオープンはホストプロとして出場し、同世代の中島啓太選手とのプレーオフを制しての優勝ですごくうれしかったです。そのあとすぐにメジャーで2勝目をあげられたのもよかったです。
――ミズノオープンは初日からいい位置につけていましたが、優勝できそうな雰囲気はありましたか?
平田:感覚はよかったですが、初日が終わって優勝できそうとは思わなかったです。でも2022年から自分の調子がいいときのゴルフが初日からできたことがなかったので、ミズノオープンで初日からスコアを出せたのは、4日間を戦う自信になりました。
――今だからいえる初優勝できた要因は何だと思いますか?
平田:ほんとにないんですよね(笑)。2022年が1年目で、その1年間を戦わせていただいて、そこで得た経験が初優勝に活きたかな、とは思います。
――1年目と昨年の2年目では、どういう部分が大きく変わりましたか?
平田:1年目はコースもはじめてで、やることが多かったり、わからないことも多かったですが、それに対して2年目はある程度コースも知っていて、プレーや気持ちの面でも準備の仕方がわかって環境に慣れました。
――2勝目はどうでしたか?
平田:日本プロに関しては、全英オープンに出場して帰ってきてすぐだったこともあり、全英オープンでの経験が活かせたのかもしれません。全英の難しさや風の強さ、コースに対する攻め方とかが日本では経験できない部分だったので、帰ってきてコースが少しやさしく感じたというのはありましたね。
――イギリスから帰ってきて、すぐの試合でも不安はなかった?
平田:時差ボケで寝れなかったりもしたんですけど、むしろそれがいい意味で気が散ってよかったのかも。集中しすぎず、フラットな気持ちで試合に臨めました。
――全英オープンは昨年の大きな出来事のひとつだと思いますが、出場していかがでしたか?
平田:プロになってはじめての海外の試合で、なかなか自分のゴルフができず、悔しい結果になってしまいましたが、経験したことのない難しさだったり、いつもテレビで見てた人がすぐそばで練習してたり、プレーしているのは、すごく刺激にもなった。またこの場所に戻ってリベンジしたいと強く思いました!
――海外の選手と自分を比べてどうでしたか?
平田:飛距離の面で差があるし、風が強く吹くなかでも果敢に攻めたりして、僕にはないアグレッシブさがありました。もちろんそこは技術があっての話だと思うんですけど、すべてにおいてレベルが高いと感じましたね。
ゴルフをはじめたきっかけは祖父
――得意なプレーは何ですか?
平田:調子がいいときはパットが自分のイメージどおりに打てます。
――どういうことを意識して打っているのですか?
平田:感覚的な部分がかなり強いので、言葉にするのは難しいですけど、パットがよくなった理由のひとつは、あまり手を使って打たないようにしたからです。体で打つような意識に変えてから、安定感が増したように感じます。
――では、オフに取り組みたい今の課題は何ですか?
平田:このオフは飛距離アップをメインに練習しています。
――どのくらい飛ばせるようになりたいですか?
平田:あと10ヤードくらいコンスタントに飛ばすことができれば、コースでの攻め方も変わってくると思います。
――今までの人生のなかでこの人がいなかったら今の自分はいないと思う人物はどなたですか?
平田:ゴルフというスポーツをするきっかけになったのは、自分のおじいちゃん。そのはじまりがなければ、どういう人生を歩んでいたかわからないですね。
――プロになられてお祖父様はすごく喜ばれたのでは?
平田:プロになったことも喜んでくれましたし、ツアーで優勝争いをするたびに連絡をくれたり、もちろん優勝したときは本当に喜んでくれました。
――ゴルフを辞めたいと思ったことはありますか?
平田:辞めたいと思うことは何度かありましたね。僕はジュニアのころから試合に出て優勝したりするような学生時代じゃなかったんです。ゴルフも全然うまくなかったですし、まさかプロゴルファーになれるとも思っていなかったです。
――そこからプロになろうと決意したのは、どういうきっかけがあったのですか?
平田:本格的にプロになろうと思ったのが、どのタイミングかはわからないですが、ゴルフ部がある高校に行かせてもらって、そこでみっちりゴルフに向き合って、そこから自分がガンバったぶんだけ成績が出て、そのときにはプロになりたいと決意していたと思います。
――高校の部活は厳しかったですか?
平田: 大阪学院大学附属高校だったんですが、ゴルフ部のなかでは珍しいくらい厳しくて。ゴルフに対して厳しいんじゃなくて、私生活の態度や礼儀、挨拶の面ですごく厳しい。試合の成績が悪くて何かいわれることはなかったですが、人としてのあり方を顧問の先生に教えていただきました。
――当時を振り返っていかがですか?
平田:当時は本当にしんどいと思ったこともありましたが、今になって思うと、ゴルフではない部分が学べたことにすごく感謝していますし、この道を選んでよかったなと思います。
――今ゴルフを続けるモチベーションになっていることは何ですか?
平田:1番はゴルフが好きということ。それと厳しい部活でしんどい思いをして辞めたいと思ったこともありましたが、今こうやってプロになって、自分が目標としていたツアー優勝ができたというような成功体験を、もっと増やしたいからですね。今までガンバってきたからこそ、くじけて終わるのは嫌です。
――23歳とは思えないほどしっかりしていますね。
平田:年齢の割に落ち着いているとよくいわれます(笑)。自分のなかではまったく思っていませんけど。
――試合中はどういう感じでプレーしているのですか?
平田:試合中は自分に対して怒っているときもあります。試合中に「喜」という感情を出すことがあまりないんですよ。
――プレーに納得できていないから喜べない?
平田:そういうわけではなく、たとえばすごくいいバーディを獲ったりしてもできるだけ18ホールでスコアメイクしたいので、バーディを獲ってテンションが上がって次のホールでボギーを打つというのは嫌。そういう部分で、できるだけ喜びを抑えるようにしています。今まで喜んで失敗したこともあるんで。
――自分で感情を制御してゴルフをしているんですね。
平田:そもそも試合中にすごく喜ぶことがあまりない。制御してるわけでもないんですけどね。
――最後に2024年シーズンの目標を教えてください。
平田:毎年この試合で勝ちたいとか、何勝したいという目標は立てないので、今年も同じであまり考えてないんですが、やっぱり昨年2勝できたので「今年も……」という部分はあります。昨年は自分の力で勝ちとって優勝したという感覚ではないので、今年は自信をもって挑んで、それが優勝に繋がったらいいなと思います。昨シーズンより成績が上回れたら最高です!
いかがでしたか? 平田プロの今後に、ぜひご注目ください!
Profile 平田憲聖
●ひらた・けんせい/2000年生まれ、大阪府出身。2023年シーズンはミズノオープンで初優勝を果たし、日本プロゴルフ選手権で2勝目をあげた。賞金ランキング6位の若手ホープ。ELECOM所属。
写真=ゲーリー小林
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