トップ男子プロ3人の秘技!中島啓太がフライヤーしそうな時の打ち方を解説
ツアープロは多彩な技を駆使してバーディチャンスを作り出したり大叩きしそうなピンチを回避している。そんな「これぞプロテク!」という秘技を紹介。
「プロの技だから僕らがマネするのは無理?」なんてことはない。もちろん、打ち方もしっかり教わってきた!
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バックスピンが減るぶん高い球を打ってグリーンに止めるワザ
芝の勢いが弱まる秋冬のラフからのショットは、バックスピンが減って飛びすぎたり球が止まらなくなるフライヤーが起こりやすくなる。フライヤーしそうなときは、意図的に高い球を打つことで、スピンが減ったぶんを球の落下角で補ってグリーンに球を止めます。
右足体重で構え、そのままインサイドからアッパーにとらえて球を上げる。右手首をやわらく使ってロフトを増やして当てて、クラブを立てるように振り抜いていきます。
右体重のままアッパースイング
右体重で構え、そのまま体重移動をせず右に乗ったままスイングすることでアッパーに振っていく
右手首を使ってクラブを立てていく
右手首をフリップ気味に使うことで、ロフトを増やしつつヘッドを走らせる。フォローはクラブを立てるイメージだ
応用|右足を少し引くとインからとらえやすい
普段カット軌道気味の人は、アドレスで右足を少し引いて構えると、インサイドから振りやすくなる
中島啓太
●なかじま・けいた/2000年生まれ、埼玉県出身。177㎝、75kg。日体大3年時に日本アマを制し、9月には男子レギュラーツアーの「パナソニックオープン」で優勝。21、22年は2年連続でアマチュア世界ランク1位となり、22年9月にプロ転向。23年は3勝をあげている。
キャリーもランも必要なときはサンドウエッジで転がす
たとえば、ピンがグリーンの一番奥のスライス傾斜にあり、手前にマウンドがある。このような場面で僕はSWを選択し、球にフック回転をかけます。スライス傾斜によって球が右に流れていくのを防ぎ、より直線的に狙うためです。
それにはスタンスをクローズにして、クラブをインサイド・アウトに振ります。球を包み込むようにフェースを返し、ヘッドをやや外(右)側に出す。こうしてフック回転をかけると、球が止まらずに前に転がっていきます。チップインも狙えますよ。
球の位置はやや右足寄り。「グリーン面が右に傾いているスライス傾斜にはフック回転、反対に左に傾いているフック傾斜にはスライス回転をかけるのがプロテクです」(大岩)
フェースを開かずにインサイドに上げる
フック回転をかけるにはインサイド・アウト軌道が不可欠。フェースを開かずにインサイドに上げ、そこからアウトに振る
フェースを返しながらアウトに出す
球を包み込むようにフェースを返す。体をしっかり回し、フォローでクラブが体の正面に収まるように振り抜く
カットに振るとランが出ない
球の打ち出し角が高くなり、バックスピンの量も増えてしまう
大岩龍一
●おおいわ・りゅういち/1997年生まれ、千葉県出身。182㎝、92㎏。21年に初シードを獲得。22年は4度のベスト10入りを記録し、賞金ランキング28位。今季は悲願のツアー初優勝を目指す。フリー。
ハンドファーストに打つのが苦手な人にオススメ
パットもショットと同様、ハンドファーストに構えて上からバチンと打ったほうが強い球になりますが、僕はこの打ち方が苦手で距離感が合わない。そこで、手を中に入れて、ほんの少しハンドレイトに構えるようにしました。こうしてパターのロフト角を確保すると、インパクトでフェースに球が乗る。この感覚がとても重要で、繊細なタッチを生み出す秘けつ。そしてフォローを大きく出していけば、球の転がりがよくなり、距離感が合います。
左右対称の振り幅は意識しない
テークバックよりフォローを大きくする。「僕はクロスハンドですが、通常の握り方でも考え方や打ち方は同じです」(植竹)
ややハンドレイトに構えるのが植竹流
ボールの真上に左手がくるように手を中に入れて、ほんの少しハンドレイトにする
フェースに球を乗せる
球がフェースにくっついている感覚があるという植竹。ロフト角を確保し、フェースに球を乗せることで、繊細なタッチが出せる
軸を保ってフォローを大きく出す
真っすぐな軸を保ちながらヘッドを低く長く出すと、球の転がりがよくなる
体が傾くほど振り上げるのはNG
パターを下から上に振り上げてしまうと、真芯に当たらず、球のつかまりが悪くなるので注意しよう
いかがでしたか? 植竹プロのテクニックや体の傾きを意識して練習を行ってみてください。
植竹勇太
●うえたけ・ゆうた/1995年生まれ、北海道出身。163㎝、63㎏。正確無比なショットに定評があり、22年にはフェアウェイキープ率2位(68.43%)を記録。今季はジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ3位。セガサミーホールディングス所属。
構成=鈴木康介、小山俊正
写真=田中宏幸、相田克己
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