武井壮、タイのシニアツアーでハーフ「35」!レベルアップを実感

百獣の王こと武井壮が、プロゴルファーを目指していろいろな経験を積むのがこの企画。今月はタイのシニアツアーのプロテスト受験とトーナメントに出場した模様をお届けする。

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遥か遠い目標だと思っていたことが少しずつ近づいている

8月下旬に、タイへ2週間行ってきました! ティーチングの実技検定に受かったあと、日本とタイでゴルフアカデミーを開いていてる企業の方から「タイのシニアツアーのプロテストとツアー第5戦目に出場しませんか?」というオファーをいただき、プロテストに合格すればツアーメンバーとして、不合格でも招待選手として出場できるとのこと。

タイ滞在中は練習や試合の合間に、タイのメディアの取材を受けたり、タイで著名な方々やインフルエンサーとのコラボのお仕事、僕が出演している日本の番組の収録も3本くらいあって、かなりハードスケジュールでしたが「地球上のすべて人が知ってるエンターテイナーになりたい」「ゴルフバッグを担いで世界中を旅する」ことが目標の僕にとっては、とてもいい第一歩が踏み出せた旅になりました。これが記念すべき僕のシニアツアーデビュー戦。メンバーは豪華で、試合前日のプロアマ戦は、前週に日本のシニアツアーで優勝したばかりのプラヤド・マークセン選手と同組。

クラブの動かし方などいろいろなアドバイスをいただきました。試合の初日からは塚田好宜選手と日本のレギュラーツアーに出場し、シード権を獲ったこともあるタマヌーン・スリロット選手と。ツアーで戦う現役選手たちのプレーを目の前で見て、こういう状況ではこんなショット、こういうスイングをするのか! ととても勉強になり、自分にまだ足りないものがわかったし、戦えるところがあることもわかりました。

トーナメントの初日は80以上打ってしまい、予選通過できる位置にはいませんでしたが、2日目は前日にプロを見て学んだことが役立ち、朝の練習でスイングもいい感じになったので「今日が初日のつもりで最高のプレーをする!」という気持ちで挑んだら74で回れました。最後のハーフは35で、試合でのベストスコアを更新! 結果、プロテストもトーナメントの予選も落ちてしまったけど、大きな収穫があり、プロとまったく同じ条件で試合に出ること、プロが出すのに近いスコアで回るなんて、遥か遠い目標だと思っていましたが「少しずつ近づいているぞ!」と感じることができました。

タイシニアツアーは年間6試合開催され、武井はタイ・スポーツ省とタイ・シニアプロゴルフ協会、日本の企業としてタイシニアトーナメントではじめて主催とスポンサーを務めるZEN Golfer’s Factory(写真右から2番目が中村映禅代表)の三者が主催・運営する第5戦に出場。タイシニアプロゴルフ協会と環境・スポーツ省からのアンバサダー任命もあり、就任式と記者会見も開かれ、タイシニアプロゴルフ協会・スティン会長(写真右)から任命状、プラヤド・マークセン選手(写真左)からはシニアツアー参戦年齢である50歳にちなんで「50」度のウエッジが贈呈された

シニアのプロテストがあるのはタイだけ。筆記試験には日本語でのサポートもあり、50歳をすぎて日本からタイのシニアツアープレーになるという夢を叶えるための門戸が広く開かれている

「一生うまくならない」と思っていた時期を乗り超えた

「日本のゴルフ場よりあきらかに難しい!」と武井。それでも練習ラウンドでは1アンダー、予選の2日目には39-35の74を出したのは、自他ともに認める成長を感じさせる

ティーチングプロの実技テストには受かりましたが、まだ講習などがあり、資格が認定されるのは最短でも再来年の1月。でも、僕のなかで「プロとしての思い」は増す一方で、今回のタイだけでなく、日本でのプライベートのラウンドでも、1打1打に対する重みがまったく違っていてプレーの質が変わってきている。以前は「こんなところに打ったら乗るわけない」と思ったら、適当か無理矢理グリーンに打っておかしなプレーになってしまうことが多かったけど、今は次の1打につなげるためにきちんとマネジメントをするようになったので、クラブも打つ球の選択も変わりましたね。

すると「あんなところからパーが獲れたんだ」とか「とんでもない状況からボギーで抑えらたれぞ」というのが偶然ではなく必然的に起こるようになった。悪くてもボギーで、ダボがかなり減っている。バウンスバックなんて根拠のないものだと思っていたのに、ボギーのあとにバーディを獲ることも確実に増えている。適当にすませない丁寧さは、スイングや技術に匹敵するスコアメイク術で、それが育っています。 ツアープロと回るのは緊張するし、あきらかに僕よりレベルが高いから「うわぁ」と驚かされることばかり。でも、同じスコアで上がれるホールが昔より増えているし、タイの試合のときも2日目の後半のハーフはプロに勝ったりして、実戦、本番でこういうスコアが出るようになったんだ、と思う手応えが不確かながらあります。

ただ、ここから先が長いし険しいんでしょうね。でも、何ごとも諦めたり、無理だと思わずに、ちょっとずつ前進していく力がゴルフについてきている。昔は1歩進んでは2歩下がることが多く「こんな感じで一生うまくならないんだろうなぁ」と限界を感じていましたが、最近はその限界だと思っていたところを超えることができるようになってきて、クラブをどう動かそうとか考えて練習すると答えが見つかるようになってきて、これが成長なんだろうな、と感じています。

レベルや技術以上に高くなったのはプロとしての態度や姿勢

日本プロゴルフ協会のティーチングプロ実技試験合格後は、酷暑だろうが国内(写真右)でも今回のタイ(写真左)でも、長ズボンでプレーする武井。それは「プロらしく」というのが理由だったのか!

スイングや技術以上に育っているのが「ゴルフに向かうアティチュード(態度や姿勢)」ですね。最近はゴルフ場や練習場のスタッフさんたちやプロゴルファーまでが、僕をプロ扱いしてくれる。実技テスト合格前とはあきらかに違う接し方や話し方をしてくれます。正式にプロになれるのはまだ先だし、実技テストに通ったといってもティーチングのB級だから技術的にはそんなにレベルは高くなく、PGAの会員にはなれる技量があるとされる規定のスコアをクリアしただけですが、まわりの方たちが認め、受け入れてくれていることで、僕のなかでも大きな変化が。

以前は、練習はテロテロのTシャツと短パン、ラウンドもカジュアルな服装で行っていましたが、最近はちゃんとしないと、と思うようになり、見られても恥ずかしくないプロゴルファーらしい恰好をするようになりました。実技テストに合格し、今後はアマチュアの試合に出られない。今回のタイのシニアツアーのように出られるのはプロの試合しかないので、そういう方向に舵を切っていかないといけない立場でもある。一番下の下のプロ、すべてのプロゴルファーの最下位からスタートしている気持ちですが、ゴルフのすべてをエンターテイメントにできる、そんなゴルファー像を目指します!

武井 壮
● たけい・そう/スポーツ、芸能の枠を超えて活躍するマルチタレント。YouTube では「武井壮百獣の王国」を配信中。

●オフィシャルサイト gogotakei.com/
●twitterアカウント @sosotakei
●インスタグラムアカウント sosotakei

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