小滝水音、“初優勝”の秘話を語る!「不思議なことがあるって…」

ツアーで活躍しているプロたちは誰もが自分のゴルフをよりよいものにしていくために様々なことを考え、走り続けている。どんなことを考え、どのようにゴルフに向き合っているのか。インタビューをとおして、その姿を探っていく。

【関連記事】7番ウッドを選ぶ時の「4つのポイント」!最新15モデルを試打解説

初優勝はパットが決め手だった

謙虚な姿勢でいることを中嶋常幸プロに教わった

―― 今シーズン、大東建託・いい部屋ネットレディスでツアー初優勝を果たしましたが、振り返ってみていかがですか?

小滝:プロデビューしてからなかなか勝てなかったのですが、優勝っていきなりくるものなんだなって思いましたね。

―― いつもの試合と違う感覚はありましたか?

小滝:全体的にはいつもどおりで、調子は悪くないなって思っていましたが、その週は初日からパッティングがすごく入ってくれたので、そこはいつもと違う感じがありましたね。

―― どの辺りから優勝を意識し始めましたか?

小滝:試合中、なるべく順位は考えないようにしていましたが、でも初日から普段入らないような15メートルや10メートルのパットが1日に4個も5個も入っていました。優勝するときは、そういう不思議なことがあるっていうのを聞いてたので、もしかしたらあるかもしれない、とちょっとだけ感じていました。

―― パットが決め手だったのですね。

小滝:あとはコースとの相性もあると思いますが、その週はラインの読みも合ってたんでしょうね。

―― 優勝した瞬間はどういうお気持ちでしたか?

小滝:ホッとしました。18ホールやっと終わったって感じです。最後まで緩まないでできたなって。

―― 周りの反応はいかがでしたか?

小滝:すごく大きかったです。ほかの選手やいつも応援してくださってる人がお祝いのメッセージをくれたり、声をかけてくださったりして、周りの反応で優勝を実感しました。自分以上に周りが喜んでくれました。

―― 優勝のときのパットの感覚は今も続いていますか?

小滝: あのときのよかった感じを続けようとガンバってはいるんですけど、やっぱりコースが変わると芝も変わるし、グリーンの速さも全然違うので、同じようにしようと思ってもなかなかできません。だから、そのときのコースとの相性とか調子もすごく影響するんだなって思いましたね。

―― ご自身のプレーの持ち味は?

小滝:セカンドショットの正確性です。飛ばし屋ではないですが、ドライバーはもともと得意で、フェアウェイキープ率はいいほう。だからそのぶん、セカンドをピンにピタっとつけられるようにやっていこうってずっと決めています。

―― そのために何か特別なことをしていますか?

小滝:これといって特別なことはないですが、今年はオフの段階からアイアンショットをもっとピンにピタッとつけれるような精度を出していこうと思って練習していました。そのためにクラブの調整とかを細かくやりましたね。

―― クラブを調整すると感覚は変わりますか?

小滝:全然違いますね。今年はロフト角やライ角、クラブの長さなどを細かく調整しました。自分の出したい飛距離やスピン量などを突き詰めていったので、それがよかったです。

―― 今、課題にしていることは?

小滝:やっぱりパッティングですね。いいときと悪いときの波が激しいので、入らないときは本当に入らない。バーディチャンスがきたら決められるように、パッティングの精度を上げていきたいです。

―― パット強化のためにしていることはありますか?

小滝:普段、ホームコースに帰ってよく練習するんですが、いつも同じラインで練習しています。いつも同じ場所から打つことで、いいときと悪いときの自分の違いを感じたり知るようにしています。

トミーアカデミーでゴルフが好きになった

海外に行くことがゴルフのモチベーションになっている

―― 今までの経験で1番ゴルファーとして成長できたと思う出来事は何ですか?

小滝:1番は中嶋常幸プロのトミーアカデミーに入ったことです。中学生のころから5年間入っていて、そこで中嶋プロに出会えたのが1番大きかった。それまではゴルフを曖昧にやっていたけど、中嶋プロのいろいろと突き詰めてる姿を見て、ゴルフの奥深さを感じましたし、同じアカデミーの子たちと一緒にトレーニングすることで、ゴルフのおもしろさを感じられました。それでプロになりたいなって初めて思ったんです。

―― トミーアカデミーで過ごしたなかで心に残っていることは?

小滝:やっぱりトレーニングが厳しかったことですかね(笑)。

―― どんなことをするのですか?

小滝:朝6時半からゴルフ場を散歩、そのあと走ったり、体幹トレーニングなどをします。それが本当に厳しくて、みんな悲鳴をあげながらやっていました(笑)。次の日は筋肉痛でベッドから出られないみたいな。

―― それをやり遂げたという感覚がいいんでしょうね。

小滝:そうなんです。トレーニングのあとは、ゴルフの調子もすごくよくなって、トレーニングって大事だなって実感しました。

―― 辞めたくなることはなかったのですか?

小滝:もちろんありました。トミーアカデミーに入るまではゴルフが好きだとは思えなくて、むしろ水泳のほうが好きでした。でも徐々にできるようになるのがおもしろくて、試合に出るのもすごく好きだったので辞めようとは思わなくなりました。

―― 中嶋プロから教わったことで、今でも指針になっていることはありますか?

小滝:ほぼ全部ですが、謙虚でいること、そういう姿勢が大事ってことです。中嶋プロは今まで何十勝もされていて、すごいレジェンドだけど、いまだにゴルフを追求していて、練習もするし向上心と意識が高い。それを側で見ていたので、おごらないことが大事だなって。むしろ私なんか、もっとガンバらないといけないと思っています。

―― ゴルフのモチベーションになっていることは何ですか?

小滝:海外に遠征に行ったり、ゴルフ以外でも海外旅行をするのがすごく好きで、それがモチベーションになっています。今もツアーでガンバって賞金をたくさん稼いで、そのご褒美で海外に行きたい。稼げば海外合宿もできますしね(笑)。

―― 今まで海外合宿の経験は?

小滝:プロ1年目は行けなかったけど、2年目はレギュラーツアーでガンバってオーストラリアに行ったり、今年はサイパンに行きました。本当にいい循環になっていて、海外に行ってすごく楽しんで、ゴルフもちゃんと練習できて、それをまた味わいたいからまた試合をガンバろう、となります。

―― 行ってみたい国は?

小滝:ヨーロッパです。今一番行ってみたいのは全英オープンなので、メジャーで優勝してポイントを稼ぎたい!

―― 最後に残りのツアーでの目標を教えてください。

小滝:秋の試合は、得意なコースや好きなコースもたくさんあるので、もう1勝したいです!それで来年の合宿も海外に行きます(笑)。

いかがでしたか? これからの小滝選手の活躍に目が離せません!

小滝水音

●こたき・みお/1998年生まれ、茨城県出身。167cm。今季はリシャール・ミル ヨネックスレディス2023で8位タイに入り、大東建託・いい部屋ネットレディスではツアー初優勝を果たした。静ヒルズCC所属。

写真=ゲーリー小林

【あわせて読みたい】

「7番アイアンで200ヤードも飛ぶ」ってマジ!?“飛距離”に特化したアイアン4選

「天使か」西村優菜、“かわいすぎる”ウェア姿を披露!ファンから称賛の声集まる

ミスしても寄る!入る!“AI設計”の最新パターを鹿又芳典が解説

関連記事一覧