武井壮、新アイアンシャフトをガチ試打!ベストな選び方とは?
百獣の王こと武井壮が、プロゴルファーを目指していろいろな経験を積むのがこの企画。今月は豪華ゲストを招いて「アイアンシャフトの見直し」フィッティングを行なう。
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アイアンシャフトを“適正シャフト選び”の軸にする
武井 ティーチングプロの実技テストが終わってひと区切りついたところで、もう一度、自分のクラブを見つめ直してみようと思い、まずはアイアンのシャフトから着手することに。そのために最強の助っ人をお呼びしました!
鹿又・奥嶋 よろしくお願いします!
武井 鹿又さんにはシャフトの性能など、奥嶋さんにはスイングの観点から、今の僕に合うシャフトを選んでいただこうと思います。
鹿又 武井さんは技術レベルが上がってテストも受かり、求める弾道も以前とは変わってきているはずですよね。クラブ選びって、自分のタイミングに合ったものを使って自分のイメージに合う球が打てるものと、自分は変わらなくてもクラブが弾道を作ってくれるものがありますが、奥嶋くん、プロはどうですか?
奥嶋 シャフトなら「自分がこう振りたい」に対して合わせていく選手が多いですね。
武井 僕もそうですね。スイングは自分の感覚があるので、その感覚で振ったときにいい球が出るシャフトを使いたいのですが、問題は僕のスイングが日々ちょっとずつ変わること。なので「これがいい、合う」といわれても正直なところ、信用できないんです。
鹿又 でも、ミスショットって、フェースコントロールができない、タイミングが合わないなどいろいろありますが、自分が振ったときに気持ちよく感じることが大事なので、それを軸に考えていけばいい。そこから弾道をもうちょっとこう変えたいとかがあれば、ヘッドで考えることもできます。
奥嶋 なので、テスト合格など結果が出ている今は、シャフトだけを替えるのは有意義だと思います。
鹿又 今使っているアイアンは結構長いですよね。
武井 もう3年くらいですね。
鹿又 シャフトはモーダスの「120」のフレックスS。そんなにハードではありませんね。球のコントロールがしやすいモデルとスペックですが、これをベースにして、同じモーダスシリーズから探していいと思います。そこから剛性分布や重量の違い、フレックスアップも含めて変わるとどうなるのかを見させていただきます。
武井 今回はアイアンだけでのコース試打ですが、ウッド系のシャフトも悩んでいるんですよね……
鹿又 アイアンシャフトの特性の軸ができたら、ウッドもウエッジのシャフトも正解が見つけやすくなりますよ。モーダスは、同じ日本シャフト製のカーボンシャフト「レジオフォーミュラ」と親和性が高い。たとえば「120」ならレジオフォーミュラの「Bシリーズ」を試してみるといいですよ。
武井 そういうマッチングもあるんですね。まずは、そのベースとなるアイアンシャフトをコース試打で見つけ出しましょう!
ベストなシャフト選び❶ フレックスの変更だけでも大きな変化が生まれる
武井 コースでテストしてきましたが、今の僕に合っているシャフトがすぐに決まってしまい拍子抜けしてます(笑)。試打の模様は「ワッグルチャンネル」の動画を観ていただくとして、おふたりの見立てですと使用中の「120」をフレックスアップしたものがいいという結論ですね?人によるんでしょうけど、フレックスをSからXに替えただけで、ゴルフが簡単になってびっくりしています。
奥嶋 結果がはっきり出て、わかりやすかったので(笑)
鹿又 コースに出る前にある程度「このへんだろうなぁ」という想像はついていました。実際に打ってみても思ったとおり。1発目からいい球が出たので、奥嶋くんとも「コレしかないね」という結論でした。
武井 「120」のフレックスSからXに替えて、具体的にはどんな変化があったんですか?
鹿又 フレックスを上げたら、タイミングを待ったり早めたりすることなく、あきらかにインパクトの当てたいときに当てられるようになった、というのが一番の理由ですね。それは「120」のシャフト性能の高さによるところもあるんですが、「どこがしなりますよ」という剛性分布などは詳しくお話すると長くなるし、動画のほうがわかりやすいので、武井さんも読者のみなさんもほかのモデルのモーダスも含めて特徴や長所は、日本シャフトさんのYouTubeチャンネルをご覧ください。
奥嶋 スイングの観点からいうと、武井さんは基本的にはズレたくない、振り遅れたくないと思っているタイプ。だけど「120」のSだと、ちょっとだけクラブが遅れるんです。それはいい意味で遊びがあって、そこでうまくコントロールしているんですが、それをちゃんと左に振り切って球をつかまえて打つことを覚えるならXへのフレックスアップでいい、というか、目指すところがツアー出場なら、すぐにでもスペックをひとつ上げてほしいです。
武井 たしかに「120」のXだと、体を左に回していくだけでボールコンタクトがよくなる。なんか、ゴルフがちょっと簡単になったんですよね。今まではインサイドから持ち上げるように振っていたので、長いクラブを地面の上からうまく打ったり、ライが悪くなるとうまくコンタクトできないという弱点があった。それをボールを右に置くとか入射角をシャローにするとか、いろいろことでなんとかしていたんですが……
ベストなシャフト選び❷ “叩ける振り遅れ”を作ってくれるモデル
鹿又 誤解がないように説明しておくと、クラブって振り遅れないとダメなんですよ。切り返したときにクラブの先に重たい物がついているので振り遅れないといけないんですが、それが剛性分布の特性なのか、フレックスや重さなのか、スイングで遅れているのかいろいろあるなかで、自分がコントロールして振り遅れを戻せる「ボールを強く叩ける振り遅れ」が作れるシャフトが一番いい。
奥嶋 スイング的には振り遅れたくないんだけど、実際は振り遅れている。それを振り遅れすぎていないものにしましょう!ってことです。
ベストなシャフト選び❸ インパクトの強さなど“応用問題”が上手に解ける
鹿又 ラウンド中って、応用問題しか出てこないじゃないですか。セカンドショット以降はとくに、で、番手間の距離が残ったり、ライが悪かったり、小さいスイングで強く打たなくてはいけなかったり。そういう状況でコンタクトするときにうまく合わせられる、気持ちよく振れているシャフトだったんです。
武井 コースではライも変わるし、景色の見え方も変わるけど、僕は結構それに影響されてしまうタイプ。「120」のXは、シチュエーションに影響を受けても出球の方向が変わらないことに驚きました。これまでは右や左を向きやすい状況では、こういう球が出やすいという傾向があるので、それに合わせてスイングを変えていた。その技術を使わなくても真っすぐ飛んでいくので「コレでいいの!?」と、逆に気持ち悪いくらいでしたがコレでいいんですよね(笑)
奥嶋 それでいいし、実戦ではとくにそうであってほしいものですよ!
ベストなシャフト選び❹ 振りやすい=“切れる刀”を手にしよう
鹿又 ラウンド前に、スイングもタイミングも日々変わるって話していましたが、それはアマチュアだけでなく、プロも毎ショット一定ではありません。もっと上手にならないとシャフトを替えてもしょうがない、という人がいますが、じつはそうではないんですよ。
奥嶋 アマチュアは、打つたびにフェースの向きがズレてしまうことがありますが、シャフトに力を入れるタイミングや力の出し方はまったく変わらないんです。武井さんが今回感じたことは、アマチュアのみなさんにも感じてほしいですね。技術がともなっていないから、フィッティングやリシャフトはまだ早いとか思わず、ある程度自分に合ったものを使って練習やラウンドをしないと、上達に時間がかかってしまいます。
鹿又 フェースコントロールが上手にできる、できないという点では、プロとアマチュアに差はありますが、ボールに対して当てていく動きはほぼ変わらないので、自分にはこういうシャフトが合っているというひとつの柱は作ってほしい。振りやすいもの、当てやすいものを使いながらフェース向きや入射角をコントロールしていったほうが絶対に早くうまくなるじゃないですか。
武井 僕はその柱が細いけど何本もあって、この柱もいいなぁ、さっき使ったあの柱もいいなぁ、とたくさんの柱を使いわけていた。でも、今日は1本の太い柱ができた感じがもてました。
奥嶋 武井さんって、ある意味スーパーテクニシャンなんですよ(笑)。その都度、振り方を変えたり、スイング中に何かを足したり引いたりができてしまう人。
武井 そうなんです。無数にある刀を、状況を見極めて選んで抜いて切りかかるんですが、それがたまにまったく切れないときがある(笑)。ルパン三世の石川五右衛門がいい刀をもっているのに、こんにゃくは切れないのと同じで。
奥嶋 今日で切れない刀は捨ててしまいましょう!
武井 振りやすい名刀を手に入れたと感じられる非常に有意義な試打でした。正直、悔しいんですけどね。今までさんざん悩んできたのに、こうもすぐにコレというのが見つかってしまうとは……(笑)
鹿又 リシャフトは、メーカーやモデルを替える大きな変更をしたくなりますが、武井さんのようにフレックスを硬くする、またはSからRにダウンさせるだけでよくなるパターンは多々あります。
武井 高いレベルを目指そうとすればするほど、自分に合ったクラブやセッティングが必要となってくるので、アイアンシャフトの重要性も身に染みました。このシャフトがより高い山を登れる土台になってくれるはずです!
試打、フィッティングの結果「N.S.PRO MODUS3 ツアー120(X)」に決定!
鹿又、奥嶋の理由にも納得で、武井自身も「シチュエーションやプレッシャーがかかるとスイングが弱くなることがありましたが、自信をもってしっかり振れる!」と、このシャフトでのスイングを柱に、さらなるレベルアップを目指す意欲を見せていた
いかがでしたか? 新しいシャフトを探している方、日本シャフトが気になる方は参考にしてみてください。
武井壮
●たけい・そう/スポーツ、芸能の枠を超えて活躍するマルチタレント。YouTube では「武井壮百獣の王国」を配信中。
ギアのスペシャリスト
鹿又芳典
●かのまた・よしのり/小誌で20年近くギア企画を連載するクラブコーディネーター。年間1000 モデル以上のヘッドやシャフトを試打している。
スイングのスペシャリスト
奥嶋誠昭
●おくしま・ともあき/自身の経験と最新理論、ハイテク機器を駆使したレッスンで、男女ツアープロの指導も務めるプロコーチ。
写真=田中宏幸
協力=日神グループ 平川CC
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