最新ウェッジ&パターを日下部プロが一挙に試打解説!

スコアアップのカギとなるウエッジ・パターの最新テクノロジーと、ギアの造詣が深く、多くの試打テスターを務める一面もある日下部光隆プロが“ショートゲーム巧者”の目線で試打感想を語る。

編集部オススメのモデルのなかからあなたのショートゲーム上達に役立つモデルを探そう!

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グリーンに噛みつくハイスピンウエッジ

Callaway JAWS FORGED キャロウェイ ジョーズ フォージド

フェース溝の角が鋭い「37Vグルーブ」を搭載し、スピン性能の高さに定評のあるキャロウェイ「JAWS」ウエッジ。新しくなった「JAWS FORGED」はその名のとおり、軟鉄鍛造ヘッドを採用して、打感のよさが味わえるモデルだ。プロツアーで長年愛用された名器、2007年モデルの「X FORGED」ウエッジの形状を踏襲し、やや丸みのあるリーディングエッジと高めのヒール部によって、フェースを開いても閉じても性能を発揮できる安心感のあるフォルムに仕上がっている。ロフト角56~60度には、「JAWS RAW」で採用された「Zグラインド」をラインナップ。さまざまなライに対応できるソール形状で、多くのゴルファーが恩恵を受けられるだろう。

効果的なグラインドで抜けのよさが体感できる

スピン性能の高さがとても印象的です。心地よい打感とやや強い出球で飛んで、グリーンに落ちてから強いスピンでしっかり止めることができる。「Zグラインド」は一見するとソール幅は広く見えますが、後方はグラインドされていて、実際に地面に触れる部分は小さくなっています。リーディングエッジにも大きめの面取りが施されているので、地面に刺さりにくい。バンスを活用して抜けのよさが発揮できます。

ノーメッキフェースと溝の効果で強烈スピン

「JAWS FORGED」のヘッド仕上げは、クロムメッキとチャコールブラックの2種類がラインナップ。いずれもフェース面はノーメッキとなっていて、「37Vグルーブ」と溝と溝の間のミーリング「マイクロフィーチャー」と相まって、強烈なスピン性能を得ることができる。

JAWS FORGED

SPEC ●ヘッド素材/軟鉄 ●ロフト角(バンス角)/【Cグラインド】 46(10)、48(10)、50(10)、52度(10度)、【Zグラインド】 54(12)、56(12)、58(9)、60度(9度) ●ライ角/64度 ●総重量/約476g(56度・Dynamic Goldバーガンディ(S200) ●長さ/35. 25インチ(56度)●シャフト(フレックス)/Dynamic Goldバーガンディ(S200)、N.S.PRO MODUS³ TOUR115(S)、N.S.PRO 950GH neo(S)ほか ●価格/3万3000円
●商品の問い合わせ/キャロウェイゴルフ ☎ 0120-300-147  callawaygolf.jp

ライ角と4種のソール形状がゴルファーに応える

PING GLIDE4.0 ピン グライド4.0

昨年に発売され、やさしいウエッジとして評価が高いのがピンの「GLIDE 4.0」。ヘッド素材の8620カーボンスチールとインパクト時の振動を抑える機能をもつ「エラストマーCTP」を約36%拡大したことで、心地よい打感を生み出している。さらに、番手別設計された削り出しのフェース溝と表面を粗目に仕上げた「エメリーブラスト」 によって、さまざまなライから強いスピン性能が発揮できるのも特徴だ。スタンダードな「Sグラインド」に加え、ソール幅が広い「Wグラインド」とテクニックがより活かせる「Tグラインド」、さらに往年の名器を彷彿する「EYE2グラインド」の4種類のソール形状をラインナップ。豊富なロフト設定も加わり、ゴルファーに合わせた選択が可能だ。

バンスが地面を滑り自然とうまく打てる

試打した「Sグラインド」は標準的なソール幅ですが、バンス角(12度)はしっかりあって、ソールが少し前に跳ねて地面を滑ってくれるやさしさがあります。低く打ち出して転がしたり、スピンをかけたり、高く上げることもできる操作性の高いウエッジですが、ソールの当たり方が絶妙で高い寛容性を感じます。リーディングエッジに丸みがあるのも安心感のある形状。スクエアに使ってもフェースを開いても扱いやすいですね。

自分に合うライ角で性能をさらに引き出せる

3度ずつ異なるライ角の試打クラブ(ロフト角は54度)を3本用意し、試打検証。スタンダードなライ角は真っすぐ飛び、アップライトなライ角は左方向、フラットなライ角はやや右に飛んだ。フィッティングを受けて自分に合ったライ角に調整すると、球の方向性もよくなり、イメージ通りの球を打つことができるのだ。

GLIDE4.0

SPEC ●ヘッド素材/8620カーボンスチール ●ロフト角(バンス角)/【Sグラインド】46(12)、50(12)、52(12)、54(12)、56(12)、58(10)、60度(10度)、【EYE 2 グラインド】 54(10)、56(10)、58(8)、60度(8度)、 【Wグラインド】 54(14)、56(14)、58(14)、60度(14度)、 【Tグラインド】58(6)、60度(6度) ●ライ角(54度・標準)/64.3度 ● 総重量/ 約438g(Sグラインド・56度・MODUS³TOUR 105(S)●長さ(54度・標準)/35.25インチ ●シャフト(フレックス)/N.S.PRO MODUS³TOUR 115(S)、N.S.PRO 950GH neo(S)ほか ●価格/2万7500円~ ※ライ角を含め、カスタムフィッティングにより個々に調整
●商品の問い合わせ/ピンゴルフジャパン ☎048-437-6501 clubping.jp

転がしアプローチ専用の機能的なフォルム

ONOFF WEDGE LABOSPEC FROGS RUNNING オノフ オノフウエッジ ラボスペック フロッグスランニング

独自のアイデアを盛り込んだ斬新なモデルがラインナップされている「ONOFF LABOSPEC」シリーズ。その真骨頂ともいえるモデルが、ランニングアプローチ専用に開発された「FROG’S RUNNING」だ。低いフェース高でクランクネックを採用した独特の形状は、フェース全面が使えて、シャンクの心配も極めて少ない。かなりワイドな形状ながら、中央をフラットにしつつ絶妙な傾斜が設けられた「スワイプソール」を搭載。地面に刺さらずに滑ってボールを飛ばすことができ、ダフリのミスを圧倒的に軽減する。グリーン周辺で繊細な距離感を出すのが苦手なゴルファーでも、失敗を恐れずにピンを狙ってコロコロと寄せられる。究極のお助けウエッジの誕生だ。

不安なくストロークできラインを出しやすい

レッスン活動を行なっていて、アプローチで悩んでいる人がとても多いのを感じています。そんな人には、このモデルをパターのように構えて打つことをオススメしたいですね。ランニングアプローチを不安なく、とても簡単に打てるので、このやさしさの恩恵を受けるゴルファーは多いでしょう。重量を重くしすぎず、ロフト角も立てすぎずと、扱いやすさといろいろな場所で使えることを想定したスペック設定で、汎用性も高い。打点が1カ所に集まりやすいのもいいですね。

少しハンドファーストにウエッジ風でも打てる

パターのようにストロークして、容易にランニングアプローチできるのが「FROG’SRUNNING」の特徴(※写真左)。長めの距離感が合いにくい人や、球足を長く出していきたいなら少しハンドファーストにして打つのも有効だ(※写真右)。

ONOFF WEDGE LABOSPEC FROG’S RUNNING

SPEC ●ヘッド素材/17-4PH ステンレス●ロフト角/42度 ●ライ角/70度 ●総重量/507g ●長さ/34インチ ●シャフト( フレックス)/ N.S.PRO 950GH neo (WEDGE)●価格/2万6400円
●商品の問い合わせ/グローブライド  0120-506-204 onoff.globeride.co.jp

伝説から名づけられた斬新なプロダクト

ARGOLF Arthur/ TRISTAN アールゴルフ アーサー/トリスタン

ARGOLFは、フランスで航空産業に携わるコラス兄弟によって2010年に設立された新興メーカー。ハイグレードな素材と高性能CADを用いた精密な機械加工で、独創的で斬新なデザインのパターをラインナップしている。

そのプロダクトは、アーサー王伝説にちなんで名づけられており、なかでも「アーサー」はまさに偉大な王の名にふさわしく、操作性と打感、たくましさと美しさを備えたモデルだ。

「トリスタン」は、ブレードタイプのセンターシャフトで、ソール幅を広くすることで高い寛容性をもち、インパクト時のフォワードスピンを増加するダイヤモンド/サークルグルーブデザインを採用。どちらも高品質な「GSS304Lステンレス鋼」の単一ブロックから精密に削り出されたヘッドだ。

正統派のフォルムと現代風のやさしさ

「アーサー」は、オーソドックスな形状ですが、トゥ寄りに重量を配分してフェース開閉をゆるやかにして、やさしさを加えたピン型です。「トリスタン」は、一見するとブレードタイプのセンターシャフトですが、ソールが幅広で曲面が大きく、どんな構え方にも対応できそう。一体成型による削り出しらしい金属のソリッドな感じがありつつ、打感はソフトに感じます。どちらも操作性と安定感を備えた現代風の性能です。

複雑な形状も可能にする高精度な機械加工

ARGOLFのパターは、すべてドイツ製の高品質な鋼材を使用。チタンやジュラルミンなども用いて、宇宙航空産業にも活用される5 軸ミーリングマシンによって製造される。その加工技術の高さは、「トリスタン」の美しくバランスのとれた船底ソールが物語っている。

TRISTAN

Arthur

SPEC ●ヘッド素材/GSS304L ●ロフト角/4度●ライ角/70度 ●ヘッド重量/370g ●クラブ総重量/550g(34インチ)●長さ/33、34インチ ●価格/7万400円~(Dark edition 8万3600円)TRISTAN●ヘッド素材/GSS304L ●ロフト角/3度 ●ライ角/70度 ●ヘッド重量/353g ●長さ/33、34インチ ●価格/7万400円~(Dark edition 8万3600円)
●商品の問い合わせ/ARGOLF JAPAN(アールゴルフジャパン) ☎ 03-6419-9080 argolf.jp

高精度ミルド加工が生むピュアな打感と操作性

KRONOS TOUCH Slant / ARCHON クロノス タッチ・スラント / アーコン

精密なミルド加工にこだわったパター製造に定評のあるUSA発のクロノスゴルフ。そのパターはひとつのインゴッド(金属塊)から削り出されるため、金属がもつ本来の性質に一切の変化がなく、ピュアな打感と安定感を生み出している。

「タッチ・スラント」は、シンプルに構えやすいスラントネックのブレードタイプ。丸みを帯びたトップブレードとスラントネックの効果で、より感覚的に構えやすく、感性を活かしやすいモデルだ。

「アーコン」は、スッキリと長いスラント形状のロングネックによって、フェースの開閉を抑え、安定したストロークを可能にするモデル。ソフト化した現代のボールに対応し、高品質なステンレススチールと高重心設計による、ソリッドな打感が魅力だ。

フェース開閉の違いで特徴が異なる2モデル

「タッチ・スラント」はターゲットに構えやすく、ちょうどいい加減のフェース開閉があって距離感が出しやすいパターです。「アーコン」はネックが長く、そのためフェースバランスに近づく特性になります。ブレードタイプでありながら、フェースの開閉を抑えてストロークできるため方向性がいいのが特徴です。単一素材で削り出されたヘッドは、しっかりしたソリッドな手応えの打感が味わえますね。

独自のフィッティングでライ角調整が可能

「タッチ・スラント」に搭載された新サイトライン「アイアン・サイト」は、2重線にトップラインの1本線を合わせることでライ角どおりに構えることができる。さらに、これらのモデルは独自のフィッティング「POSTURE FIT」によって、ライ角調整が2度まで可能だ。

ARCHON

TOUCH Slant

SPEC ●ヘッド素材/S303 スチール ●ロフト角/3度●ライ角/71度 ●ヘッド重量/355g(34インチ)●長さ/33、34インチ ●価格/5万9400円ARCHON●ヘッド素材/S303 スチール ●ロフト角/2度●ライ角/69度 ●ヘッド重量/370g ●長さ/34インチ ●価格/6万8200円※「Posture Fit System」(KRONOSオリジナルライ角調整対応、米国・日本特許取得)

●商品の問い合わせ/朝日ゴルフ ☎ 078-793-8440 kronosgolf.jp

いかがでしたか? ぜひ、参考にしてみてください!

試打・解説=日下部光隆
●くさかべ・みつたか/1968年生まれ、神奈川県出身。173cm、76kg。ショートゲームのうまさに定評があるレギュラーツアー通算3勝の実力派プロ。近年は東京都世田谷区のWASSゴルフスタジオでのレッスン活動のほか、シニアツアーにも参戦中。


構成=コヤマカズヒロ
写真=小林 司
協力=日神グループ 平川CC

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