“アゲンスト”って和製英語って知ってた!? アメリカ在住45年のゴルファーが解説
ショート・ミドル・ロングホールは(正しくはパー3、4、5)和製英語。ほかにもたくさんある和製英語を紹介。海外ツアーのテレビ中継を見るときもこの「ワンフレーズ和英辞典」が役立つ!
※各フレーズの語源は諸説あり
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スライスが“バナナ“!?
ショットにおけるスライスやフックは海外でも通じるが、その度合いに合わせて表現を変えることが多い。極端なスライスは、バナナにたとえて「Banana Ball」。フックは「Duck Hook」のほか「overcooked」(ドローをかけすぎたときに使う)などもある
オーバードライブ Out Drive
Outは「外」。ほかのボールより外に飛ばす=より遠くに飛ばすという表現。ちなみにオーバードライブは海外では「酷使する」という意味
アウト/インスタート 1st tee start / 10th tee start
アメリカは基本アウトからのスループレー。10th tee start といっても、日本の「インスタート」の意味ではない
アゲインスト Into the wind フォロー Tailwind または With the wind
intoは「~のなかに」という意味。風のなかに自分が入っていく=向かい風、と表現する。Tailは「しっぽ」なので自分の後ろから吹く風、Withは「~とともに」なので自分に味方する風と覚えよう
カップ Hole
一般的には 「穴」 という意味でHole が使用される。1~18 番ホールの「 ホール」と間違えないように使おう
ガードバンカー Greenside Bunker
グリーンをガード(阻止)するバンカーというのはわかりやすいが、これも和製英語。英語では見たまま「 Greenside Bunker」=グリーン横のバンカー、と表現する
セミラフIntermediate Rough
セミ=半分という意味なので、セミラフだと「半分のラフ」になってしまう。フェアウェイとラフの間と言いたいので「Intermediate」=中間の、を使うのが正解。ちなみにベッドのセミダブルも和製英語(アメリカではスモールダブルと言う)
シングル Single Digit Handicapper
「Digit」=(数字の)桁なので、直訳すると「1 桁台のハンディをもっている人」となる。ちょっと長いけど、ガンバって覚えよう
ダフる Fat Shot または Chili Dip
duff(ダフ)は「打ち損ねる」という英語なので通じるが、一般的ではない。Fat Shot(太く削ってしまったショット)や、ChiliDip(チップスなどでチリソースをすくうたとえから)と言う
チーピン Duck Hook
知っている人も多いだろうが、チーピンは麻雀用語なので英語ではない。英語圏では、飛距離が出ずに急に曲がる様子をアヒルの短い足にたとえて、このように表現する
トップ Topped Shot
トップだけでは英語圏では伝わらない。「~された」を意味する-edをトップの後ろにつけることで「 トップしてしまったショット」となる
グリーンフォーク Divot Repair Tool
ディボット跡を「Repair」=修復する「Tool」=道具と、そのまま表現するのが正解。Divot Tool やRepair Tool でも通じる
グリーンでは……
フックライン Break to the left
スライスライン Break to the right
フック/スライスの表現は、ショットとグリーンで異なる。グリーンでは、軽い場合は「Slight」を、かなり曲がる場合は「Severe」をBreak の前につける
かけ声は「ナイス○○」ではなく「グッド○○」!
Nice shot! 「ナイスショット!」
Thank you, but generally speaking “Good shot”.
「ありがとう、でも一般的には“グッドショット” って言うんだよ」
「ナイス○○」でも通じるが「グッド○○」のほうが一般的。ちなみに、グリーン上での「OK」も英語圏では「グッド」と言う
ニアピン Greenie もしくは Closest to the pin
仲間うちの4サムで回っているときは Greenie、コンペなどの改まった場では Closest to the pin を使うことが多い
ビッグスコア Very low score
いいスコアを表すときにビッグスコアと言ってしまうが、英語圏では真逆の「大叩き」という意味になってしまう。打数が少ない=いいスコアなので「Very low score」となる
ノータッチ Summer rules
ローカルルール“6 インチプレース” は冬に設定されることが多いため「Winter rules」という。ノータッチはその逆なので「Summer rules」となる
ピッチングサンド(PS)Gap Wedge
ピッチングウエッジとサンドウエッジの間(=ギャップ)を埋めるクラブなので、ギャップウエッジと呼ぶ
バーディトライ Birdie putt
通じそうだが、これも和製英語。トライとはいわず、そのまま「バーディパット」と言う
ホールインワン Ace
1 打でホール(カップ)に入れることから、トランプで1を表す「エース」が使われるようになったと言われている
パーオン Green In Regulation
Regulation =「規定」の意味から、Par マイナス2 打以内でグリーンに乗ることを表す。略してGIR でも通じる
よくある“読み間違い”4選
Divot
×ディボット
○ディヴァトゥ
Rake
×レイキ
○レイク
Honor
×オーナー
○オナー
Fore
×ファー
○フォア
「Fore」は「Fore left /right」と左右どちらに飛んだかまで伝えるのが一般的
造語は英語でこう表現する!
砂イチ Sandy
Sand Save とも。プロの試合でよく聞く「 サンドセーブ率」は砂イチを決めた確率のこと
寄せワン Up and Down
グリーンに上げて(Up)、パットで沈める(Down)ことを表現している
アメリカでは日本ほどかけ声をしない。本当に「すごい!」と思ったときに、「グッドトライ」「グッド/グレートショット」(アプローチ以外のショットでグリーンに乗せたとき)「グッド/グレートパット」( カップインのとき)「グッドアップ」( アプローチのとき) 「グッドアウト」「グッドバーディ」と言う。さらにすごい! と思ったときは「What a shot!」など大げさにほめる!
監修=フランク早川
●ふらんく・はやかわ/1963年生まれ。アメリカ在住歴は45年。社長業のかたわら、数々のアマチュアゴルフ競技を制す、トップアマとしても活躍。そのほか、PGAツアーなどでスコアラーを担当。東京オリンピック2020には競技委員として公式招待されるなど、プロアマ問わず多くのゴルフ関係者から信頼を置かれている。
イラスト=丸口洋平
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