ドライバーをもっと簡単に飛ばす!秘訣を“ドラコンプロ”が解説

“飛ばし”といえばドラコン! そこで、ドラコン競技会のトップ選手であるエンター豊田さんと押尾紗樹さんに対談をお願いし、私生活の話やトレーニング方法などを語ってもらった。もちろん、2人の飛ばしのコツも聞いてみた!

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“同じドラコン競技者だけど試合形式も生活スタイルも違う!”

押尾 今日はドラコン選手同士の対談なのですが、出ている競技会も、体格もまったく違いますね(笑)。そもそも私と豊田さんのドラコン競技のルールがけっこう違って、同じ試合に出ることが最近はないですよね。

豊田 ドラコン競技もいろいろあって、僕は世界のドラコン大会のルール則ったルールで、押尾さんのほうは日本で独自で生まれたもの。

押尾 私のほうはゴルフプレーに繋がるドラコンで、雰囲気も違う。

豊田 僕は6球、もしくは8球の最長を競うルール。

押尾 私は、今年からルールが変わって、格闘技っぽいルールになったんですよね。タイマン方式で、勝利数を積み重ねていって、最後のタイトルマッチに出られる人を決める。私は昨年末に行なった、最初のチャンピオンを決める試合に勝ったから、今タイトルホルダーです!

豊田 本当にすごい!

押尾 3球中1球でもフェアウェイから外れると、勝てなくなっちゃうから、ただ振り回していると痛い目にあう(笑)。

豊田 おもしろいルールですね。普段どんなトレーニングしていますか?

押尾 みなさんが想像しているような、重い物を持ち上げるみたいなトレーニングはほとんどしていない。だから体が大きくなることはないかな。でも体をイメージどおり動かせるようになるためトレーニングはしてます。あと、ルールで体重制限ができた!女子は無差別級と52kg以下のクラスがあって、私は下のクラスに出たいから減量中です。

豊田 そうなるとトレーニング内容もすごく変わってきますね。飛ばすには重いほうが絶対に有利だから。

押尾 やっぱり重いほうが有利?

豊田 これはゴルフだけじゃなく、野球とかも同じで体重があったほうが飛ぶって聞いたから、僕はそういう体作りに専念していますね。計量はいつするの?

押尾 試合当日かその前の日かを選べて、私はだいたい前の日に測って、その日の夜はやりたい放題(笑)。

豊田 身長はいくつ?

押尾 157cmです。

豊田 52kg以下ってしんどくないですか?

押尾 むしろ今までちょっとぽっちゃりだったのが平均になった感じ。体重はどれくらいですか?

豊田 115kgくらい。デブですよ〜(笑)。

押尾 体作りは筋肉量だけを上げようとしてますか?それとも脂肪も多少増えてもいいんですか?

豊田 有酸素運動をやって体重を落としたりもしたけど、やっぱり筋肉量が落ちちゃうからしょうがないかな。ちょっと脂肪が乗っていたほうが、筋肉もつきやすいから気にしていません。減量期間は何食べてます?

押尾 計量1週間前になると、朝はゆで卵とバナナ、お昼はおかゆとサラダセット、夜はしゃぶしゃぶみたいなメニューで過ごしてます!

豊田 そんなに抜いてるのか……。

押尾 昼はめっちゃ食べてますよ!豊田さんは試合前何食べますか?

豊田 炭水化物は多めに取っちゃうかな。やっぱり糖質をとったほうが疲れにくくなりますね。

押尾 前の日にビールを飲むのはやばい?(笑)

豊田 ドラコンを始めてから僕は完全に禁酒してます。

押尾 本当に?(笑)

豊田 年に1、2回の乾杯だけとか。メンタルが弱いから余計なものは全部立ち切りたい。

押尾 メンタル弱いですか?

豊田 弱い、弱い(笑)。負けたときに「ああいうことしちゃったからだ」って思いたくないんですよ。前日にもお酒を飲むなんて、むしろ強い。

押尾 飲みすぎないようにはしてます!(笑)。

豊田 もっと神経質だと思ってました(笑)。

この日の昼食はカフェオレだけ。普段から3食と決めておらず、お腹が空いたときに食べる生活をしているそうだ
昼食はチキンソテーを注文。ゴルフ場での食事もなるべく筋肉の助けになりそうなものを選ぶことが多い

力を効率的にクラブに伝えて飛ばす

今回は私のように体が小さく、筋トレもしておらず、力がない人でも飛ばせるレッスンを紹介します。飛ばすためには、クラブを「振り子」のように動かすこと。それから、リズムよく振ることが基本です。このふたつをつねに意識して、飛ばしのレッスンをするときには必ず伝えるようにしています。

豊田さんからは「押尾さんのすごいところは右サイドでのクラブのさばき方。どういうイメージで振っているのか教えてほしいです」と質問されましたが、私は「体の左サイドに崖がある」と思って振っています。

1.連続素振りで振り子動作チェック!

振り子運動を身につけるには連続素振りが有効。振り子は行ったり来たりするときに必ず同じ道を通って動く。連続素振りも同じで、行きと帰りが同じ軌道になるように動かす。行きはうまくできても、戻すときに違う道を通ってしまうことがよくあるので注意。普段のゴルフでは左に振る意識しかないが、飛ばすためには反対の右に振る意識が大事。

2.自分のスイングリズムを見つける

自分に合ったスイングリズムを見つけることも大事。人によってスイングリズムは違うが、飛ぶ人は2パターンに分かれている。1で構えて、2でクラブを上げて3で下ろすパターン。もうひとつは、アドレスしたら、1でクラブを上げて2で下ろすパターン。自分に合ったリズムが必ずあるので、両方試してみて、より飛距離が出るほうを採用する。

3.左サイドを崖だとイメージするとヘッドスピードが上がる!

振ろうとしたときに体重移動を意識しすぎて体が突っ込んでしまう人もいるが、そういう場合は左サイドを崖だと思うイメージが大事。崖のほうに荷重してアドレスする人はいないし、崖から落ちそうになって打つ人もいない。なるべく崖から離れた状態で振ろうとするはず。そうするとクラブも右でさばけて、ヘッドスピードアップにつながる。

左サイドに崖があると思えば、右に十分荷重してバックスイングできるし、ダウンからフォローにかけて左に行きすぎることもない

飛ばせる軌道と捻転を意識

僕は今回、とにかくぶっ叩きたい人に向けてレッスンします。まず大事にしてほしいのは、ぶっ叩くための軌道を作ること。「強く叩ける軌道」に変えるだけで、飛距離は確実に上がります。あとはバックスイングでの体の回し方にもポイントがあります。ドラコン選手は「捻転」が大事です。ちょっとした工夫で、体を大きく捻転させたトップを作ることができます。

押尾さんからは、あと10ヤード伸ばすにはどうしたらいいか?と質問されましたが、今から教えるドリルをすれば、みなさんもきっと飛距離アップできますよ!

1.ボールをぶっ叩く軌道を作る

タオルは遠心力を感じやすく、飛ばせる軌道を作りやすい。家などでもできるのでやってみよう

飛ばす人のスイング軌道は、バックスイングの軌道とダウンスイングの軌道に「差」がある。バックスイングでは大きくクラブを動かしていき、ダウンスイングで手元をグッと体に引きつける。イメージが湧かない人はタオルの先を結んで、それを遠くに投げる練習がオススメ。遠くに飛ばそうとすると、自然に手元を体に引きつける動きになるはずだ。

2.テークバックで顔を動かすと体が回りやすい!

飛ばすためには軸を意識したスイングが大事。背中の軸を意識して回ろうとすると、頭を止めて打つ人が多いかもしれないが、それは間違い。頭は背骨よりも前にあるので、体の構造上、顔を少し動かさないと軸に沿って回ることができない。顔を動かせば、体も回りやすくなり、トップでしっかりパワーを溜めることができる。

体の構造上、背中の軸中心に回るためには頭も少し動かさなければいけない

3.インパクトで手元を止めてヘッドを先行させる

さらに飛ばしを求める人は、インパクトで手元と腰を止めるイメージをもつといい。ドラコン選手の多くは、インパクトでヘッドが走るように手元を止めてスイングしている。止めるといっても実際は完全に止めはしないので、止める意識は強すぎないのがベター。ワッグルのYouTube動画でも解説しているので、スイングを見ながら確認するのがオススメ。

インパクトで手を止めるイメージがうまくもてない人は、手ではなく、腰を一瞬止める動きを練習すると、イメージをつかみやすい

いかがでしたか? 豊田選手のように力強く飛距離アップしたい人はぜひこの練習方法を取り入れてみましょう。

エンター豊田

●とよだ・たつひろ/1988年生まれ、茨城県出身。184cm、115kg。ドラコン選手として活躍。最長飛距離保持者で、その距離なんと479ヤード。JPLA所属。

押尾紗樹

●おしお・さき/1993年生まれ、埼玉県 出身。158cm。プロドラコンツアー全日 本選手権 3連覇のドラコン界の女王。公式最長記録は377ヤード。JPDA所属。

写真=小林司
協力=長太郎カントリークラブ[PGM]

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