簡単にドライバーで“10ヤード”アップできる方法をプロが解説!

飛距離はランまで含めたトータルで考えがちだけどキャリーの距離こそが真の飛距離。コースで本当に飛ばせる“キャリー増”の方法を教わった!

飛距離が伸びる正しい〝打ち出し角の上げ方〞を紹介します!

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ランは結果論!大事なのはトータル飛距離よりキャリーの飛距離!キャリーが伸びれば問題なし!

状況1|打ち上げで飛距離を大きくかせぐ

平地でのトータルが同じ飛距離でも、打ち上げのホールの場合、キャリーが足りない低めの球は早めに着地してしまううえ、傾斜でランが出なくなるぶんビッグキャリーの弾道よりも大きく飛距離が落ちてしまう。打ち上げホールでやたらと飛ばないという人は、キャリー不足の可能性大だ

状況2|越えたいハザードをきちんと越える

ランの比率が多い低めの球は、トータル飛距離が同じだとしても、キャリーの多い高い球と比べると着弾点が手前になる。その結果、バンカーや池などのハザードを越えられなくなるリスクが高まるため、ティーショットの狙いが限定され、戦略の幅が狭くなってマネジメントが難しくなる

プロはトータルよりもキャリーの距離を重視する

ドライバーの飛距離を考えるときに、アマチュアはランまで含めたトータルの距離を重視しがちですが、トータルばかり見ていてキャリーをおろそかににすると、コースでは有効に飛ばせません。

ランが出る低めの球は、平らなところや打ち下ろしの傾斜では飛びますが、打ち上げでは極端に飛距離が落ちるし、ハザードを越せないのでマネジメントも難しくなってしまいます。しかも、試打室や計測器で算出した飛距離は、実際の弾道よりもランが多めに計算されることが多い。そのランまで含めて「飛んでいるな」と思っても、コースでは意外に飛んでいないことが多々あるのです。そのため僕たちプロは、ランは落ちた場所次第の「結果論」と考え、キャリーを最重視しています。

実際にコースで試打・実測してみても、打ち出し角を高めにしてキャリーを確保した球のほうが飛んでいます。やはり飛ばせるのは「高い球」なのです!

高弾道はやっぱり飛ぶ!ランが減ってもトータル飛距離は11.5ヤードも伸びた!

山形が実際にコース内で普段の球とキャリーを伸ばす球を打ち分け、それぞれをトラックマンで計測すると同時に、着弾点・ボール停止位置をレーザー計測器でも実測して比較してみた。すると高弾道の打球のほうが、ランが少ないにも関わらずトータル飛距離が出ていた。さらにトラックマンは「実測よりもランが5~10ヤードも多めに算出されている」ことがわかった

計測時の使用クラブ

キャロウェイ パラダイム◆ ◆ ◆

●ロフト角/9度

●シャフト/グラファイトデザインツアーAD VR-7(フレックスX)

アッパーに当たるアドレスをつくろう

高弾道の球を打つために必要なのは、スイング軌道を普段よりほんの少しアッパーにすること。スイング自体をかち上げるようなアッパー動作にする必要はなく、ほとんどの部分はアドレスの変化でつくれます。

そのためにはインパクトを普段よりも少しだけ飛球線側にズラしたいのですが、ポイントはボール位置を左にするのではなく、右足の位置に少し右に広げ、体が自然に右に傾いたアドレスをつくる。これに合わせてティーアップも少し高くします。これによってスイングの最下点よりも先、ヘッドがわずかに上昇していくアッパーブローでインパクトできます。

そして若干のインサイド・アウト軌道を意識し、ロフトを立て気味にインパクトすればバックスピン量を減らして飛ばすことができます。

(左)ノーマル(右)高弾道

ティーアップして打つドライバーは普段から少しだけアッパー軌道。それをちょっと強調するのがミスなく高弾道を打つ秘けつ

右足を広げて構えると体全体が右に傾き普段よりも少しだけアッパーなインパクトを無理なくつくれる

極端な右足体重はNG

右足体重が強くなるような極端な構えは、かち上げるようなスイングになりやすいのでNG

ティーアップは〝ちょっと高く〞

普段よりもアッパー気味で、打点はフェースの上めでとらえたいので、ティーアップを少し高めにする





飛ぶ「高打ち出し・ 低スピン」弾道はロフトを〝ちょっと立てて〞打つ

ロフトは増やしすぎないように注意。少しだけ立てる意識をもつくらいのほうがいい

軌道は〝ちょっとインサイド・アウト〞

アッパーに打つことで、軌道は自然とインサイド・アウト傾向になるが、極端に変える必要はない

インサイドから打とうとして、クラブが寝たり、あおり打ちはNG

体の開きを抑えてインからボールをとらえる

クラブをトップの位置に「置いてきぼり」にする感覚!体の開きを遅らせればインから振り下ろせる。自然とタメができるので手首の角度もキープしやすい

アッパーに打てる構えをつくったら、軌道は少しだけインサイド・アウト、ロフトはやや立て気味、感覚的にはレベルにボールをとらえます。そのためには、切り返しを下半身から始動し、上半身と下半身の「時間差」をつくることが重要です。

ポイントは、切り返しで胸を右に向けたまま踏み込んでダウンスイングを開始すること。切り返しで胸が早く開いてしまうと、クラブは外からカットに下りやすく、手首の角度もキープできなくなるためロフトが増えすぎて当たってしまいます。

右軸で回転するような感覚があってもいいですが、体重が最後まで右に残ったり右肩が下がってしまうと、あおり打ちになってプッシュスライスや引っかけなどのミスが出やすいので注意してください。

右軸で回転するイメージ

右軸で回転する感覚があっていいが、ちゃんと左に踏み込んで右に体重が残らないように注意

右肩が下がらないように注意!

右肩の位置が下がらないように胸の「面」の向きを意識して、胸を右に向けておく

右肩が下がるとクラブが寝やすく、プッシュや引っかけの原因となる

インパクトまで手首の角度をほどかない!

右手首の角度をほどかずにインパクトまでキープすることで、アーリーリリースによるロフトの増えすぎを防止。フェース上めの打点で、ボールを横からぶ厚くとらえられる

「踏み込み打ち」で上下の時間差を体得!

普段のアドレス時に右足がある位置に両足をそろえて立ち、そこから左足を踏み込んでスイングする。バックスイングでクラブが上がっている最中に踏み込みを開始する

クラブがトップまで上がってから踏み込みはじめるのは遅すぎ。タイミングが重要だ

いかがでしたか? 飛距離で悩んでいる人は、山形プロのアドバイスの通り、体の開きや肩の位置など自分のスイングと照らし合わせてみてください。

山形陵馬

●やまがた・りょうま/ジュニア時代から活躍し、 2010年にプロ入り。ミニツアー優勝などの実績を重ね、現在はAbemaツアーに参戦しながら、東京・麻布の「FIVE ELEMENTS」でレッスンも行なっている。

構成=鈴木康介
写真=相田克己
協力=船橋カントリー倶楽部

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