山下美夢有の“セッティング”は?人気女子プロ12人のギアを解説!【人気記事】
今回は、「ワッグルONLINE」で5月下旬に公開した記事の中で、アクセス数が多い人気のギア記事TOP3を紹介していきます。
まず紹介するのは、第3位の記事です。
【関連記事】7番ウッドを選ぶ時の「4つのポイント」!最新15モデルを試打解説
第3位:最新アイアンの“選び方”をプロが解説!「ロフトやシャフトだけでなく…」
クラブをもっと上手に使ってスコアアップ!
今回は市原建彦さんにアイアン購入のポイントについて検証してもらいました。
今どきアイアンは「カッコいい」は+αで選ぶ!
近ごろのアイアンは、シャープで構えやすく、振り抜きのよさそうなカッコいいモデルが増えている。さまざまなライからターゲットを正確に狙える“じつにアイアンらしい”顔や形状をしているが、見た目のよさ以外にはどんな性能をもっているのか?
「カッコいいを前提に、それぞれの個性や特徴を見極め、+αの機能を手に入れるのが今どきアイアンの選び方の肝ですね」という市原建彦プロと、カッコいいアイアン7モデルを集めて、どんな球が出るか、データ検証を行なった。
アイアンが増えている!
カッコいいアイアンといえば難しく、プロや上級者が使うモデルとされていましたが、それはひと昔前までの話。テクノロジーの進化によって「カッコいいのに〇〇〇」というアイアンが増えてきました。「ブレード型でもミスヒットに強い」「すっきりした形でも飛ぶ」性能はアマチュアにとってはありがたく、使いたくなるモデルですが、それを見た目や形状だけでは選びにくくなりましたね。
では、どこを見て、何を調べて選べばいいのか? そのポイントを解説しつつ、試打でのデータ測定も行ない特徴や長所を検証していきます。正直、私も「この見た目でこんな性能が!?」と驚く結果になったので、アイアンを購入するときの参考にしてください。
今どきアイアンはココをCHECK
スペック表
カタログやメーカーのホームページでスペック表を確認するとき、ロフトやシャフトをチェックする人は多いが「素材・製法・構造」と「重さ(総重量)」も見てみよう。どんな性能をもったアイアンかがわかるヒントがある
今どきアイアンはココをCHECK
試打データ
弾道測定器が完備された練習場が増え、打ったデータを見たり比較できるようになった。その際は「飛距離」だけでなく「打ち出し角」「最高到達点」「バックスピン」もチェック。「アイアンは飛んでも、高さやスピンでグリーンに止まりやすい球が出ないとスコアメイクがしづらくなります」と市原
参考にして、アイアンの購入のポイントを抑えましょう。
Type1 使ってみたいけど難しい?プロモ愛用するツアーモデル
大きなミスを防ぎつつ球筋を操作したい人向け
i230とZX5 Mk IIは、男女ツアーの選手がすぐに実戦投入したアイアンです。ハーフキャビティやセミブレードと呼ばれるモデルで、マッスルバックとキャビティの中間。性能もその中間で、操作性とミスヒット時の寛容性を兼ね備えています。
芯ヒットのデータでは、比較のために打った私のアイアンよりもロフトが2度寝ているので飛距離は落ちましたが、グリーンでの止まりやすさは秀逸。マッスルバックなみの高さとスピンが入ります。
それでいて、ミスヒットへの強さもすごい。トゥ、ヒールに打点がズレてミート率が下がっても、飛距離ロスはどちらも7ヤード前後でひと番手ぶんも落ちない。芯を外したぶんスピン量は増えましたが、大きく曲がりもしませんでした。アベレージゴルファーでもアイアンの球質や精度のレベルを大きく上げたいなら、このタイプがオススメですね。
Type2 さらにミスヒットに強い!中空構造
ロースピンで飛ぶのも長所
中空構造は、バックフェース側はマッスルバックのような形状をしていますが、文字どおりヘッド内部は空洞になっています。UTがスリムになった感じですが、見た目は年々よくなっていますね。性能もUTに近いものをもっています。ややロースピンで高打ち出しになるので、飛距離性能に長けている。打点のズレに対する強さは左右だけでなく、上下にも広がっていてダフリ・トップが多い人に適しています。とくに下目ヒットの強さはデータどおり。低めの弾道になっても飛距離が大きく落ちません。
Type3 チタン、タングステンを搭載コンポジット系
操作系と飛び系の中間の万能タイプ
異素材を組み合わせたアイアンは、飛距離性能に長けているイメージでしたが、カッコよくなったことでヘッドの小回りが利き、操作性が上がっていますね。スピン量や飛距離は飛び系に近いですが、ボールが高く上がるし、曲げて打つこともできる。軽いチタン、重いタングテスンを組み合わせることで、重心位置などの設計自由度が上がるからこそできるハイテクさと万能さを感じます。
Type4 ロフト差以上に飛ぶ!飛び系
飛ぶだけじゃないのが今どきの飛び系
やさしいアイアン、飛ぶアイアンといえば、ぶ厚く、ボッテリとした形状だったのは過去の話ですね。球筋も低めのライナーではなく、7番アイアンらしい高さが出て、スピンも激減りしません。もちろん飛距離性能は抜群に高く、27度(#7)とロフトが立っているからとはいえ、私のアイアン(31度)との比較では、ロフト差4度と1番手の違いなのに、トータル飛距離は約23ヤードも伸びて2番手は飛んでいます。そして、飛んで曲がりにくいのも近ごろの飛び系の長所。アイアンが苦手な人や楽にプレーしたい人は、飛び系がオススメです。
Type5 じつは結構違う!重さ
カーボンシャフトの軽さとしなりは飛距離をさらに伸ばす
カーボンシャフトのほうが軽くてしなりも大きくなりますが、飛び系のカーボンはとくに軽い。同ヘッドで打ち比べるとカーボンはスチールシャフトよりも0.25インチ長かったですが、その差以上にヘッドスピードやボール初速が格段に上がります。また、打ち出し角は低めでも上に向かって伸びていく弾道になり、最高到達点はスチールと変わらない。これもカーボンシャフトの特徴で、軽さで飛距離アップを目指すのも選択肢のひとつですね。
今回は市原さんにアイアン購入のポイントを解説してもらいました。ぜひ参考にしてみて下さい。
試打・解説=市原建彦
●いちはら・たつひこ/1978年生まれ、神奈川県出身。レギュラーツアー1勝。レッスンだけでなく、クラブ試打企画でも重宝される有識者。弾道測定器トラックマンの「トラックマンマイスター」の資格ももつ。フリー。
写真=ゲーリー小林、田中宏幸
協力=船橋カントリークラブ
アクセス数第2位の記事はこちら。
第2位:6番ユーティリティの飛距離は?選び方とおすすめUT「10選」
「飛距離はクラブ、スコアはセッティング」を持論とする鹿又が、スコアメイクを楽にするクラブと推奨するのがショートユーティリティ。その飛距離、利点や長所を徹底解説!
鹿又がショートユーティリティとして定義するロフトは27度以上。番手として6番以上になるが、どんなゴルファーにオススメなのでしょうか?
ショートUTがアマチュアに必要な理由
昔はロフト27度以上のショートユーティリティといえば、シニアや女性ゴルファーが使うクラブでしたが、最近のショートUTはドライバーのヘッドスピード40m/秒前後で平均スコア95~100くらいの一般的なアマチュアゴルファーにとって絶対に必要なクラブになったと思います。その理由は大きくわけて2つ。
昔のショートUTは、打球は高く上がるけど飛ばないモデルが多かったのですが、最近のモデルはスピン性能が抑えられたことで強い弾道で前に飛びます。おう1つは、アイアンがストロングロフト化されたこともあって、ドライバーのヘッドスピード40m/秒前後だと5I、6Iでグリーンに「届く打球」は打てても「止まる打球」は打ちにくくなった。
だから、その距離をカバーするUTが必要になってきたのです。すでに、女子ツアーでも6UTを使う選手が増えはじめています。このトレンドはアマチュアも参考にするべきですね。
6UT(ロフト27度)の飛距離は?同じロフトのアイアンと比較!
「UTはスピンが少ないから、グリーンに止まらないじゃないの?」という人がいますが、飛距離が170ヤードくらいになると、グリーンに止まる・止まらないの基準はスピン量ではなくて落下角度になります。
この落下角度を、ロフト27度のショートUT(6UT)とアイアン(5I)で比較すると、ショートUTは安定して落下角度は42度以上あれば一般営業のコースのグリーンなら十分、45度以上ならツアー仕様のグリーンでも止まります。女子プロが6UTを使うのも、この落下角度によるメリットが大きいのです。
また、打ち比べて感じたのは、UTは楽に振っても飛距離を出せる。フェースの反応性能も高く、アイアンよりクラブが長いのでヘッドスピードが上がる。ドライバーのヘッドスピード40m/秒前後のゴルファーには、最高の武器になります。
7UTは7Iより約10ヤード飛ぶ!7Iと7UTの「共存セット」もアリ!
ピンやテーラーメイドなどは23年モデルで、これまでよりもロフトが大きいUTをラインナップしてきた。
ロフト27度前後の6UTだけでなく、最近はさらにロフトが大きい30度前後の7UT、ロフト34度前後の8UTまでラインナップされるようになりました。23年モデルでいえば「ステルス2」はロフト31度、「G430 HL」はロフト34度まであります。
「ドライバーのヘッドスピード40m/秒前後ならロフト27度前後はマストクラブ」という話をしましたが、30m/秒台の遅めの人にはロフト30度以上もアリです。ロフト30度以上のUTを入れるときに提案したいのが、アイアンと共存させるセッティングです。
UTの場合は3、4UTを入れたら、3、4Iを抜くというのが一般的でしたが、ロフト30度以上になると同じロフト30度以上になると同じロフト帯のUTとアイアンがあってもOK。たとえば7UTと7Iがあっても、7UTのほうが10ヤードくらいは飛ぶので飛距離の打ち分けができます。
また7UTは高弾道でキャリーを出せるのに対して、7Iはライン出しをしたり、球筋を打ち分けたいときに使えるので、どちらの番手も活用できると思います。
ショートUTの選び方!
ベテランゴルファーがショートUTを使わない理由は「構えにくさ」だと思います。たしかに5年前くらいのショートUTは、構えにくいモデルもありました。それはロフトが寝ていることでトップラインとリーディングエッジの向きがそろって言えなかったからです。
だから、アドレスしたときに、「フェースがどこを向いているかわからない」という感覚があったと思います。しかし、最近のショートUTは顔が格段によくなっていて、ロフト30度以上でもリーディングエッジとトップラインの向きがそろっている。ターゲットに向けて違和感なくセットできます。
その顔にも個性はあってウッド系とアイアン系の顔があります。これらはとくに、ネックからフェースにかけてのつながりに個性がでるので、ショートUTを選ぶときはネックまわりをよく見て、違和感なく構えられる自分に合ったモデルを選んでください。
【テーラーメイド ステルス2】完成度が高い! 打感はドライバーと同じ
飛距離、操作性、振り感まで完成度が高いユーティリティ。フェース素材はステンレスなのに、カーボンフェースのドライバーと打感が不思議と近い。パワーヒッターが使ってもいいショートUTです。
SPEC
●ヘッド素材/ステンレススチール(450SS)、カーボンクラウン●シャフト/テンセイレッド TM60(R、S)など●価格/3万9600円~
【ダンロップ スリクソン ZX MkⅡ】アイアン感覚で打てるショートUT
ネック部分の形状がアイアンに近く、スピンもしっかり入るのでアイアン感覚で打てます。高打ち出しというよりもスピンが効いて打球が上がっていく、アスリート好みの弾道です。
SPEC
●ヘッド素材/HT1770M、マレージング鋼●シャフト/ディアマナ ZX-Ⅱ for HYBRID(R、S)など●価格/3万6300円~
【プロギア Q】ライが悪くても使えるソール形状
独特のソール形状で接地面積が狭くなっているので、ソールの抜けがいいですね。左足下がりやラフ、バンカーなどライが悪い状況でも打ちやすし、ダフりのミスにも強いのが魅力です。
SPEC (28、33度)
●ヘッド素材/マレージング鋼(ES235)、ステンレス(SU630)●シャフト/REGなど●価格/3万3300円~
【フォーティーン Hi-3】飛び系アイアンとUTのよさを融合
斬新なヘッド形状ですが、打ってみると飛び系アイアンのよさを融合したユーティリティ。ソール幅の広さによって、ロフトが立っていても打球が高く上がってくれる安心感があります。
SPEC
●ヘッド素材/ハイマレージングPlasma、17-4ph●シャフト/FT-50i カーボンなど●価格/3万8500円
【ヤマハ RMX VD】下側ヒットに強くて方向性がそろう
「RMX VD」はFWの評価も高いですが、ユーティリティも名器。打球の方向がそろって、何球打っても同じような弾道になる安心感があります。フェースの下側ヒットにも強いです。
SPEC
●ヘッド素材/マレージング 455 偏肉フェース、SUS630●シャフト/ディアマナ YR h など●価格/3万5200円
【ピン G430】やさしいけどつかまりすぎない!
打球が上がりやすく、ミスヒットにも強いので抜群にやさしい! そのうえで、決してつかまりすぎないから左へのミスが出ないのがいいですね。ロフト34度の7UTも高く上がりすぎることなく、楽に飛距離をかせげます。
SPEC
●ヘッド素材/フォージドマレージング鋼C300(フェース)、17-4ステンレススチール(ボディ)、カーボン(クラウン)●シャフト(フレックス)/ALTA J CB(R、SR、S)など●価格/4万7300円~
【ピン G430 HL】バランスがよく軽量設計で打ちやすい
シャフトが軽いだけでなく、ヘッドもグリップも軽いので、すごくバランスがいい軽量設計になっています。とても振りやすくて1球目から芯に当てやすい。ヘッドスピード35m/秒前後のゴルファーには最高のUTです!
SPEC
●ヘッド素材/フォージドマレージング鋼 C300(フェース)、17-4ステンレススチール(ボディ)、カーボン(クラウン)●シャフト/フジクラスピーダー NX35、45(ワンフレックス)●価格/5万600円~
【キャロウェイ パラダイム】ウッド型に変貌! オフセンターヒットに強い
キャロウェイのユーティリティはアイアン型の「顔」が多かったですが「パラダイム」は完全にウッド型の顔。弾道もショートウッド系の高い打球で、オフセンターヒットの強さはドライバーなみです。
SPEC
●ヘッド素材/カーペンター 455 スチール、FLASHフェース+フォージドカップフェース、17-4ステンレススチール+タングステンスピードカートリッジ●シャフト/ベンタスTR 5 fおrCallaway(R、SR、S)など●価格/5万600円~
【キャロウェイ パラダイム X】適度なつかまりで右方向へ飛ばない
ドローバイアスになっている「X」ですが、つかまりがよくて左に飛ぶということはなく、右に行かないという印象。スタンダードよりも打球が上がるので、ターゲット層が広いモデルだと思います。
SPEC
●ヘッド素材/カーペンター 455 スチール、FLASHフェース+フォージドカップフェース、17-4 ステンレススチール+タングステンスピードカートリッジ●シャフト/ベンタスTR 5for Callaway(R、SR、S)など●価格/5万600円~
【キャロウェイ パラダイム マックスファスト】打球の高さ スピード感はNo.1
パラダイムシリーズのなかで、打球の上がりやすさとスピード感は一番です。軽量なのでヘッドスピードも上がるし、ボールスピードも速い。ほどよくスピンが入るので、打球方向も安定します。
SPEC
●ヘッド素材/カーペンター 455スチール、FLASHフェース+フォージドカップフェース、17-4ステンレススチール+タングステンスピードカートリッジ●シャフト/スピーダーNX 40 for Callaway(R、SR、S)など●価格/5万600円~
ぜひ、鹿又さんの解説を参考にしてみてください!
試打・解説=鹿又芳典
●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。
構成=野中真一
写真=相田克己
協力=ジャパンゴルフスクール
アクセス数第1位の記事はこちら。
第1位:山下美夢有の“セッティング”は?人気女子プロ12人のギアへのこだわりを解説!
眺めているだけでも楽しいけど……人気女子プロ12人のセッティングからスコアアップ秘けつを探る!
年間女王に輝いた山下美夢有など2022年に活躍した女子プロ12名のセッティングを分析。
そこから見えてきたスコアアップにつながる秘けつを紹介!
藤田さいきのセッティング
シーズン後半にはピンの新ドライバーG430と新アイアンi230を使用。ウエッジもジョーズRAWにするなど10本も変更した
藤田さいき/ふじた・さいき
1985年生まれ、栃木県出身。22年は11年振り の優勝を達成し、プロ入り23年目にして過去最高の獲得賞金額を更新した。チェリーゴルフ所属。
小祝さくらのセッティング
5から7番アイアンまではややソール幅が広いZ585。8番からPWはシャープなZX7を組み合わせたコンボセット。UTは18年モデルを使用
小祝さくら/こいわい・さくら
1998年生まれ、北海道出身。通算8勝をマー クし、18年シーズンから4年連続で賞金ランキングトップ10入り。ニトリ所属。
山下美夢有のセッティング
ドライバーは8.5度 エースパターは2本!
22年後半からドライバーのロフトを9.5度から8.5度に変更。パターはシーズン5勝のうちオデッセイで3勝、現在(写真)のパターで2勝をあげた
新ドライバーZX5 MkIIに替えた初戦(ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン)は、投入してすぐに優勝
パターは地元・大阪の メーカー「リアライズ」のプロトタイプ。シーズン中も細かくミーリングなどを調整
モデルはZXからZX MkIIに替わったが、3・5W、4・5UTの組み合わせは21年から同じだ
山下美夢有/やました・みゆう
2001年生まれ、大阪府出身。22年はリコーカップ優勝などシーズン5勝。メルセデスランキング1位で年間女王を獲得。加賀電子所属。
5、6番アイアンを使う選手が強かった
最新の女子プロのセッティングは、ドライバーの下に3、5番のフェアウェイウッド2本、そしてユーティリティを2本、アイアンは5か6番アイアンからというのが王道になっています。
一時期の女子ツアーは、アイアンの本数を減らしてショートウッドやユーティリティを増やすセッティングが流行しました。しかし、2022年シーズンは5、6番アイアンを使う選手が再び増えている。その要因は、170ヤード以下のセカンドショットは、ユーティリティでグリーンに乗せるだけではなく、アイアンでバーディチャンスにつける精度を出せないとスコアを伸ばせなくなってきたからだと思います。
とくに20歳前半の若い世代の選手ほどアイアンを重視する傾向があり、その上の170から190ヤードの距離はミスヒットに強い4、5UTなど、確実にパーオンできるクラブを選んでいます。
※15本セットの選手は、試合中は14本に変更しています
川﨑春花のセッティング
ジョーズRAWのウエッジは、48度と52度がスタンダードソールなのに対して、58度だけ三日月型のCグラインドソール
川﨑春花
●かわさき・はるか/2003年生まれ、京都府出 身。21年のプロテストに合格。22年は19歳で国内 メジャー優勝を果たした。村田製作所所属。
上田桃子のセッティング
07年に発売されたXフォージドウエッジを使い続けている。FWも古く13年モデルのX HOTプロを長年愛用
上田桃子/うえだ・ももこ
1986年生まれ、熊本県出身。国内ツアー16勝 を誇り、22年シーズンも賞金ランキング10位に入る活躍をみせた。ZOZO所属。
菅沼菜々のセッティング
セミストロングロフトのゼクシオエックスは、PWのロフトが43度なので、ウエッジは48、52、56度の3 本を入れている
菅沼菜々/すがぬま・なな
2000年生まれ、東京都出身。昨シーズンはプロ5年目で初の賞金ランキングトップ10入りを達成。あいおいニッセイ同和損保所属。
6割以上の選手が単品ウエッジ3本に
日本の女子ツアーのレベルが上がってきたことで、グリーンまわりのコースセッティングがどんどん難しくなっています。それに対応するために変わってきたのがウエッジの本数。かつては52度、58度の2本が定番でしたが、今はツアーに出ている選手のうち、6割以上がPWの下にウエッジを3本入れています。
ウエッジを3本に増やすメリットは、同じ振り幅で打てる距離が3つになること。たとえば、ハーフスイングしたとき。52、54、58度になると70、50、30ヤードの3つになります。フルスイングやもっと小さい振り幅で打ったときも、ロフトを替えるだけで飛距離を変えられるため、アプローチのバリエーションが増えます。アマチュアはウエッジを1本増やしても「使う状況がわからない」という人がいますが、実際にウエッジを増やしてラウンドしてみてください。有効に使える状況が多いことに気づくでしょう。
ウエッジを3本使いこなすことができるようになれば、スコアアップも期待できます。ぜひ実践してみてください。
勝みなみのセッティング
21年シーズンの途中まではマッスルバックのZフォージドを使っていたが 、22年はハーフキャビティのZX7に変更
勝みなみ/かつ・みなみ
1998年生まれ、鹿児島県出身。22年シーズンは、日本女子オープンで2連覇を達成。国内ツアー通算8勝。明治安田生命所属。
原英莉花のセッティング
クラブ契約を結んでいないが、14本中13本はキャロウェイ。アイアンはPGAツアー選手にも人 気のXフォージド スターを使用。
原英莉花/はら・えりか
1999年生まれ、神奈川県出身。国内ツアーではメジャー2勝を含む計4勝。平均飛距離は21 年が1位で、22年が3位。NIPPON EXPRESSホールディングス所属。
渡邊彩香のセッティング
ユーティリティを1本も使わず、221CBを4番アイアンから入れている。アイアンのシャフトも女子では珍しいモーダスの105
渡邊彩香/わたなべ・あやか
1993年生まれ、静岡県出身。22年は、ほけん の窓口レディースで優勝。国内ツアー通算5勝目をマークした。大東建託所属。
パワーヒッターにはUTがゼロの選手も
最近の女子ツアーは、ドライバーの平均飛距離が250ヤードを超える飛ばし屋も珍しくありません。22年の年間平均飛距離を調べると原英莉花プロが255ヤード、勝みなみプロが253ヤード、渡邊彩香プロが249ヤードでした。
そんなパワーヒッターのセッティングはウッド系が少なめです。原英莉花プロと渡邊彩香プロはユーティリティを1本も入れていません。その理由はヘッドスピードが速い選手は、ユーティリティだと打球が高く上がりすぎて、コントロールしにくくなったり、風の影響を受けやすくなってしまうからです。
アイアンも大型ヘッド系ではなく、男子プロが使うような軟鉄鍛造で小顔のハーフキャビティを使っています。パワーがある選手はアイアンに飛距離性能は必要ありません。それよりも、操作性が高くて、ロフトがあってスピンをかけられるほうがピンを攻めやすい。アマチュアでもドライバーで250ヤード以上飛ばせる人は、こういうセッティングを参考にしてください。
金田久美子のセッティング
ユーティリティを3本入れているので、アイアンは8番からPWまでの3本セット!
フェアウェイウッドは3、5、7番の3本。 ユーティリティは4、5、6番の3本。6UT のロフトは28度
金田久美子/かねだ・くみこ
1989年生まれ、愛知県出身。ジュニア時代から天才少女といわれ、22年は11年ぶりにツアー優勝を飾った。スタンレー電気所属。
西村優菜のセッティング
20年のプロ1年目から3、5、7、9番とフェアウェイウッドは4本体制。7、9Wは15年モデルのグレートビッグバーサを使用中
西村優菜/にしむら・ゆうな
2000年生まれ、大阪府出身。22年は2勝をマーク。米LPGAのQTに挑戦し、23年は米国ツアーにも参戦。スターツ所属。
堀琴音のセッティング
3番ウッドはプロギア、5番ウッドはブリヂストン、7番ウッドはテーラーメイドとバラバラだが、番手ごとに求める性能を重視して選んでいる
堀琴音/ほり・ことね
1996年生まれ、徳島県出身。プロ8年目の21年にツアー初優勝を飾り、22年シーズンも勝利し2勝目をあげた。ダイセル所属。
アマチュアは5Wと7WでOK!
女子プロのセッティングでタイプがわかれるのは、170から190ヤードを打つクラブ。その距離をアイアンで打つか、フェアウェイウッドやユーティリティにするのかでセッティングが変わってきます。アイアン、ユーティリティ、フェアウェイウッドで比較したときにもっとも打球が上がりやすいのはフェアウェイウッドです。山下美夢有プロのように5番アイアンを使う選手がスタンダードになっている一方で、昨年、11年ぶりに優勝した金田久美子プロは7番ウッド、年間ポイントランキング5位となった西村優菜プロは7、9番ウッドを入れて、ショートウッドをうまく活用して好成績を残しました。
アマチュアには7番ウッドがオススメです。3、5番ウッドを入れる人が多いですが、最近は低スピン化されてきているので5、7番ウッドでも十分に飛距離が出せます。ちなみに私も7番ウッドを使っています。
金田プロや西村プロ、堀プロのようにショートウッドにも挑戦してみるのをおすすめします。
鹿又芳典/かのまた・よしのり
多くのゴルフメ ディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調 整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。
解説=鹿又芳典
構成=野中真一
いかがでしたか? ワッグルONLINEは、まだまだ多くの情報を載せた記事を公開しています。ぜひ、ご覧ください!
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