6番ユーティリティの飛距離は?選び方とおすすめUT「10選」

「飛距離はクラブ、スコアはセッティング」を持論とする鹿又が、スコアメイクを楽にするクラブと推奨するのがショートユーティリティ。その飛距離、利点や長所を徹底解説!

鹿又がショートユーティリティとして定義するロフトは27度以上。番手として6番以上になるが、どんなゴルファーにオススメなのでしょうか?

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ショートUTがアマチュアに必要な理由

ショートUTの写真

昔はロフト27度以上のショートユーティリティといえば、シニアや女性ゴルファーが使うクラブでしたが、最近のショートUTはドライバーのヘッドスピード40m/秒前後で平均スコア95~100くらいの一般的なアマチュアゴルファーにとって絶対に必要なクラブになったと思います。その理由は大きくわけて2つ。

昔のショートUTは、打球は高く上がるけど飛ばないモデルが多かったのですが、最近のモデルはスピン性能が抑えられたことで強い弾道で前に飛びます。おう1つは、アイアンがストロングロフト化されたこともあって、ドライバーのヘッドスピード40m/秒前後だと5I、6Iでグリーンに「届く打球」は打てても「止まる打球」は打ちにくくなった。

だから、その距離をカバーするUTが必要になってきたのです。すでに、女子ツアーでも6UTを使う選手が増えはじめています。このトレンドはアマチュアも参考にするべきですね。

6UT(ロフト27度)の飛距離は?同じロフトのアイアンと比較!

6UT(ロフト27度)の弾道データ,5I(ロフト27度)の弾道データ
6UT(ロフト27度)の弾道データ,5I(ロフト27度)の弾道データ。

「UTはスピンが少ないから、グリーンに止まらないじゃないの?」という人がいますが、飛距離が170ヤードくらいになると、グリーンに止まる・止まらないの基準はスピン量ではなくて落下角度になります。

この落下角度を、ロフト27度のショートUT(6UT)とアイアン(5I)で比較すると、ショートUTは安定して落下角度は42度以上あれば一般営業のコースのグリーンなら十分、45度以上ならツアー仕様のグリーンでも止まります。女子プロが6UTを使うのも、この落下角度によるメリットが大きいのです。

また、打ち比べて感じたのは、UTは楽に振っても飛距離を出せる。フェースの反応性能も高く、アイアンよりクラブが長いのでヘッドスピードが上がる。ドライバーのヘッドスピード40m/秒前後のゴルファーには、最高の武器になります。

7UTは7Iより約10ヤード飛ぶ!7Iと7UTの「共存セット」もアリ!

ピンやテーラーメイドなどは23年モデルで、これまでよりもロフトが大きいUTをラインナップしてきた。

ロフト27度前後の6UTだけでなく、最近はさらにロフトが大きい30度前後の7UT、ロフト34度前後の8UTまでラインナップされるようになりました。23年モデルでいえば「ステルス2」はロフト31度、「G430 HL」はロフト34度まであります。

8UT_ロフト34度前後,7UT_ロフト31度前後,6UT_ロフト27度前後
8UT_ロフト34度前後,7UT_ロフト31度前後,6UT_ロフト27度前後

「ドライバーのヘッドスピード40m/秒前後ならロフト27度前後はマストクラブ」という話をしましたが、30m/秒台の遅めの人にはロフト30度以上もアリです。ロフト30度以上のUTを入れるときに提案したいのが、アイアンと共存させるセッティングです。

UTの場合は3、4UTを入れたら、3、4Iを抜くというのが一般的でしたが、ロフト30度以上になると同じロフト30度以上になると同じロフト帯のUTとアイアンがあってもOK。たとえば7UTと7Iがあっても、7UTのほうが10ヤードくらいは飛ぶので飛距離の打ち分けができます。

また7UTは高弾道でキャリーを出せるのに対して、7Iはライン出しをしたり、球筋を打ち分けたいときに使えるので、どちらの番手も活用できると思います。

8UTになるとウエッジなみに打球が上がる。

ショートUTの選び方!

ベテランゴルファーがショートUTを使わない理由は「構えにくさ」だと思います。たしかに5年前くらいのショートUTは、構えにくいモデルもありました。それはロフトが寝ていることでトップラインとリーディングエッジの向きがそろって言えなかったからです。

だから、アドレスしたときに、「フェースがどこを向いているかわからない」という感覚があったと思います。しかし、最近のショートUTは顔が格段によくなっていて、ロフト30度以上でもリーディングエッジとトップラインの向きがそろっている。ターゲットに向けて違和感なくセットできます。

その顔にも個性はあってウッド系とアイアン系の顔があります。これらはとくに、ネックからフェースにかけてのつながりに個性がでるので、ショートUTを選ぶときはネックまわりをよく見て、違和感なく構えられる自分に合ったモデルを選んでください。

【テーラーメイド ステルス2】完成度が高い! 打感はドライバーと同じ

飛距離、操作性、振り感まで完成度が高いユーティリティ。フェース素材はステンレスなのに、カーボンフェースのドライバーと打感が不思議と近い。パワーヒッターが使ってもいいショートUTです。

SPEC

●ヘッド素材/ステンレススチール(450SS)、カーボンクラウン●シャフト/テンセイレッド TM60(R、S)など●価格/3万9600円~

【ダンロップ スリクソン ZX MkⅡ】アイアン感覚で打てるショートUT

ネック部分の形状がアイアンに近く、スピンもしっかり入るのでアイアン感覚で打てます。高打ち出しというよりもスピンが効いて打球が上がっていく、アスリート好みの弾道です。

SPEC

●ヘッド素材/HT1770M、マレージング鋼●シャフト/ディアマナ ZX-Ⅱ for HYBRID(R、S)など●価格/3万6300円~

【プロギア Q】ライが悪くても使えるソール形状

独特のソール形状で接地面積が狭くなっているので、ソールの抜けがいいですね。左足下がりやラフ、バンカーなどライが悪い状況でも打ちやすし、ダフりのミスにも強いのが魅力です。

SPEC (28、33度)

●ヘッド素材/マレージング鋼(ES235)、ステンレス(SU630)●シャフト/REGなど●価格/3万3300円~

【フォーティーン Hi-3】飛び系アイアンとUTのよさを融合

斬新なヘッド形状ですが、打ってみると飛び系アイアンのよさを融合したユーティリティ。ソール幅の広さによって、ロフトが立っていても打球が高く上がってくれる安心感があります。

SPEC

●ヘッド素材/ハイマレージングPlasma、17-4ph●シャフト/FT-50i カーボンなど●価格/3万8500円

【ヤマハ RMX VD】下側ヒットに強くて方向性がそろう

「RMX VD」はFWの評価も高いですが、ユーティリティも名器。打球の方向がそろって、何球打っても同じような弾道になる安心感があります。フェースの下側ヒットにも強いです。

SPEC

●ヘッド素材/マレージング 455 偏肉フェース、SUS630●シャフト/ディアマナ YR h など●価格/3万5200円

【ピン G430】やさしいけどつかまりすぎない!

打球が上がりやすく、ミスヒットにも強いので抜群にやさしい! そのうえで、決してつかまりすぎないから左へのミスが出ないのがいいですね。ロフト34度の7UTも高く上がりすぎることなく、楽に飛距離をかせげます。

SPEC

●ヘッド素材/フォージドマレージング鋼C300(フェース)、17-4ステンレススチール(ボディ)、カーボン(クラウン)●シャフト(フレックス)/ALTA J CB(R、SR、S)など●価格/4万7300円~

【ピン G430 HL】バランスがよく軽量設計で打ちやすい

シャフトが軽いだけでなく、ヘッドもグリップも軽いので、すごくバランスがいい軽量設計になっています。とても振りやすくて1球目から芯に当てやすい。ヘッドスピード35m/秒前後のゴルファーには最高のUTです!

SPEC

●ヘッド素材/フォージドマレージング鋼 C300(フェース)、17-4ステンレススチール(ボディ)、カーボン(クラウン)●シャフト/フジクラスピーダー NX35、45(ワンフレックス)●価格/5万600円~

【キャロウェイ パラダイム】ウッド型に変貌! オフセンターヒットに強い

キャロウェイのユーティリティはアイアン型の「顔」が多かったですが「パラダイム」は完全にウッド型の顔。弾道もショートウッド系の高い打球で、オフセンターヒットの強さはドライバーなみです。

SPEC

●ヘッド素材/カーペンター 455 スチール、FLASHフェース+フォージドカップフェース、17-4ステンレススチール+タングステンスピードカートリッジ●シャフト/ベンタスTR 5 fおrCallaway(R、SR、S)など●価格/5万600円~

【キャロウェイ パラダイム X】適度なつかまりで右方向へ飛ばない

ドローバイアスになっている「X」ですが、つかまりがよくて左に飛ぶということはなく、右に行かないという印象。スタンダードよりも打球が上がるので、ターゲット層が広いモデルだと思います。

SPEC

●ヘッド素材/カーペンター 455 スチール、FLASHフェース+フォージドカップフェース、17-4 ステンレススチール+タングステンスピードカートリッジ●シャフト/ベンタスTR 5for Callaway(R、SR、S)など●価格/5万600円~

【キャロウェイ パラダイム マックスファスト】打球の高さ スピード感はNo.1

パラダイムシリーズのなかで、打球の上がりやすさとスピード感は一番です。軽量なのでヘッドスピードも上がるし、ボールスピードも速い。ほどよくスピンが入るので、打球方向も安定します。

SPEC

●ヘッド素材/カーペンター 455スチール、FLASHフェース+フォージドカップフェース、17-4ステンレススチール+タングステンスピードカートリッジ●シャフト/スピーダーNX 40 for Callaway(R、SR、S)など●価格/5万600円~

いかがでしたか? ぜひ、鹿又さんの解説を参考にしてみてください!

試打・解説=鹿又芳典

●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。

構成=野中真一
写真=相田克己
協力=ジャパンゴルフスクール

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