スイングテンポは“一定”ではない…!? 「シーンによって変えるもの」と解説

知ると得する開眼ゴルフトーク。マスター今野が、今宵も店に訪れた迷えるゴルファーに希望の光を与えます！

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ゴルフのレッスンでは「リズム」や「テンポ」が大事で、バラバラになるのはミスの原因になってしまう、といわれるが「必ずしも一定が理想ではない!」とマスター今野。その心は?

リズムは「拍子」、テンポは「速度」。打ち急ぎはテンポの速すぎが原因!

トク　「リズム」と「テンポ」って何が違うの?

今野(マスター)　リズムは拍子。「イチ、ニ」の2拍子で振るとか、3拍子で振るとか。テンポは速度。リズムの速さのことですね。

トク　なるほど……。同じことではないのか。ゴルフレッスンで「リズムを一定」にといったりするけど「イチ、ニ、サン」で振るなら、それをつねに一定にしろってことなのね。

今野　そうなりますね。そのリズムの「拍間」を速くするのがテンポです。

トク　俺さ、ゴルフ仲間に「リズムがいつもバラバラだ」っていわれるのよ。「テンポが悪い」っていう人もいるけど。だから、それを一定にしたいと思うんだけど、俺に合ったリズムやテンポってなんだろうね?

今野　リズムは自分がとりやすいものでいいと思います。3拍子といっても、どこが「イチ」かは人それぞれ。アドレスが「イチ」の人もいれば、トップまでが「イチ」の人もいますからね。

トク　「サン」もそうね。インパクトが「サン」、フィニッシュが「サン」の人もいる。

今野　テンポは……。ひとつ指針になるのは、その人の「歩調」や「口調」ですね。歩くのや喋るのが速い人は、基本的にはテンポは速い傾向にあります。

トク　となると、俺は早口だから速めが合うタイプか。

今野　それがゴルフスイングでは一概には当てはまらないんですよ。テンポが速すぎるから逆に落とすのがよかったりするので。トクさんが仲間から指摘されているテンポの悪さも、遅いじゃなくて速すぎるからじゃないですか?

トク　「打ち急いでいる」っていわれる。

今野　そうですよね。遅いから悪いっていわれるケースは、あまりないと思います。

トク　ってことは、ゆっくりがいいってこと?

今野　いや、テンポは「シーンによって変えるもの」だと私は思います。

トク　一定が理想じゃないの?

今野　一定はあくまでもベース。そこからの強弱や緩急が必要なんですよ。実際にトクさんもショットやパットのテンポに変化をつけているはずですよ。飛ばしたいときとか。

トク　そういわれると、ドラコンホールはテンポアップして打っているかも。

今野　「テンポを速める」は、飛ばす、フェースを開いた状態でヘッドを走らせるロブショットなんかもそうですね。下りのパットをオーバーさせたくないときや正確性を上げたいとき、丁寧に運びたいときはテンポをゆっくりにしていませんか?

トク　シーンに応じての使い分け……。たしかにしている。

今野　ミスという観点からいうと、トクさんがゴルフ仲間からいわれているように、テンポアップによる打ち急ぎが軌道や打点がズレる原因になって、正確性や方向性を下げているケースが多いでしょう。

トク　ということは、アマチュアはテンポを落とすのが正解か。

今野　いいえ。先ほどいったように速めたほうがいい状況もあります。飛ばしたいときのほか、球を高く上げたい、ラフやバンカーなど。

トク　ヘッドを走らせたい、勢いをつけたいときね。そういえば、マスターもそろそろ〝テンポアップ〞したほうがいいんじゃない? 会員もスタッフも増えたし。

今野　〝店舗アップ〞ですか!(笑)。ぼちぼちですね。

心臓の鼓動が速くなったら“ テンポゆっくり ” を意識しよう!

「体の中にもテンポがあるんですよ」と今野。それは心臓で、高揚感や緊張感が高まると心臓の鼓動が速くなり、そのせいで打ち急いでしまいがち!「心臓の鼓動はピンチだけでなくチャンスでもテンポアップします。心音に耳を傾けて、普段よりドキドキ・バクバクしているとき、鼓動を抑えるのは容易ではないので、スイングテンポをゆっくりにして打つのが得策です」(今野)

いかがでしたか？　自分の心臓の鼓動が速いと感じたら、テンポやリズムをゆっくりにしてみるといいかもです。

イラスト=野村タケオ

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