飛距離を伸ばすには…!?「300ヤード”近く飛ばす」男子プロ3人のスイングを解説

賞金ランキング1位、ZOZO日本人最高位、今年初優勝を果たした今話題の3選手のドライバースイングをピックアップ!そこには飛ばしの秘けつが詰まっていた!

まずは久常涼選手のスイングを解説!

【関連記事】西村優菜、上田桃子も愛用!女子ツアーで「PARADYM」が大流行中…!?

軸ブレはダメじゃない!

③トップで頭が右に動いてもOK。体の捻転量が上がる
⑥腕のなかの三角形を速く動かすことで下半身も回りやすくなる

今年20歳になった久常選手は、過去に日本ジュニアで優勝したエリート選手です。スイングで特徴的なのは、ヘッドを低く長く引いて、スイングアークを大きくするワイドスイング(②)。腕を長く使うことで飛距離を伸ばしています。

頭の位置が少し右にズレるバックスイングですが(①〜③)、これが捻転の深さにつながっています。アマチュアは下半身を止めて軸がブレないように意識しすぎると、体が回らずクラブの軌道がアウトサイド・インになってしまいがち。クラブが外から入ってしまう人は、久常選手のように軸がブレてもいいので、少し右へ動きながらバックスイングすると、体を深く回せるようになります。

⑥のインパクト後に、腕が体よりも前(目標方向)にきていますが、これは加速力のアップにつながります。インパクトの形もハンドファーストにしやすくなりますが、これは肩と手元を結ぶ三角形をキープしたまま、速く動かすイメージをもってください。下半身始動のスイングが大事といわれますが、腕も速く振ってクラブを速く動かさないと飛距離を伸ばすスピードアップは望めない、というのを表していますね。

久常涼
●ひさつね・りょう/2002年生まれ、岡山県出身。175cm、75kg。今季はASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント2位タイ、ANAオープン4位タイに入り、ZOZOチャンピオンシップでは、日本人最高位になった。SBSホールディングス所属。

次は、大西魁斗プロのスイングです。

きれいなアドレスはケガをしにくい

①肩が前に出る「巻き肩」にも反り腰にもなっていないきれいなアドレス
⑤インパクトゾーンで前傾角度が深くなるのが縦回転スイングの特徴

アドレスの際、男性は肩が前に出たり、女性は反り腰になって、バックスイングが回りにくくなっている人がいます。そういう人は腹筋に力を入れて振れない。この自覚症状がある人は、大西選手のアドレスを参考にしてください(①)。アドレスを美しくすれば、捻転しやすく、ケガもしにくくなりますよ。

スイングは、トップ(③)でのフェース向きがスクエア。そこから、右肩が地面を指すようにダウンスイングしています。このように体の「くの字」がアドレスよりも深まるのは、縦回転のスイングだからです。たとえるなら、メリーゴーランドは横回転、観覧車が縦回転になりますが、縦回転は下への力が働くためボールを強く叩ける。落下する力も飛ばしのパワーにつなげるスイングですね。

この縦回転を完璧にマネするのは難しいですが、縦回転を意識しつつ、斜めに振るスイングならアマチュアゴルファーでも可能です。インパクトで右肩を下げるように打ちますが、右足の外側に下げるのではなく、体の前に下げるようにすると、パワーが上がる縦回転に近いスイングができますよ。

大西魁斗
●おおにし・かいと/1998年生まれ、愛知県出身。177cm、70kg。今季はダイヤモンドカップ2位タイ、JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP2位。フジサンケイクラシックではツアー初優勝を果たした。賞金ランキングは10位。ZOZO所属。

最後に、比嘉一貴プロのスイングを解説していただきました。

やや変則でも1位のスイング!

④右ワキをあけたほうが体が回りやすくなる
⑤フェードボールは高い位置からクラブを下ろしたい

比嘉選手は賞金ランキングのトップを走っていますが、スイングは男子プロのなかでもやや独特です。

④のトップはフェースが空を向く、かなりシャットフェースでクラブを振り上げていますが、ダウンスイングではフェースを開きながら戻していくので、インパクトではスクエアフェースになっています。これは強いフェードを打つコツのひとつで、パワーフェードを打ちたい人は、比嘉選手のように閉じた状態から開くフェースの使い方をマネしてみましょう。

また、バックスイングからトップで右ワキが徐々にあいていきます(②〜④)が、これもダウンスイングでしっかり戻せば、あいてしまってもOK。むしろ、体が硬い人は右ワキをあけることで体を大きく回せるようになるため、パワーを出しやすくなります。

⑤のダウンスイングでは高い位置からクラブが入り、アウトサイド・イン気味の軌道で振っているように見えます。近ごろは、シャローイングというインから振り下ろす切り返しが流行っていますが、それが絶対ではありません。パワーフェードを打ちたいなら、比嘉選手のような切り返しや軌道がよく、このスイングが現在の賞金王なのですから「スイングに正解はない!」ともいえますね。

比嘉一貴
●ひが・かずき/1995年生まれ、沖縄県出身。158cm、70kg。2022年は関西オープン、BMW日本ゴルフツアー選手権森ビルカップ、Shinhan Donghae Openで優勝し、ツアー3勝をあげている。自身初となる賞金王を狙う。フリー。

いかがでしたか? この記事を参考に、スイングを練習してみてくださいね。

解説=赤坂友昭
●あかさか・ともあき/1985年生まれ、福岡県出身。ゴルフ選手として活動後、コーチに転向。東京都三鷹市の東京ゴルフスタジオ、新宿区のトータルゴルフフィットネスにて多くのアマチュアのレッスンを行なっている。

写真=ゲーリー小林

【あわせて読みたい】

「天使か」西村優菜、“かわいすぎる”ウェア姿を披露!ファンから称賛の声集まる

7番ウッドを選ぶ時の「4つのポイント」!最新15モデルを試打解説

「7番アイアンで200ヤードも飛ぶ」ってマジ!?“飛距離”に特化したアイアン4選

関連記事一覧