「飛距離320ヤード超!?」プロゴルファーのスイングって?
「300ヤードも飛ばす男子プロのスイングなんてマネできない!」と思っている人たちへ。プロが飛ぶのには理由があり、それをマネれば今より飛ばすのも不可能ではありません!
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ドライビングディスタンス300ヤード以上の3人の選手のスイングを、吉田栄太コーチに解説してもらったので、そこから飛距離アップのポイントを学びましょう。
まずは、清水大成選手のスイング解説です。
股関節に体重を乗せる
まずは、飛ばし屋の共通点を解説します。それは切り返し以降の強烈な捻転差。そして、インパクトでクラブと頭が引っ張り合うビハインド・ザ・ボールで打っていることです。この2つのポイントは飛距離アップに即つながりますが、アスリートならではのフィジカルの強さもあるのでアマチュアがマネるには難しい部分もあります。
しかし、簡単にマネできる部分もあります。清水選手のスイングを例にあげると、アークの大きさです。バックスイングでは、始動から腕が地面と平行になったときにクラブが遠くにあります(❷❸)。大きなスイングアークは体の負担も少なく、アマチュアも簡単にマネられます。また、バックスイングの早い段階で右の股関節に体重を乗せているのも飛ばしのポイント。
❸の右股関節を見ると、ズボンに深くシワが入っています。このシワができる体重移動は、切り返し以降に左へ、体を回す、クラブを振るのがスムーズになる。ヘッドスピードを上げられるので、飛距離アップにつながります。
清水大成
●しみず・たいせい/1999年生まれ、福岡県出身。175cm、74kg。今季はゴルフパートナーPRO-AMトーナメント8位タイ、ミズノオープン6位タイ、Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント3位の成績を残している。ドライビングディスタンスは4位で304.02ヤード。ロピア所属。
次に、岩﨑亜久竜選手のスイングを解説。
ボールに伝えるパワーが増加
岩﨑選手は手首のコックを使って飛距離を伸ばすタイプです。③のバックスイングを見ると腕とクラブでL字ができていますが、このL字をずっとキープしていて、ハーフウェイダウンで手元がとても低いところにあります(⑤)。このように動かすとインパクトゾーンが長くなる。点ではなくゾーンでボールをとらえられるため、飛距離だけでなく方向性もよくなります。
このスイングテクニックは、飛ばしの秘けつとして今、最注目されています。タメを作ろうとして、最後まで手首を解かずにガンバっても手元が高くなってしまうと、逆に手元が解けやすくなってしまう。手元を低く下げたほうがタメを作り続けられて、クラブを引っ張れる。それをインパクトで解放することでボールへ伝えるパワーが増加するのです。
タメを作るためには、ダウンスイングで右腕とフェースの向きをチェックしてみてください。右ヒジを伸ばしながらクラブが地面と平行に戻ってきたとき、フェースが閉じ気味になっていればOKです。
岩﨑亜久竜
●いわさき・あぐり/1997年生まれ、静岡県出身。181cm、86kg。今季は開幕戦で5位に入ると、BMW日本ゴルフツアー選手権3位、パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ2位と初優勝まであと一歩。ドライビングディスタンスは10位で300.63ヤード。フリー。
最後に、河本力プロのスイングを解説していただきました。
ヒザ、腰、肩のラインをそろえて構える
河本選手は柔軟性が高く、腰の回転も速い。捻転差も大きいのでアマチュアはマネしづらいスイングですが、①のアドレスで両ツマ先を開いたアドレスは、誰でもマネできるポイント。体が固い人でも腰の回転力を上げられます。
両ツマ先を開くと真っすぐ構えにくい。インパクトにかけて左サイドの壁が作れない、という理由で閉じる人もいますが、飛距離アップで優先すべきは、左サイドの壁よりも左への踏み込みと体の回転です。ツマ先を開くとインパクトからフォローで左足はめくれやすくなりますが、これも気にしなくて大丈夫です(⑥)。
目標に対してスクエアなアドレスは、両ツマ先を結んだラインはあまり気にしなくてOKです。プロでもスタンスラインは右に向けたクローズ気味にする選手もいます。肝心なのはヒザと腰と肩のラインです。この3つのラインを目標に向ければ、アドレスのズレによるスイングのエラーは出ません。どうしても足のラインを目標方向に合わせたい人は、両カカトを結んだラインを目標に合わせてスクエアな構えを作ってください。
河本力
●かわもと・りき/2000年生まれ、愛媛県出身。183cm、86kg。今季はSansan KBCオーガスタゴルフトーナメントとバンテリン東海クラシックで優勝。賞金ランキング6位と絶好調。ドライビングディスタンスも2位以下に圧倒的な差をつけ、326.41ヤードで堂々の1位。フリー。
いかがでしたか? 3人の選手のスイングを参考に練習してみてくださいね。
写真=ゲーリー小林
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