“人生初のイップス”からの大復活!福田真未、3勝目に向けた気持ちを語る
ツアーで活躍しているプロたちは誰もが自分のゴルフを「よりよいもの」にしていくために様々なことを考え、走り続けている。
「どんなこと」を考え、「どのように」ゴルフに向き合っているのか。インタビューをとおして、その姿を探っていく。
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ショットの調子が戻ってきた
――今シーズンを振り返ってみると、いかがでしたか?
福田:ここ2、3年は調子がよくなかったのですが、今年は調整がうまくいっていて、ショットが安定しています。
――調子がよくなかったのは、何か理由があるのですか?
福田:去年の5月からコーチが変わり、私がゴルフを始めたときに教わっていた方にコーチをしていただいています。これまでのゴルフ人生のなかでその方に習っているときが一番調子がよかった。初心にかえるではないですが、もう一度、基礎からやっていこうと思って、練習に取り組んでいます。まだ100パーセントではないんですが、体の動かし方にも慣れてきて、ショットに対しての不安がなくなりました。
――今季は上位にも入り、その結果が出ていますね。印象に残った試合はありますか?
福田:日本ハムレディスです。ショットがよくなってきて、1年くらい悩んでいたパターも、イメージを変えて打ったらすごく自分に合っていて、久しぶりに優勝争いができました。今まではコースマネジメントよりもショット力を重視していたんですが、ショットがよくなるとマネジメントもよくなる。試合の流れや攻め方をきちんと考えることができました。
――パットも復調してきたんですね。
福田:いや、まだまだです。ショットがよくなったぶん、1パットで決めるチャンスが多くなったのに、もったいないパットがまだ多いです。7、8年同じパターでプレーしているんですが、残りの試合でパターを替えてみてもいいかなと思っています。これまでは、シーズンが始まったらクラブは替えないタイプだったんですが。
――替えなかった理由は?
福田:食わず嫌いじゃないんですが、挑戦するのが怖いというのがありました。でも周りの子がクラブやスイングイメージを変えているのを見て、自分もいろいろ試しながらやっていきたいなって。
――参考にした選手は誰ですか?
福田:最近、小祝さくらちゃんや西村優菜ちゃんと同じ組になったとき、彼女たちは決断力があって、淡々としているように見えたんです。それに比べると自分は考えすぎているのかもしれない。気持ちの切り替えも上手だったし、私も思いっきりプレーしたいなって思いました。
――若い世代から刺激は受けますか?
福田:すごく受けますね。私が若いときと考え方が全然違う。ある意味、若さを感じないんですよね(笑)。若い選手のインタビュー記事をよく読みますが、ダメだったらそれを受け入れる考え方をしています。私は思ってもそれがなかなかできなくて。ダメだったら、またダメなんじゃないかと考えてしまって、ゴルフがだんだん小さくなってしまったときもありました。今の若い選手はイケイケに攻めて、ダメだったら来週ガンバります! みたいな感じに見えます。それは強みだし、マネしたいです。
――もともとの性格は?
福田:ネガティブですね……。すごく考え込む性格で、ツアーに出始めた20歳のころは、ネガティブすぎて自分でも大丈夫かなって(笑)。10年間、プロ生活をさせてもらって、やっと考えが前向きになって、気持ちの切り替えがうまくなったと思います。今年はとくにそれを感じていますね。
30歳という節目の年を迎えて
――今年、ワッグルは30周年を迎えました。福田さんが生まれた年に創刊したんですよ。
福田:そうなんですね! ワッグルと同い年でうれしいです(笑)。
――30歳という節目の歳を迎えていかがですか?
福田:20代と30代は全然違うというイメージだったので、30歳になったときはすごく意識しました。実際、何か変わったかといわれれば、とくにないんですが、20代のころを振り返ることが増えましたね。20代の経験を30代に活かしたいです。
――どんなことを活かしたいですか?
福田:ゴルフでは、自分を追い詰めることをやめました。一生懸命練習して準備してダメだったら、何が足りないかを探して、またやればいいと考えるようにする。そうしたら、気持ち的な余裕が生まれますよね。プライベートでもずっとセカセカした生活をしていたので、余裕をもつことを心がけています。
――20代の自分に今だからいいたいアドバイスは?福田:もうめちゃくちゃあります!(笑)。一番に、深く考えすぎるなっていいたい。考えても変わらないことは考えるな! って。意外とどうにでもなるし、次に気持ちを切り替えてほしいですね。
――辛い時期もありましたか?
福田:ありました。2015年に人生初のイップスにかかり、そのときにゴルフをやめようとも思いましたね。でも、たくさんの本を読んだり、いろいろな人に会ったりして、1年かけて直しました。それからは完璧を求めすぎず、打てればいい! という考えになりました。もっと楽な気持ちでゴルフと向き合おうと。この経験があったから初優勝できたんだと思います。
――イップスはどんな症状だったのですか?
福田:クラブを上げられなくて、それが夢にも出てくるんですよ。バックスイングができなくて、棄権したらどうしようとかも考えました。でも、結局は自分の考え方だと思って、頭で「上げる上げる」と言い聞かせながら打っていました。ひどいときは1球打つのに1分半くらいかかっていたこともあって、今、思い出すとこれよりひどいことはもうないかもしれませんね。
――その辛い経験をバネにしているのですね。
福田:応援してくれる方がたくさんいましたから。ネガティブな私がゴルフを続けられているのは、ファンやスポンサーさんを含めた周りの方のおかげですね。
――これからはどんなゴルフ人生を歩みたいですか?
福田:ずっとジュニア育成に興味があるので、オフなどにレッスンの勉強をして、ジュニアに教えていきたいですね。私はツアーでハウスキャディを頼むことが多いんですが、学生の子がついてくれることがあります。そういう子たちと話すと、夢があってガンバッてほしいなって心から思うんですよね。
――最後に、来シーズンの目標をお願いします!
福田:ショットの調子もよくなってきているので、なるべく早く3勝目をあげたいです!
いかがでしたか? 福田真未プロの活躍から目が離せませんね!
福田真未
●ふくだ・まみ/1992年生まれ、福岡県出身。168cm。17年にツアー初優勝。18年に2勝目をあげた。今季はヤマハレディース6位タイ、日本ハムレディス4位タイと優勝争いを演じ、3勝目の期待がかかる。安川電機所属。
写真=小林司、田中宏幸
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