ドライバーの飛距離を伸ばす方法!300ヤード飛ばすコーチが解説

ドライバーが飛ばない原因は、“体格”や“筋力”のせいではありません! カラダの使い方や振り方で、飛距離は簡単にアップすることができます。

今回は、小柄や細身、非力でも飛ばせるワザを、300ヤードのビッグドライブを放つ樋口貴洸コーチと遠藤将也コーチがレッスンします。飛距離を伸ばしたいゴルファーの方は、ぜひ参考にしてください。

【あわせて読みたい】飛ぶ&曲がらないシャフトはどれ?最新5モデルをレッスンコーチが試打解説!【2022年版】

遠藤将也
●えんどう・まさや/1994年生まれ、長野
県出身。東京国際大学のゴルフ部を経て、
PGAティーチングプロ資格を取得。板橋区
の「リバースゴルフスタジオ」でのレッス
ンのほか、首都圏の練習場やコースでのラ
ウンドレッスンも行なっいる。
樋口貴洸
●ひぐち・よしひろ/1997年生まれ、
埼玉県出身。ツアープロを目指しながら
港区の「Golf&Fitness Point 芝浦」でア
マチュアを指導。ドライバーを飛ばし、
得意のアイアンでバーディを奪うスタイ
ル。遠藤は大学ゴルフ部の先輩。

飛距離を出すための極意は?

飛ばすためのコツはずばり「右手、右足の使い方」にあると遠藤将也コーチ。「男子ツアーでも体格のよい選手に負けない飛距離を出すプロは、右手と右足を無意識でも使って飛ばしています」とのこと。

また、樋口貴洸コーチも「たしかに。自覚はないかもしれませんが、比嘉一貴選手(158cm)、桂川有人選手(167cm)、香妻陣一朗選手(165cm)などのスイングを見ると使っていますよね」と同意。

右手、右足を使うと曲がってしまうと思われがちですが、上手に使えば曲がりを抑えながらすぐに飛ぶようになると遠藤コーチは力説します。

また、樋口コーチは「右手・右足をうまく使うのと同時に、『真っすぐ立つ』打ち方をミックスしたら、間違いなく飛びますね!」と説明します。

どうやら飛距離のポイントは「右手・右足の使い方」と「真っ直ぐ立つ」あるようです。

飛距離アップのコツ1「右ヒザは伸ばしてOK」

右足を伸ばしながらクラブを振り上げる。右足を使っての飛ばしは、バックスイングからはじまっているのだ!

飛ばそうとして、右足、とくに右ヒザの位置を固定し、上半身と下半身の捻転差を大きく広げるバックスイングをとる人がいますが、これはかなり体がやわらかくないと不具合が起きてしまいます。

飛距離アップには回転軸のキープが大事なのに、右ヒザが動かないように我慢をすると、体が右にズレるスエーが起きてしまうのです。

バックスイングからトップにかけては、右ヒザの位置や角度をキープせずに伸ばしてOK!

体が大きく回せるし、大きく回転しても軸がズレにくくなります。

右ヒザを伸ばしながらトップへ。軸の位置を保ったまま体を大きく回しやすい。ダウンスイングでは、クラブをインへ振り下ろすスペースもできる
無理に右ヒザを固定すると、上体が右にズレるスエーが起こりやすい。上半身だけを回すと回転不足だと感じてしまい、手を使って振り上げてオーバースイングになることも。クラブを切り返しにくいので、飛ばないカット軌道にもなりやすい

飛距離アップのコツ2「右手の小指と薬指をしっかり握る」

右手を使うタイミングは切り返し。ポイントは力を入れる指にある。樋口が試しにやってみると、親指側に力を入れて切り返すと右腕が伸びてクラブが外から入ってしまう(×)小指と薬指に力を入れて切り返すと、手元が体から離れすぎず、クラブが立ってインから下ろせた(〇)

スイングは基本、左手のリードで振り下ろします。しかし、右手を上手に使うことでパワーもスピードも上げることができるのです。「グリップは小指側の指でしっかり握る」と聞いたことがある人は多いと思いますが、その理由を知っていますか? 

僕は、切り返しで右手の小指と薬指をしっかり握るようにしています。アマチュアは、右手を使おうとする、または悪い使い方をしている人は、力を入れやすい親指や人差し指でギュッと握ってしまいますが、これはカット軌道になる原因のひとつ。小指と薬指に力を入れれば、手元やクラブをインへ下ろしやすくなるのです。

クラブが遠回りをせずに最短距離を通るので、ボールへのエネルギー効率がアップ。加速力も上がる軌道で振り下ろすこともできます。

手元が近いほうが強く押せる!

手元と体との距離はパワーにも影響する。腕を伸ばして手が離れた状態で押すと力が入らない(×)が、手元を近づけて押すと強い力をかけられる(〇)。ダウンスイングも同じで、小指側に力を入れて手元を遠ざけないほうがパワーを出せる

飛距離アップのコツ3「カラダをゴムのように使う」

トップまでに、右足は伸ばし、右腕は曲げて縮める。反対にインパクトに向かっては、伸ばした右足は縮め、縮めた右腕は伸ばす
ゴムのように使うとヘッドが走る。インパクトで左足を伸ばすことも飛ばしには有効だが、これも右足を縮めるから伸ばせる相関関係がある

体格や筋力以上のパワーやスピードを引き出すには、体をゴムのように使ってください。腕や足をゴムのように伸ばして縮めることで、ヘッドが走るようになります。

前述した「バックスイングで右足を伸ばす」もそうで、スムーズで大きな回転や軸ブレ防止だけでなく、ダウンスイングでは曲げるために伸ばしておく。腕も同様で、右腕はインパクトに向かって伸ばすために、トップまでに縮める(右ヒジを曲げる)。

伸ばすも縮めるもそれぞれ逆の動作を入れないとできませんし、大きく伸ばしたほうが強く、速く縮まるので、各所で積極的に伸び縮みさせてください。正しい伸び縮み動作は、スイングをスムーズにするため、軸ブレを防ぐ効果もあります。

飛距離アップのコツ4「カカト荷重で右足の曲げすぎを防ぐ!」

バックスイングで伸ばした右足を縮める(曲げる)ときは、曲げすぎに注意。曲げすぎると右ヒザが前に出てしまいダウンスイングが詰まったり、手元が体から離れてカット軌道になるのでパワーをロスしてしまう(×)。これを防ぐ秘けつがカカト荷重。トップまでに右足を伸ばすときやインパクト前まで、ツマ先ではなくカカトに体重を乗せると右ヒザの曲がり具合を調整できる(〇)

飛距離アップのコツ5「“真っすぐ気味”の前傾でOK」

真っすぐ気味の前傾姿勢

僕は、さらに回転力を上げるコツをレッスンします。これは遠藤先輩がいっていた「軸のキープ」にも役立ちます。体を大きく速く回すことは飛距離アップに直結しますが、それには体を真っすぐ立てたほうが容易です。

アマチュアはフィジカル面でもツアープロと比べて柔軟性や筋力が劣るため、前傾角度をキープしながら回る動作は体への負担が大きく、それを気にして振るとヘッドスピードが上がらなくなってしまう。僕自身も体は固いほうなので、前傾を浅めにして飛ばしていますが、弾道測定器で測ってもあきらかに真っすぐ立って打ったほうがヘッドスピードもボール初速も上がります。

深めの前傾姿勢

深めの前傾は、そのぶん起き上がりやすくもなりますからね。前傾を浅くして振るスイングでの飛距離アップを、ぜひ試してみてください!

飛距離アップのコツ6「真っ直ぐ立って回転力を上げる」

「単純に、真っすぐ立って打つと軸が固定しやすくなります」と樋口。大きく振り上げたり、ダウンスイングでクラブに強い遠心力がかかっても、軸が前後左右に傾きにくいので回転力が上がる

「真っすぐ立つ」と高速で回れる。これは、フィギュアスケートの回転ジャンプもそうですね。頭からツマ先までを一直線にして回りますが、ゴルフスイングでは背骨の前傾を起こして、背骨を中心に回転してください。回りやすさや回転速度が上がりますが「背骨真っすぐ」は、単純に前傾した姿勢よりも軸が前後左右に傾きにくくなる効果があります。

軸が左に傾くのは、ダウンスイングでスピードを出そうとしたときによく見られる動き。回転力が落ちてのスピードダウンだけでなく、カット軌道や入射角が鋭角になるため力が伝わりにくくなる

軸が傾いてしまうと回転力が落ちてしまいますが、同時にクラブの軌道や入射角も悪くなる。だから飛ばなくなってしまうのです。

飛距離アップのコツ7「“左肩が上がる”のはNG!」

軸を右に倒してのアッパーブローもドライバーを飛ばすコツといわれるが、過度なアッパーブローはインパクト時のロフトが増えすぎて飛ばなくなってしまう。弾道はロフトなりの高さで飛ばそう

真っすぐ立って打つときの注意点は「それ以上、起き上がらない」こと。起き上がるとダウンスイングで軸が左に倒れて、体が突っ込んでしまう。左肩が右肩より高い位置にこないように気をつけよう

飛距離アップのコツ8「クラブをカラダの前に振り戻すフィニッシュをとる」

勢いよく振り切った反動を使って、体の正面までクラブを振り戻す

回転力を上げたスイングでは、フィニッシュはピタッと止まらなくていいです。「止まれる=コントロールができている」よりも「勢いがつきすぎて止まれない」スイングとフィニッシュの習得が先。

振りちぎったらその反動を利用して、クラブを体の前まで振り戻すフィニッシュをとってください。

フィニッシュの形が崩れても、構えた位置(写真左)から大きく足が動いてしまうのはNG。回転力が上がってもミート率が落ちたり、曲がる危険性が増える。クラブも振り戻しにくくなってしまう。

回転しやすい「真っすぐ立って打つ」スイングで、速く回れる自分の限界を突破しよう。ピタッと止まれるうちはまだまだ回転不足

いかがでしたか? ぜひ実践して、飛距離アップを目指しましょう!

そして、飛距離をアップできたら、新作ドライバーをチェック!最新モデルに乗り換えて、さらなる飛距離アップをめざしましょう。

写真=田中宏幸
協力=日神グループ 平川CC

各メーカーが新作を続々と発売しています。クラブコーディネーター・鹿又芳典氏が、最新ドライバーをコースで打ってみました。

2022後半・NEWドライバーカタログ

つるやゴルフ ワンサイダーJi

究極のやさしいドライバーが完成!

簡単に楽しくゴルフをしたい人にオススメ! 元々、打ちやすいシリーズでしたが43.5インチになって究極のやさしさが実現しました。

SPEC●体積/460cc●ロフト/10.5度●シャフト(フレックス)/ワンサイダーJiディアマナ(R、S)●価格/6万500円

グローブライド オノフ ラボスペック プラス

一般的な日本人ゴルファーにハマる!

打感、やさしさ、操作性のバランスがよくて、平均的な日本人ゴルファーがもっとも打ちやすいスペックになっていると思います。

SPEC●体積/460cc●ロフト/9.5、10.5度●シャフト(フレックス)/HASHIRI:50CBT(S)など●価格/8万300円~

プロギア RS ジャスト

ボールスピードは現役モデルで最高クラス

フェースセンターに重心点やたわみ点を集中させたことで、最高クラスのボールスピードが出る。芯に当てやすい振りやすさも魅力です。

SPEC●体積/460cc●ロフト/9.5、10.5度●シャフト/ディアマナ FOR PRGRブラック(R・M-37、SR・M-40、S・M-43)●価格/8万8000円

テーラーメイド ステルス グローレ

進化したグローレはヒッカケが出ない!

グローレユーザーの期待を裏切らない進化を遂げています。高弾道ボールが打ちやすいし、マン振りしてもヒッカケない安心感がありました。

SPEC●体積/460cc●ロフト/9.5、10.5、11.5度●シャフト(フレックス)/フジクラスピーダーNX for TM(R、SR、S)●価格/9万7900円 ※10月7日発売予定

ヤマハ インプレス ドライブスター

カッコいい形状でも慣性モーメントは大!

見た目がカッコよくなりましたね。スッキリしたヘッド形状ですが、ヘッドの慣性モーメントが大きいのでやさしさは健在です。

SPEC●体積/460cc●ロフト/9.5、10.5、11.5度●シャフト(フレックス)/SPEEDER NX for Yamaha(R・10.5、11.5度、SR・10.5度、S・9.5、10.5度)●価格/9万2400円 ※10月21日発売予定

マジェスティ プレステジオ12

デザインは斬新でも意外とクセがない

ゴールドを強調した奇抜で斬新なデザインですが、クセがなくて打ちやすい。シニア世代だけでなく40代のゴルファーも使えます。

SPEC●体積/460cc●ロフト/9.5、10.5、11.5、12.5度●シャフト(フレックス)/マジェスティLV750(R2、R、SR、S)●価格/25万3000円

いかがでしたか? 皆さんも気になった新作モデルをぜひ試してみてください!

試打・解説=鹿又芳典
●かのまた・よしのり/多くのゴルフメディアで活躍する人気クラブコーディネーター。現役ツアープロのクラブ調整やサポートだけでなく、ジュニアゴルファーの育成にも注力している。

構成=野中真一
写真=相田克己
協力=日神グループ 平川カントリークラブ

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