“FWキープ率”上位の男子プロ3人から学ぶ「真っすぐ飛ばす」コツ

フェアウェイキープ率上位の男子プロのスイングから、ドライバーを真っすぐ飛ばすポイントを解説!

桂川有人プロのスイングを、平野茂プロに解説してもらいました。

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インパクト後、手元は腰の左側へ

トップの位置が低いのはフェアウェイキープ率が高い選手の共通点(3)
手元の力を抜くことも大事(5)。リキむとアドレスと同じ位置に手元が戻ってこない

曲がらない選手は、インパクトで手元が低いのが共通点。手元が浮かず、アドレス時の位置に戻してきます。桂川選手も5で手元を低く下げて振っていますが、フォローでの手元の位置にも注目してください。インパクト後の6ではグリップエンドが見えませんが、その後の⑦で左ワキの下から見えてきます。このようにインパクト直後に手元を低く振り抜いていくと、体が起き上がらない。前傾した角度をしっかりキープしたまま打つことができます。

アプローチでは方向性を高めるために、この低いフォローの取り方をする選手はたくさんいるのですが、曲げないためにはドライバーもこのように動かしたい。インパクト前から手元を低く動かすためにも、前傾角のキープは必須ですからね。スコアメイクはグリーンから逆算して考えますが、スイングも一緒。バックスイングやインパクトをよくしたいなら、フォローの動きや形を意識することが大切なのです。

桂川有人
●かつらがわ・ゆうと/1998年生まれ、愛知県出身。167cm、70kg。今シーズンは開幕戦の東建ホームメイトカップで2位、ISPS HANDA 欧州・日本、とりあえず今年は日本トーナメント! でツアー初優勝を果たした。国際スポーツ振興協会所属。

次は、稲森佑貴プロのスイングです。

「土台」を安定させて方向性アップ! 下半身の上下動も抑える

5 腰とヒザの位置を変えないことで体が左に流れない
6 フォローのときも右足に体重を乗せている感覚をもつ

インパクトゾーンで、手元を低く動かすことが大事とお話しましたが、稲森選手のスイングからは右ヒジの位置を参考にしてください(❺)。右ヒジがベルトの高さにありますが、これはアマチュアがマネるには難しいスイングテクニック。ですが、稲森選手が長年フェアウェイキープ率1位に君臨する秘けつなので、トライしてみてもいいと思います。

ほかに、稲森選手のマネたいところは、スイングの土台である下半身。アドレスからフォローまでベルトとヒザの高さがずっと変わりません。下半身の上下動がないから手元も上下動しないので、手元を低く動かすスイングへとつながっていきます。

土台を安定させるポイントは、❸のトップから❺のインパクト。このタイミングで腰が左に流れないようにしてください。腰が左に流れると、腰の左側が上がって体が起き上がってしまう。そうなると手元も高くなってしまうので、とくに腰の左側の高さを意識してください。

フェアウェイキープ率が高い人は、体重移動が少ないのも特徴です。足の裏の土踏まずでしっかり地面を踏んで、フォローでも足を浮かさない。その場で体を回すシンプルなスイングをしています。これは、ダウンスイングで体重を完全に左足に移すのではなく、右足にも乗せる(残す)感覚をもってスイングしましょう。

稲森佑貴
●いなもり・ゆうき/1994年生まれ、鹿児島県出身。169cm、68kg。今シーズンは中日クラウンズとJAPAN PLAYERS
CHAMPIONSHIP byサトウ食品2022で優勝。フェアウェイキープ率は2015年からずっと1位をキープしている。国際スポーツ振興協会所属。

最後は、木下裕太プロのスイングです。

後頭部に軸があるイメージでスイング

②後頭部に軸を設けると目や鼻の位置は顔1個ぶんくらい右に動く
⑤インパクトで手元が体の左側に見えるとクラブを真っすぐ出しやすい

木下選手は前出の2選手に比べて、アマチュアがマネしやすいスイングです。②のバックスイングで動かした頭が、フィニッシュ直前まで右の足の上にある。こうなると、インパクトでは視界の左側に手元が見えるはずです。アマチュアは視界の右側に手元やクラブがある人が多いですが、手元が頭や体の右側にあると、クラブを真っすぐ出しづらくなるため、方向性が悪くなってしまいます。

また、右足の上に頭を残すスイングは、意識しなくても自然にアームローテーションができる(⑥)。アームローテーションができると右手のひらが地面を向くため、ラインを出しやすくなります。

頭の位置を意識するには、頭の前ではなく後頭部に軸があると思って、その軸を動かさないようにスイングしてください。後頭部の軸を意識すると顔が動きますが、バックスイングでは目と鼻などが顔1個ぶんくらい右に動くのはOK。その後はずっと、右足の上に頭があるようにスイングしてください。

木下裕太
●きのした・ゆうた/1986年生まれ、鹿児島県出身。174cm、80kg。18年のマイナビABCチャンピオンシップ2018でツアー初優勝。昨季はカシオワールドオープンで、ホールインワンを達成したショットメーカー。光莉リゾート&GOLF所属。

解説=平野茂
●ひらの・しげる/1973年生まれ、東京都出身。早稲田大学野球部から社会人野球の選手としてプロ野球を目指し、その後、ゴルフに転向。2013年に東京都・五反田にあるフラットフィールドゴルフ代表として独立。師匠は叔父の中山徹プロ。

写真=ゲーリー小林

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