ゴルフ上級者のマネジメントが簡単に身に付く!「クラブ5本のラウンド」とは?

ハンデキャップ8のゴルフライター・高橋健二さんが実践している「クラブ5本」でのラウンドのメリットについて紹介します。

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スコアメイクのコツを覚えられる

ゴルフクラブのセットは14本で構成されている。それを5本のクラブでラウンドしてみよう。なぜ5本に制限するのか。理由がある。100や90を切れない人を含め、エイジシューターの目標である80台前半で回るために大事なマネジメントを会得できる。スコアメイクのコツを覚えられるのだ。

まず5本の中身だが、1本目はドライバーを外して3Wか5Wを選ぶ。パー5や距離の長いパー4では、2打目でもフェアウェイウッドを使う必要があるからだ。14本の中でドライバーはミスが多い。それを外すからスコアはよくなる。パターは必須なので、2本目はパター。残りはアイアンの5〜7番で1本、8〜9番で1本、ウエッジ類で1本選ぶ。合計5本だ。仮に5W(距離180ヤード)、6I(160ヤード)、9I(130ヤード)、AW(90ヤード)、パターの5本を選んだとする。すごく不自由だ。その不自由さがゴルフの上達を速める。マネジメントを考えないとスコアメイクできないからだ。

たとえば、2打目の残りが140ヤードだったらどうするか? 6Iではオーバーするし、9Iではショートする。しかもグリーン手前には深いガードバンカーがあり、9Iでナイスショットしたときに、ちょうど入れ頃だ。SWはない。さあ、どうするか? 

フルセットのときは何も考えずに8Iで打っていた距離が、にわかに「考え」なければならない距離になる。6Iでショート目に打つなら、どの程度の振り幅で打つか、グリーンは止まるのか、オーバーしたら奥はどうか、下りのパットは速そうか? また9Iでバンカーを避けて刻む場合、どの程度の振り幅で打つか、バンカーの横に逃げるなら、グリーンの右と左ではどちらが寄せやすいか、9Iのロフトを立てて直接グリーンに乗せることはできないか? 5本の中にSWが入っていないから、バンカーに入れたらアウト。それだけで、こんなにも「考え」を巡らせなければならなくなる。

プロやトップアマ、エイジシューターの多くは、フルセットでのラウンドでも、これらのことをショットの前に考えている。考えて、意図した球を打てるからパーやバーディが望める。考えてもそのとおりに打てないのだから意味ないよ、というかもしれない。だが、打てる、打てないは問題ではない。考える習慣を身につけることが大事なのだ。

5本で回るメリットはまだある。たとえば7Iが150ヤード、8Iが140ヤードの人が、残り145ヤードを打つとき何番を選ぶかというケースで、なかなか番手を決められない。そういう無駄な時間がなくなる。結果、プレーファストにつながる。

どうだろうか。ドライバーのミスが減り、クラブ選びで迷わなくなり、バンカーを避けてアプローチするようになる。あなたが大叩きする要因はことごとく解消するのだ。プレー料金の格安な早朝スルーなどを利用して「5本クラブ」にトライしてみよう。

高橋健二
●たかはし・けんじ/1948年生まれ。ゴルフライターとしてレッスンやクラブ情報などを執筆。 HC8。

イラスト=丸口洋平

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