“絶景リンクス”を満喫!海風吹き抜ける五島列島の「手作りコース」
4月号で紹介した五島列島の小値賀島にある「浜崎鼻ゴルフ場」に感動した私は、その隣の宇久島にも魅力的なリンクスがあると聞き、さっそく高速船で渡ってみた。
長崎県・五島列島最北端の宇久島にはゴルファーを魅了する9ホールだけのリンクスコースがある。コースに着いてまず目にしたのは、ラフの草を食べている数頭の真っ黒な和牛。和牛と羊の違いはあるが、それはテレビでしか見たことのない全英オープンの開催コースにいるかのような景観だった。
メンバーのみなさんに挨拶しながら、1番ティーへ向かう。アドレスできないほどの風が吹く。黄金に輝く芝が急に真っ暗になるほど雲の動きも激しい。
ボールの行方を気にするどころか、ただただ前へ進むのみ。ラウンドの出来は散々だったが、初めて味わうコースの楽しさは格別。手持ちのボールが残りわずかとなり、ゲーム終了のときがきた。もし訪れるならば、ボールは多めに持っていくことをおすすめしたい。
西日で輝くコースをあとに、宿に向かう車中で名残惜しさを感じながら頭の中でもう1周ラウンドを続けた。
1187年、平家盛が宇久島に辿り着いた際に船を隠したといわれる場所。波の立ちにくい静かな場所のはずだが、この日の海は荒れていた
昔は捕鯨で栄えていたため、鯨の食文化が受け継がれていて、鯨のベーコンが大人気。さつま揚げなどの揚げ物は、長崎県では天ぷらと呼ばれており、これもまた絶品
平原ゴルフ場
9ホールを2回周って1ラウンド。Par68。放牧地に手を加えた、メンバー手作りのコースで、現在も放牧地と併用。メンバーはほとんどが地元の島民で、ラウンドは基本メンバー同伴。ラウンドを希望する人は井原旅館(☎0959-57-3171)に連絡をすれば空いているメンバーが同伴してくれる。
●長崎県宇久町本飯良郷
文・写真=天神木健一郎