優勝者が「池にダイブ」!? 米女子メジャー開催地が変更でカメラマンが感じた寂しさとは?
優勝者が池に飛び込むシーンが名物だったミッションヒルズCCでの試合が、来年から開催地変更となる。
惜しみつつ最後のダイブの場面に突撃!
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歴史と伝統ある”ポピーズボンド”
1972年から開催されてきたLPGAのメジャー第1戦「シェブロン選手権」。今年は渋野日向子が一時首位に立ち(最終順位は4位タイ)注目を集めたが、来年からは長年親しまれてきたミッションヒルズCC(カリフォルニア州ランチョミラージュ)を離れ、テキサス州ヒューストンに場所を移す。
「クラフトナビスコ選手権」「ANAインスピレーション」と、大会名称は何度か変わってきたが、毎年、今季最初の女子メジャーとして認知され、優勝者が18番グリーン横の池”ポピーズポンド”に飛び込むのが恒例の試合といえば、ピンとくる人も多いだろう。
開催地が変更になる理由としては「オーガスタ女子アマ」が「シェブロン選手権」と同週に開催されるようになり、注目度が下がってしまった。また、開催地のカリフォルニア州ランチョミラージュは砂漠地帯で、4月以降は”灼熱地獄”となるためプレーが難しいという事情も。
ちなみに、コロナの影響で9月開催となった20年大会は、大会前週の気温が摂氏45度にもなり、大会期間中も38度前後と過酷な状況での強行開催となった。そこでLPGAは、開催地と開催時期の両方を変更し、心機一転を図ることにしたのだ。
今年、ミッションヒルズCCでの最後の優勝者となったのは、奇しくも開催地変更の理由のひとつとなった「オーガスタ女子アマ」の第1回優勝者でもあるジェニファー・カプチョで、これも歴史のあやなのかもしれない。
さまざまな歴史と伝統のある会場を去るのは私も寂しいが、選手はどんな気持ちなのか。歴代優勝者たちにインタビューをしてみた。
またこの地に戻ってきてほしい
1984、1989年優勝
ジュリー・インクスター
「ミッションヒルズには感謝の言葉しかありません。女子ゴルフ界にも多大な貢献をしていただいたし、私はここでの試合がとても好きでした。ここを離れることはとても寂しく思います。いつか必ずこの地に戻ってきてほしいと思っています」
ウェブとプレッセルの優勝が印象的でした
2011年優勝
ステーシー・ルイス
「歴史あるこのコースを離れるのはとても悲しいことですが、スポンサーのシェブロンはきっと大会のレベルアップを図ってくれると期待しています。一番印象深いのはカリー・ウェブ(2006年)が第3打をカップインさせて優勝した場面。その翌年、非常にタフなコンディションのなか、モーガン・プレッセル(2007年)が最終日に伸ばして優勝したのも覚えています」
キャディの飛び込み方もおもしろかった
2016年優勝
リディア・コ
「この大会はいろんな名場面がありましたが、メジャーに昇格した1984年に優勝したエイミー・アルコットが池に飛び込んだ最初の選手だと記憶しています。それから飛び込みが毎年恒例となり、キャディの飛び込み方もおもしろかった。カリー・ウェブが優勝したときが一番すごかったかも」
景色や雰囲気もいいゴルフ場でした
2008年優勝
ロレーナ・オチョア
「2010年に現役引退して以来、久しぶりにここミッションヒルズCCに戻ってきましたが、ここは私にとっても私の友人や家族にとっても特別な場所。優勝したとき、大勢で池に飛び込みましたからね。早朝に見える山並みや静寂な雰囲気は最高。ここを離れるのは寂しいですが、新天地でよい試合になることを期待します」
フォトグラファー 田辺安啓(通称JJ)
●たなべ・やすひろ/1972年生まれ、福井県出身。ニューヨーク在住。ウェストバージニア大学卒業後、ゴルフコース、テレビ局勤務を経験し、ゴルフを専門とするフォトグラファーに転身。ツアーのみならず、コースやゴルフ業界全般に関わる取材も行っている。
取材・写真=田辺安啓
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