米ツアー・新人王のスイングは意外と“シンプル”だった…!? 吉田洋一郎コーチが解説
多くの海外コーチのメソッドを現地で直接指導を受けてきた吉田洋一郎が、その概要をアマチュアにもわかりやすく解説。
連載の73回目はエミリアーノ・グリージョなどを指導したIMGアカデミーのヘッドコーチ、デービス・スコットを紹介。
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足の裏が前後にスライドするようなフットワークが特徴
デービス・スコットは、IMGアカデミーのヘッドコーチですが、デビッド・レッドベターの弟子ともいえる存在。
アカデミーの設備であるボディトラックやSAMなどのハイテク機器を駆使した指導を得意としますが、スイングメソッド自体はレッドベターの流れをくむオーソドックスなものです。
とくに積極的なコッキングを行うアップライトな軌道や、腕と体のシンクロを重視する点などは、レッドベターのメソッドに似た部分がたくさんあります。
一方でフットワークなどは少し独特で、足の裏を前後にスライドさせるような力の使い方で体の回転を促します。そのためフィニッシュでは左足がめくれたり一歩下がったりしてもいいと考えており、ユーニクではありますが、フットワークがうまく使えないアマチュアにとっては参考になると思います。
オーソドックスでシンプルな垂直軸回転でスイング
メソッドの肝① 腕と体が同調したシンプルなスイング
スコットはレッドベター同様、腕と体の同調を非常に重視する。スイング中に腕が左右にバラけないように、「前へならえ」のように腕が体の正面を指した状態をキープして回転するイメージ。胸の前の空間をつぶさないような動きがポイントだ。
体の回転よりも腕の動きが大きいと「前へならえ」の形がキープできない
メソッドの肝② 手首のコックを使ってクラブをアップライトに振る
積極的なコッキングでクラブを立てて使い、軌道はアップライト気味。ダウンスイングからフォローにかけての手元が腰よりも下にあるゾーンで、グリップエンドの向きが360度入れ替わる。
クラブが寝るのはNG
メソッドの肝③ 足の裏を前後に使って垂直軸で回転するイメージ
バックスイングでは右足をカカト方向に、ダウンスイング以降は左足をカカト方向にスライドさせるようなフットワークで体の回転を促す。
いかがでしたか? 海外の巨匠コーチのスイングを参考に、自身のスイングを見直して練習してみましょう。
デービス・スコット
IMGアカデミーでデビッド・レッドベターの片腕として頭角を現し、レッドベターが去った後はヘッドコーチに就任。多くのプロを育てている。
エミリアーノ・グリージョ
1992年生まれ、アルゼンチン出身。15-16シーズンに欧州ツアーから米ツアーに鞍替えし、開幕戦で勝利。同年のツアー新人王を獲得した。
解説・レッスン=吉田洋一郎
●よしだ・ひろいちろう/1978年生まれ、北海道出身。スイング研究に強い情熱を燃やし、海外で直接有名コーチのメソッドを学び知識を広げる。日本ゴルフスイング研究所主宰。
写真=中野義昌
協力=取手桜が丘ゴルフクラブ(アコーディア・ゴルフ)