ラウンド終盤にスコアが崩れる原因は?「スタート時のスイングに問題あり」とプロが解説
体力や筋力がもたずに、ラウンドの終盤にスイングやスコアが崩れてしまう。この悩みは「疲れてきたときよりもスタートしたときのスイングが原因です」とマスター今野。
終盤のことなのに、序盤が問題ってどういうこと?
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そのスイングで15年後も真っすぐ打てますか?
マツ 最近、後半ハーフ、とくに上がり3ホールのスコアがひどい!
今野(マスター) スタミナ不足ですか?
マツ まさにそれなのよ……。とはいえ、仕事が忙しくて体力や筋力をキープする時間がないことはマスターも知っているでしょ。
今野 ということは、現状のフィジカルで18ホールいいプレーをし続ける方法を知りたいのですね?
マツ 話が早いね~。前半はいいのよ。インパクトも弾道もほぼ思いどおり。スコアも悪くないよ~。
今野 スタートからミッドシニアになったつもりで打ってみては?
マツ ミッドシニアって65歳からでしょ⁉ まだ50歳前なのに? しかも、スタートからって……
今野 スタミナを節約するってことですが、スイングの真理みたいなことでもありますね。今、ベストなスイングやイメージどおりだと思っている球筋は、体力や筋力を使って無理に制御しないと打てないようになっているんです。
マツ 疲れてくるラウンド後半は、それができなくなる。
今野 はい。今のマツさんのスタミナの使い方は最初から飛ばしすぎの短距離走。1ラウンドは長いので、マラソンのような使い方をする。さらに、練習やトレーニングをしないなら、体力や筋力に物をいわせないとできないスイングや打てない球筋を理想にすると、18ホールもちません。
マツ だからスタートからミッドシニアになったつもりのスイングか! しかし、いわばおじいちゃんスイングでしょ。なんかイメージよくないなぁ。
今野 軽く弱々しく振るのではなく、体やクラブに負荷をかけなくてもミートできる、真っすぐ飛ぶスイングをデフォルトにするんです。
マツ それを習得する方法は?
今野 ひとつは、球筋は持ち球なりの弾道を打つ。逆球を打とうとしたり、ストレートな弾道に近づけなくていいです。
マツ となると、僕の場合はフックね。
今野 で、注意するのはダフリですね。フックとダフリは兄弟で、スライス系はトップが兄弟なんです。
マツ たしかに、疲れてくるとダフリが多発するわ。
今野 それと、やはりスイングは振り子運動なんですよ。支点を作ってそれを動かさずに振ると、無理のないスイングができます。これはドライバーでもアイアンでも、ソールを地面に着けずに浮かして振るのがオススメ。練習で感覚をつかむのもいいですが、本番でもソールを浮かすと支点を感じながら振れますよ。
マツ 早速、次のラウンドからやってみるわ。でも、本当はもっと飛ばしたいし、フェードも打ちたいんだよねぇ。
今野 でしたら、鍛えるしかないですね。これはあくまでも「練習もトレーニングもしない、したくない人向け」。加えて、加齢による壁にぶち当たらずに、長くゴルフを続ける秘けつでもあります。
マツ マスターは何歳までゴルフ続けるの?
今野 85歳ですね。
マツ 今の北島三郎さんや大山のぶ代さん、楳図かずおさんの歳か。みんな一戦を退いている年齢だね。
今野 85歳ってそんな感じですか。でも、ゴルフなら楽しめますよ!
体力に自信のない中年ゴルファーはミッドシニアになったつもりでスタート!
「疲れてくるとスイングやスコアが崩れてしまうなら、疲れた状態でもミスしないスイングを覚えて、そのスイングでスタートしていけばいいんです。最初から体力や筋力を使わないスイングならば、終盤も同じスイングができます」と今野。
今の自分よりもプラス15歳。体力の衰えを感じる50歳前後の人は、ミッドシニアになった自分を想像してみよう。体力や筋力に頼らないスイングは先行きも明るく、ゴルフ寿命を延ばすこともできる!
解説=今野一哉
●こんの・かずや/1982年生まれ。本企画「スナックこんちゃん」のマスター兼ゴルフのプロコーチ。RainbowFM(88.5MHz)の「サタマニ♪」(第2土曜 15:00-16:00オンエア)で、ラジオパーソナリティも務める。キッズゴルフクラブ代表。
イラスト=野村タケオ