プロが“打つ直前”に考えていることって…!? 「上級者はショットの前に…」と女子プロが解説
“なっち先生”こと大谷奈千代が、コーチに転身して気づいた「プロとアマチュアの考え方の違い」は、
スイングの改造や強化以上にスコアアップの効果があるといいます。
今回は「頭と心の中を変えるレッスン」です。
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朝の1打目で考えるべきこととは?
コースでの1打目って緊張してしまいますよね。ましてや、コンペなどで後ろにたくさんのギャラリーがいて見られていると、その緊張はMAXまで高まってしまいます。
そんなとき、アマチュアゴルファーは「早く打たなくっちゃ。っていうかアドレスとグリップってこれでいいのかな?」「あれ? バックスイングってどうするんだっけ?」「もっとちゃんと練習しておけばよかった」「昨日あんなに飲みすぎるんじゃなかった」。
こんなことが数秒のうちにたくさん頭を駆け巡るようです。これはもう軽いパニック症状を起こしていますが、これらを冷静に分析すると、残念なことにコースへの対策がまったく感じられませんよね。これを私は「コースと向き合えていない」と表現しています。
プロとアマチュアのスイング時の気持ちの違いとは?
プロや上級者は、ショットの前に、必ず後方からボールと目標ラインを定めます。そして、心の中で「あの木を狙おう」「あそこにキャリーさせよう」など、気持ちはコースへ向かっている。これから
打とうとする直前にスイングのことで考えているのは「リズムよく振ろう」くらいです。
ゴルフはショットしたボールをどうつないでいくかという「計画のゲーム」。ゲームを楽しみ、いいスコアで上がるコツは、ボールをどこに打ちたいかを計画し、実行することなのです。そして「コースに向き合う」クセをつけると、そのショットだけでなく、その次、さらにその次とカップインするまでの計画も立てるように成長していきます。
これが「コースマネジメント」であり、コースを攻略するための知識や経験、技が増えると、スイングのレベル以上のスコアを出す機会も増えます。
もちろん、計画どおりにいかないことも多々あるでしょう。でも、コースに向き合う思考や姿勢は、頭の中はとてもシンプルな状態になり、さまざまなことに意識がいかない。ミスを誘発する雑念を振り払うことも容易になる。ミスしても大叩きにはならないケースも増えますね。
みなさんもスイングのことを考えるのは練習で。コースではつねに目の前のホールを見て、考えるプレーを、早速次のラウンドから試してみてください。
解説=大谷奈千代
●おおたに・なちよ/1984年生まれ、兵庫県出身。05年のプロテストに合格。ステップアップツアー2勝、11年には賞金シードを獲得。現在はレッスンにやりがいを感じ、コーチに転身。アマチュアやプロの卵を精力的に指導している。