飛ぶ&曲がらない最新シャフト5選!人気コーチが試打解説【2022年版】
流行りや人気でシャフトを選んで失敗した……というゴルファーは多いことでしょう。「クルマでたとえると、ヘッドはエンジンで、シャフトはタイヤ。エンジンに合うタイヤというものがありますから、タイヤ(シャフト)選びも大事なんです!」と関浩太郎コーチ。
とはいえ、見た目は筒状で、どんな特徴があってどれが合うのかわからない……。「それも試打して詳しく教えますよ」と気鋭の5メーカーの最新シャフトをわかりやすく解説してくれました。
USTマミヤ アッタス キング
四軸×先調子が魅せるキング級のつかまりと飛び
「飛び」を追求し、多彩なラインナップを展開してきた「ATTAS」シリーズに、13代目の先調子系モデル「ATTAS KING」が登場。「KING」のいちばんの特徴は、とにかくつかまること。高い復元力をもつ素材・四軸織物を、手元部から中間部に使用することで、史上最大級のつかまりが実現した。
シャフト先端から中心部までの広範囲で大きくしなり、しなり戻りも早いため飛距離が伸びる。大きくしなっても、切り返しからインパクトまではスイングプレーンやヘッドの向きが安定。球をフェースの芯でしっかりとらえることができる。打てば打つほど芯に当たる感覚は、上級者のみならず、つかまりがほしいゴルファーがその実力を実感できるモデルに仕上がっている。
● 長さ/ 1168mm・46インチ ●重量/48〜76g ●フレックス/ 4(R、SR、S、X)、5(R、SR、S、SX、X)、6(SR、S、SX、X)、7(S、X)●トルク/4. 3度(5S) ●キックポイント/先調子●価格/4万4000円
「まさにアッタスの傑作といえるモデルです」(関)
5Sはしなり量も多くバランスがいいですね。球が長くフェースに乗って、つかまる感じが手にしっかり伝わってきます。やや短尺の7Sは芯を食う感触がいい。
ヘッドスピードが速いのにミート率がいまひとつという人におすすめです。「KI NG」は、トレンドの軽硬系プラス、重めの短尺のよさも秀逸。球がつかまり、弾き感も強く飛んでくれて、さらに打感もやわらかい。
ゴルファーのスイングタイプを選ばないところも魅力。まさにアッタスの傑作といえるモデルです。
三菱ケミカル ディアマナPD
柔性と剛性のバランスが至高の振り抜きを実現
シックで上質感のあるグラデーションが目を引く「ディアマナPD」は、スムーズな振り抜きとインパクト時の安定したシャフト挙動が特徴。その理由は、先端剛性の高さ。これによって、アマチュアゴルファーの打点のバラつきをしっかりサポートしてくれる。さらに、ヘッドの軌道とフェースの向きがわかりやすく、シャフト全体がしなる設計で、コントロール性もバツグン。意図したとおりに自在に振り抜いて飛ばしたいゴルファーにぴったりのモデルだ。
また、重量帯や、バット径の最適化によって、どんなスペックでも一定のフィーリングを実現。フィッティング時のイメージそのままに、自分に合ったスペックを選べる。このシャフトで理想の最大飛距離を手に入れたい。
●長さ/ 1168mm ●重量/45〜85.5g ●フレックス/ PD40(R2、R、SR、S、X)、PD50(R、SR、S、X、TX)、PD60(SR、S、X、TX)、PD70(S、X、TX)、PD80(S、X、TX) ● トルク/4.8度(50S)●キックポイント/中元調子●価格/4万4000円
「リカバリー力が高いことに驚きました」(関)
いい意味で「余計な動きをしない」というのが第一印象です。操作性が高いので、アベレージゴルファーが使うなら高慣性モーメントのヘッドと組み合わせるのがベストですね。試しにあえてミスヒットしてみたら、当たり負けしません。リカバリー力が高いことに驚きました。
50Sと60Sともに、打感のフィーリングが変わらず、心地よい手ごたえが伝わってくる。幅広いレベルのゴルファーが、その魅力を存分に味わえるシャフトになっていますね。
グラファイトデザイン ツアーAD UB
先端・先中部の剛性アップで強く鋭い飛びを実現
プロゴルファーの使用者も多く、不動の人気を誇る「ツアーAD」シリーズの最新作「ツアーAD UB」は、ボールにパワーがダイレクトに伝わるシャフト。高強度・高弾性炭素繊維「トレカ® M40X」を先端から先中部に、「トレカ®T1100G」を先端部に採用し、先端から先中部の剛性が高まったことで、しっかり叩いても曲がらない低スピン化を実現。同シリーズの「DI」が近いモデルだが、より剛性を高めたことで、方向性の安定と弾き感がアップしている。
また、叩けば叩いたぶんだけ応じてくれるシャフトゆえに、トレンドの大型かつ高慣性モーメントのヘッドとの相性が◎。ヘッドの無駄な動きを抑え、強く叩けるインパクトで、パワーヒッターのレベルアップに大きく貢献してくれるだろう。
●長さ/ 1168mm ●重量/45〜83g ●フレックス/ UB-4(R2、R1、S)、UB-5(R2、R1、S、X)、UB- 6(SR、S、X)、UB- 7(S、X)、UB- 8(S、X) ●トルク/4. 4度(5S) ●キックポイント/中調子 ●価格/4万4000円
「使いこなすほどに強い味方になってくれるシャフトです」(関)
「TOUR AD UB」は、かなりツアー寄りのフィーリングです。しなりの量や、ねじれは抑えめで、ヘッドが暴れずに、ボールにパワーが素直に反映されます。使いこなすほどに強い味方になってくれるシャフトですね。
また、しなりの範囲自体は広いので、やさしさも併せもっていて、ミート率も高め。アベレージゴルファーでも、ヘッドスピードが42m/秒なら60g台、40m/秒前後なら50g台のスペックであれば、充分にハマってくれると思います。
藤倉コンポジット スピーダーNX
スピードだけでなく飛距離も方向性も次の次元へ
圧倒的なスピード感が多くのゴルファーから絶大な支持を集めてきた「スピーダーEVO」シリーズがブランドチェンジ。NEWブランド「スピーダーNX」に生まれ変わった。フジクラ独自の3次元モーションキャプチャシステム「enso」でスイング中のクラブの動きを徹底解析。また最新の設計技術で、先端と手元のトルクを締めることで、中調子の振りやすさと高初速・高弾道の両立を実現した革新的なモデルだ。
「NX」はシャフトとしての役割に徹してくれるので、クラブヘッドの重みを存分に感じながら振り抜ける。インパクトの感覚をしっかり味わいたいゴルファーにも最適で、飛距離や方向性を向上させたい中上級者ゴルファーにぜひ試してほしい。
●長さ/46.0インチ ●重量/ 45.5〜74.5g ●フレックス/ NX40(R2、R、SR、S)、NX50(R、SR、S、X)、NX60(SR、S、X)、NX70(S、X)●トルク/4.6度(50S)●キックポイント/中調子 ●価格/4万4000円
「上達志向が強いアベレージゴルファーにオススメ」(関)
「NX60」はしなり量が少なめですが、ヘッドスピードが42m/秒以上と速い人はシャフトをうまくしならせられるので、飛距離や方向性の安定を存分に感じることができますね。
「NX50」は、ダウンスイング中のしなり戻りがかなり速く、当たったときの球の吸いつきがよく、ボールの重さをしっかり感じられる。飛ばしたいけど曲げたくもない、上達志向が強いアベレージゴルファーにオススメの1本です。
トゥルーテンパー スチールファイバー
異素材の組み合わせが生む新感覚アイアンシャフト
USPGAやUS LPGAでも話題の、スチール、グラファイトにつづく第三形態のシャフト「エアロテック スチールファイバー」が、トゥルーテンパーから新登場。シャフトのコア部分はグラファイトで、もっとも外側の層にはスチールファイバーが巻きつけられているハイブリッド構造。飛距離性能に長けたカーボンと安定性の高いスチールの両方の特性を兼ね備えたモデルとなっている。
現在、「i」と「fc」の2つのシリーズが展開されており、「i」は、安定性と飛距離性能のバランスが特徴。「fc」は、ロングやミドルアイアンは打ち出し角度を中高弾道に、ショートアイアンは抑えた弾道に、と番手別に弾道をコントロールしてくれる。どちらも打感が柔らかく、上級者も満足するフィーリングが得られる逸品だ。
SteelFiber i シリーズ●長さ/ 36.5 〜40インチ(テーパー)、41インチ(パラレル) ●重量/ 70 〜125g ●フレックス/ 70cw(Senior、R、S)、70(L、Senior、R、S)、80cw(R、S)、80(L、Seni or、R、S、X)、95cw(R、S、X)、95(R、S、X)、110cw(R、S、X)、110(R、S、X)、125cw(S、X)、125(S) ●トルク/ 2.4度(95S)●キックポイント/中調子(95R)中元調子(95S、X)※重量、フレックスによって異なる ●オープン価格(編集部調べ:1本9500円)
SteelFiber fcシリーズ●長さ/ 36.5 〜40インチ(テーパー)、42インチ(パラレル) ●重量/ 75 〜115g ●フレックス/ 70(Senior、R、S)、80(R、S)、90cw(R、S)、90(R、S)、115cw(S、X)、115(S、X) ●トルク/2.4-2.9度(90cw S)●キックポイント(#5 〜7)/中調子 ※番手によって異なる●オープン価格(編集部調べ:1本9500円)
「『i 95』は、まさにスチールとグラファイトのいいとこどり」(関)
「i 95」は、まさにスチールとグラファイトのいいとこどり! スチールのよさは球の吸いつき感と操作性の高さ、グラファイトのよさは軽さによるスピード感。それぞれのよさが絶妙に組み合わさっていて、新感覚かつ安定性が高いです。打感も柔らかく、重量帯も豊富で、幅広いゴルファーにマッチします。
番手別設計の「fcシリーズ」は、ロングアイアンが苦手な人にぜひ試してもらいたい。すぐに球のつかまりの向上を実感してもらえると思います。
トゥルーテンパー スチールファイバー
いかがでしたか? 自分に合うシャフトを手に入れて、スコアアップに役立ててくださいね!
試打・解説=関浩太郎
●せき・こうたろう/1974年生まれ、茨城県出身。研修生を経て米国にゴルフ留学。帰国後、「SEKIGOLF CLUB目黒」をオープン。レッスンコーチ、クラフトマンとして活躍
写真=田中宏幸、相田克己、高橋淳司
協力=SEKI GOLF CLUB 目黒、日神グループ 平川